ご無沙汰しております。
ストレージ基盤技術部のコガ・トモヒロです。
今回、弊社マーケティング部から、『QNAPのクラウドストレージ連携でWasabiも使えるらしいから試してよ』と依頼（無茶ぶｒｙ）があり、QNAP使ったことない私にお鉢が回ってまいりました・・・・
そんなこんなでQNAPとWasabi Hot Cloud Storageの連携を検証してみましたので、その結果についてご紹介させて頂きます。
QNAPとは、（と説明も不要かと思いますが）言わずと知れた小型NASの売れ筋メーカーです。家庭用からビジネス向けまで幅広い製品があるので、個人で利用されている方も多いですよね。
残念ながら私は利用したことが無かったのですが・・・
豊富な機能とアプリケーションの多さ、使いやすいインターフェース、（ハイパフォーマンスの大型NASには及ばないながらも）高いパフォーマンスが売りの非常にコストパフォーマンスの良いメーカーさんだと聞いています。
弊社でもお取り扱いの多い製品です。
QNAP製品はぜひぜひ弊社の動画＜【 Networld TV 】フォースメディア編 - YouTube＞をご覧ください！
Wasabi Technologiesは、米国マサチューセッツ州ボストンで創業されたクラウドストレージの提供事業者です。オブジェクトという単位でデータを保管する『オブジェクトストレージ』をクラウドで提供しています。
同じクラウド型のオブジェクトストレージでは、Microsoft Azureや、Amazon AWS S3などがハイパースケーラーとして有名ですが、Wasabiでは、他社ハイパースケーラーのように多機能なクラウドサービスの中の一つではなく、クラウドオブジェクトストレージ一本（及びそれに伴う機能）の提供のため、他社製品よりもシンプルで使いやすくて安いことが売りです。
他社ではデフォルトのデータを出力するegress費用や、データの移動やコピーといったAPIリクエスト費用がWasabiでは不要なので、費用の予測がたてやすく安心して使えるのも良いところですね。
また、Amazon AWS S3互換なので、とても沢山の製品とAPI連携をさせて利用することが可能になっています。
Wasabiの詳細はぜひ弊社のHPをご覧いただければと思います。
前提は以上です。ここから検証結果について・・・
＜今回の検証の主旨＞
Wasabiとの連携が可能なQNAP（QTS）にて有効活用できそうな機能やシチュエーションの深堀り検証
【検証機器】
・1台目：TS-463U-RP-R01
・2台目：TS-873AU-RP-R01
※検証機はエレコム株式会社様（フォースメディア様）にご提供頂きました！
【検証内容】
Wasabi連携している下記機能の検証
・ Hybrid Backup Sync (HBS3)
・ HybridMount
・ VJBOD Cloud
・ Netbak Replicator
・ Qsync
※このブログは動作確認をメインにした検証結果の説明です。
操作方法の解説はありませんのでご了承ください。
QNAP設定は超簡単👍
なんとな～く雰囲気でGUIメニューをみてたら設定できました！
設定中につまづいても、ヘルプやチュートリアルなどを読めば理解できますし、設定も続けられるので安心！
スマホのような画面構成になっていて、使用したいアプリケーションを都度App Centerより追加していくのが使いやすかったです。しかも、様々な機能（アプリケーション）を無償で使用できる👍👍👍
以降で紹介する検証した機能は追加ライセンスや料金が一切発生しませんでした！
「低コストで導入したい小規模スケールのお客さんに受け入れられている」ことが納得の使用感・満足度でした。
続きまして、検証結果サマリですが、まずはコレ。
結論どーーーーーーーーん
Wasabi連携機能検証
■ Hybrid Backup Sync (HBS3)：
動作確認OK！ ※WORMの動作確認もOK！
■ HybridMount
動作確認OK！
■ VJBOD Cloud
動作確認OK！
■ Netbak Replicator
動作確認OK！
■ Qsync
動作確認OK！
以降に、QNAP＋Wasabi連携で最も利用頻度が高くなる、Hybrid Backup Sync (HBS3)の概要と検証で見えてきたポイントを整理します。
Hybrid Backup Sync（HBS3）：とは
■ バックアップ、復元、同期機能を持ったアプリケーション（バックアップソフト）
■ 無償！
■ バックアップサーバ不要！
※QNAP（QTS）の中にHBS3アプリをインストールするだけでOK
■ Wasabiへの1次バックアップ（ダイレクトバックアップ）が可能
■ WORM対応
※2022/7/19：HBS 3 Hybrid Backup Sync 20.0.0706
- Added support for Object Lock in Backblaze B2 and Wasabi cloud storage services.
といった機能になります。
今回の検証では、保存先ストレージにWasabiを指定してバックアップ＆リストアの動作確認と、WORMの確認をおこないました。
＜１＞保存先ストレージにWasabiを指定したバックアップ＆リストアの動作確認
Wasabiでバケットの作成と各種キーの取得をおこなった上で設定を進めます。
なお、HBS3上でWasabiバケットを作成することが可能でした。マルチパートサイズ指定も可能です。
バックアップジョブはエラーなく終了。
一般的なバックアップソフトと、スケジュール・ルール・ポリシー等 同等の操作感で、違和感なくさわることができました。
復元ジョブもエラーなく終了し、削除されたファイルが全て復元されました。
※ただし、QuDedup有効時もしくはバージョン管理有効時には、Wasabi上でファイル単位のリストアができないので注意です。
＜２＞ WORMの確認
続いてWORMの確認です。
HBS3上でWasabiオブジェクトロックバケットを作成することが可能でした。
Wasabiで手動作成したオブジェクトロックバケットでも問題ありません。
バックアップジョブのルールにオブジェクトロック関連設定が追加されます。
復元ジョブもエラーなく終了し、削除されたファイルが全て復元できました。
※ただし、QuDedup有効時もしくはバージョン管理有効時には、Wasabi上でファイル単位のリストアができないので要注意です。
最後に、イミュータブル期間経過後の動作確認をします。（バージョニングしたファイルは完全に消すにはコツがいるのですが、綺麗に消えるよね？残り続けないよね？の確認となります）
バックアップの保持期限＋不変期間＋延長保持期間を超えた後、QNAP自身がきちんと自動で削除してくれることを確認できました。
ここまでで、今回の検証報告はおしまいになります！
以上、QNAP＋Wasabi連携の検証結果について書きました。
検証をおこなった全ての連携機能について詳細をお伝えしたかったのですが、あまりに機能が多くて長くなりすぎてしまうため、今回はシンプルにHBS3に絞ってご案内させて頂きました。
「QNAPとWasabiの連携、いい感じで使えたよ！」ということだけでも伝われば幸いです！
ではでは！最後まで読んでいただきありがとうございました。
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