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従来型共有ストレージでの仮想化データセンターの拡張性についての問題 パート1

本ブログエントリーはPernixData社のテクノロジーエバンジェリストであるFrank Denneman氏のブログの翻訳版です。 Frank氏について、詳しくはこちらもご参照ください。

本記事の原文はVirtual Datacenter scaling problems with traditional shared storageで閲覧可能です。

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先日私はFASTのプレゼンテーションについての記事を公開しました。「FAST '15 での FVPの耐障害性Write-Backについてのプレゼンテーション」 Ian Forbesがこれについて以下の様な疑問を投げかけています:

質疑の時間に、だれかがとてもよい質問を投げかけています。PernixData社はWrite-Backとミラー接続構成はスループットとレイテンシにおいて、SANにWrite-Throughするのに比べてメリットがあると言っています。しかし、そういうWrite-Backの接続はIPネットワークを経由する必要があります。例えば、Write-Back接続ネットワークと同じIPネットワークを使うSANがオールフラッシュアレイでホストとNFSやiCSCIで接続されているとしましょう。この場合、Write-Throughも同じネットワークを経由します。この例において、Write-Throughに対するピア接続のあるWrite-Backの優位性はどこにあるのでしょうか?ボトルネック(IPネットワーク)はどちらの場合にも存在しているように見えます。

これは同じネットワーク設計のパラダイムを利用している場合にはまっとうな質問です。FVPのネットワーク設計パラダイムは共有ストレージとESXiホストを接続するエッジ-コアトポロジーではなく、ホスト-ホスト間接続にフォーカスしています。ホスト-ホスト間接続はアーキテクチャの迅速で簡単な拡張に向いています。ブロックのないポイント間接続は高速化された大容量のデータの処理を可能とします。ストレージコントローラーのポート密度が、従来型ストレージアーキテクチャの拡張性の制限になることはよくあることです。加えて、ストレージコントローラーの有限のCPUリソースがパフォーマンスに影響することもあります。仮想化データセンタの全体のロードバランシング機能を利用できないことで、利用できるリソースの効率性をも下げてしまうのです。

従来から、コンピューティングリソースとストレージリソースはそれぞれ独立して、別々の単位で拡張されてきました。拡張性はキャパシティとパフォーマンスだけでなく、コストの観点、そしてアーキテクチャが何度も繰り返される変更をどのようにうまく扱えるかにも影響します。新しいワークロードは新しい要件を生み出します。新しいテクノロジーは新しい変更とサービスの改善の可能性を提供します。新しいサービスとアプリケーションは大抵はゆっくり、そして一定の間隔では提供されません、そして要件も異なったものになります。これは成長を支えるアーキテクチャの設計に影響を与えます。最もよく取られているアプローチは最初はオーバーサイズにするということです。予算のライフサイクルでの投資に合わせて期待されるワークロードセットを見積もるという方法ですが、ビジネスを予算割り当てのタイミングで構成しないといけないということになってしまいます。

今日の最も大きな課題は非常に多くの新しいテクノロジーとデザインのパラダイムを導入しないといけないことで、これはもはや投資がテクノロジーの登場するタイミングでは割り当てられないということを意味しています。そうした状況にあって、ストレージシステムは最初はものすごくうまく動いていますが、そのうちどんどん遅くなっていくように見えます。システムは非常によく動いていても、非常に巨額のコストの観点もしくは、あたらしいアプリケーションやサービスを提供するためのテクノロジーを組み入れられないという問題も抱えています。

このシリーズでは私は従来型の共有ストレージを利用している仮想化データセンタのパフォーマンスの拡張の問題について立ち戻って、解説したいと思っています。このシリーズの後半では新しい拡張の方法や、イントラノード接続が既存の仮想化データセンタの拡張の問題でどのように利用されるかを解説していきます。

Part 2: ストレージエリアネットワークのトポロジー

Part 3: 全体ロードバランスアルゴリズムを欠く、バラバラのコンポーネントのスタック

Part 4: 有限なストレージコントローラーのCPUリソースの量

Part 5: イントラノード接続を利用する

Part 6: 一つのストレージエリアネットワークをストレージパフォーマンスネットワークとストレージキャパシティネットワークへ分割する

記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@pernixdata_netw)