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2016/12/23

NutanixでのVDI/SBCサイジングの実践

こんにちは、ネットワールドの海野です。

Nutanix Advent Calendarということで、 ネットワールドらぼ には初めての投稿です。

今回の記事ではNutanix環境におけるVDIとSBCについて、実践的なサイジングへのアプローチをご紹介しようと思います。

※注1 : NutanixのSizerは定期的にアップデートが行われ、画面や設定内容が変更や調整されます。ご利用時点の最新版とは異なる可能性がございますので、ご了承ください。

※注2 : ここでご紹介する構成やスペック値はサンプルとしてご提供する情報であり、何らかの保証を行うものではございませんので、ご了承ください。

自己紹介

ネットワールド入社当初からCitrixの製品を担当しており、ふだんはXenDesktop(VDI)/XenApp(SBC)のプリセールスSEとしてお問い合わせ対応や構築作業のほか、トラブルシューティングに関するご相談を受けたり、当社で開催しているセミナーや無償ハンズオントレーニングの講師をしています。

よくいただくご相談 : サイジング

その中でよくご相談をいただくのが「XenApp/XenDesktopの推奨スペックとハードウェア構成を教えてください!」というものです。

いわゆるサイジングのお話です。

今年のNutanix Advent CalendarではNutanix島崎さんがSizerに関する記事を寄稿されていますが、このSizerを利用することで複雑と思われがちなVDIやSBCのサイジングや機器選定という課題をシンプルかつスマートに解決することができます。

基本的なSizerの概要や使い方については島崎さんの記事をご覧ください。

Sizerを使ったサイジングの前に…! 要件を整理しましょう

サイジングと機器選定というゴールに向かうためには要件の整理が必要です。

まずは要件を整理し、Sizerへのインプットに落とし込んでいく作業を行います。

私がご相談を受ける際にお客様へお伺いする主な内容としては、以下の項目が挙げられます。

・利用目的と利用形態

・想定負荷とユーザー数

・仮想マシンの展開方法

・冗長性

・接続元

今回のサイジングシナリオはこちら

というわけで、シナリオ(お客様のご要望)を以下のもので想定します。

・利用目的と利用形態 : テレワーク実現のためのXenDesktop(VDI)環境

・想定負荷とユーザー数 : Officeドキュメントの編集やブラウザー閲覧などの300ユーザー

・仮想マシンの展開方法 : Machine Creation Services (MCS)

・冗長性 : あり

・接続元 : テレワーク実現なので、社内以外に社外からも接続する

実践その1 : Sizerにどう入力していくか? (ユーザー用のリソース)

では、このシナリオをもとにSizerに入力していきます。

Sizerを起動し、シナリオの名前(SCENARIO NAME)を入力します。

ここでは「VDI for Telework 300 Users」としました。

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まずはユーザーさんが業務で利用するためのVDIリソースをXenDesktopのワークロードとして追加します。

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今回のシナリオでは「Officeドキュメントの編集やブラウザー閲覧など」という使い方を想定しています。

Sizerではその用途にピッタリの"Knowledge Worker"という選択肢がありますので、これが300ユーザー分という入力をします。

なお、ここではワークロードのカスタマイズなどは行わず、冗長性に関する内容もデフォルトのままで進めます。

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すると、このような結果が表示されました。

今回のシナリオのVDIリソースを賄うには、このNutanixがよいという指針になります。

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管理コンポーネントのリソースを追加する前に… (コンポーネントの整理と確認)

XenDesktopを利用するためには仮想デスクトップだけを用意すればよいというものではなく、さまざまな管理コンポーネントが必要です。

Sizerを利用して管理コンポーネントのリソースを追加していきましょう。

XenDesktopの管理コンポーネントとして代表的なものをここにピックアップします。

・Delivery Controller

・StoreFront

・SQL Server

・Citrix License Server

今回のシナリオでは、論理的な障害に備えて各コンポーネントを冗長化する方針とします。

さらに、可能な限りWindows Serverの台数を削減するべく、複数のコンポーネントを同居させる構成とします。

それを踏まえ、弊社の無償ハンズオントレーニングでは以下のサーバー構成案をご紹介しています。

・サーバー1 : Delivery Controller / StoreFront / Citrix License Serverを同居

・サーバー2 : Delivery Controller / StoreFront / ウィットネス用のSQL Expressを同居

・サーバー3 : ミラーリングされたSQL Server (プリンシパル)

・サーバー4 : ミラーリングされたSQL Server (ミラー)

では、この1~4のサーバーですがどれくらいのスペックでサイジングをすればよいでしょうか?

詳細は弊社の無償ハンズオントレーニングで解説しておりますが、それぞれ次のようなスペックが目安となります。

・サーバー1 : 4vCPU / メモリ8GB / ディスク100GB 以上

・サーバー2 : 4vCPU / メモリ8GB / ディスク100GB 以上 (サーバー1と同じ)

・サーバー3 : 2vCPU / メモリ4GB / ディスク100GB 以上

・サーバー4 : 2vCPU / メモリ4GB / ディスク100GB 以上 (サーバー3と同じ)

この情報を使ってワークロードを入力してみましょう。

※注3 : 上記のスペックはあくまで一例です。シトリックス社からはサイジングについて以下のホワイトペーパーが提供されていますので、こちらもご参考としてください。

Citrix VDI Best Practices for XenApp and XenDesktop 7.6 LTSR

実践その2 : 管理コンポーネント用のリソースを入力

ここでは入力をシンプルにするために、Workload Typeを「Server Virtualization」で進めます。

ワークロードの名前は「Management Resource」としました。

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先ほど紹介したスペックの目安を満たすために、Server Profileは「Large」を選択します。

Server Profileについては島崎さんの記事に解説があります。

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また、ここでもワークロードのカスタマイズなどは行わず、冗長性に関する内容もデフォルトのままで進めますと、入力した結果が反映された内容が表示されます。

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実践その3 : NetScaler Gateway VPXのリソースを入力

社内でXenDesktopを利用する分には以上の内容で十分ですが、今回の想定シナリオは「テレワーク実現のためのVDI」ということで、社外から社内への接続を実現する仮想アプライアンスであるNetScaler Gateway VPX(以下、NS VPX)のリソースを追加していきます。

なお、NS VPXを利用する場合、ユーザーデバイスに対し画面転送データのみをやり取りするためファイルが手元の端末に残らないような使い方ができるなど、一般的なVPNと比較して非常にセキュアであるということが強力なメリットとして挙げられます。

ここでは、NS VPXのワークロードもServer Virtualizationで入力します。

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NS VPX バージョン11.1のデフォルトの仮想マシンスペックは、Server Profile : Mediumで満たすことができます。

また、XenDesktop管理コンポーネントと同様に冗長化を考慮して、2台のNS VPXを配置します。

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最終的なXenDesktop環境のサイジング結果

Sizing Summaryはこのようになりました。

リソースの使用率は上がりましたが、変わらず4ノード構成でOKという結果が表示されました。

検討に必要な材料(要件)があれば、とてもカンタンにサイジングと機器選定ができるということがお分かりいただけるかと思います。

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XenAppはどうする?ユーザー数の変更はどうする? : シナリオのクローン

Sizerではシナリオのクローン機能を使うことで、簡単にいろいろなパターンを検討することができます。

いま作成したシナリオをそのままXenAppでの300ユーザー構成に置き換えてみましょう。

まず、作成したシナリオのクローンを行います。

ここでは「XenApp for Telework 300 Users」としました。

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既存のWorkloadsからVDI用に設定した「User Resource」を削除し、新たに「XenApp Resource」を作成します。

Workload Typeは「RDSH/XenApp」を選択します。

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Windows Server 2012 R2上で動作するXenAppの想定で入力を進めます。

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ここではサンプルとして以下の値を入力しました。

なお、ドキュメントを編集するユーザーを想定していますので、ユーザープロファイルなどは大きめに見積もっています。

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そのままデフォルト設定を前提とすると、数クリックでサイジングの結果が出力されます。

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その他、ユーザー数の変更であれば同様にシナリオをクローンし、ユーザー数を調整するだけでサイジングを行うことが可能です。

まとめ

Sizerを使えばとてもカンタンに複数のサイジングや機器選定のプランニングをすることができます。

XenDesktopやXenAppの基盤をNutanixでご提案いただき、スピード感のあるサイジングと機器選定を試していただければと思います。

 

しかしながら、どのコンポーネントをどういったスペックで組むかというのは、ノウハウや経験が必要な部分であり、難しく感じている方もいらっしゃるのが実情かと思います。

当社では定期的にXenApp/XenDesktop/NetScalerの無償ハンズオントレーニングを実施しており、当社の経験に基づく最新情報をご提供しております。

さらにNutanixについてもイベントを開催しておりますので、今後も当社のイベントにもご期待いただければと思います。