こんにちは!ネットワールドSEの長野です!
先日、「AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト(SAA-C03)」を受験しました。
これからクラウドの勉強としてAWSの試験勉強を始めようとしている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、私が試験に向けてどのように学習を進めたかを詳しくご紹介します。「どんな教材を使ったのか」「試験後に得られた知識の変化」など、実際の体験を交えながら解説していきますので、これから学びを始める方の参考になれば嬉しいです。
ぜひ最後までお付き合いください!
- これからAWSを勉強する新卒社員や学生の皆さん
- IT初心者でもクラウド技術を学びたい人
📖 目次
はじめに
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自己紹介
💡 社会人歴 :新卒1年目
💡 大学の学部 :情報系ではない理系出身
💡 スポーツ経験 :野球、柔道
💡 資格 :基本情報技術者試験、LPIC Level 1
入社後はセキュリティ製品を担当する部署に配属され、現在は認証関連の製品を中心に勉強しています。
AWS学習前の知識
AWSの学習を始める前、私は正直なところ、クラウドに対して漠然としたイメージしか持っていませんでした。以下のような状態でした。
- 基礎的なIT知識はあるものの…
オンプレミスとクラウドの違いについては理解していましたが、クラウドに対しては「便利だけど、コストが高いのでは?」というような抽象的な考えがあるだけで、具体的なイメージはあまり湧いていませんでした。 - AWSに関する知識はほぼゼロ
AWSの名前は知っているものの、どんなサービスがあるのか、実際に何ができるのかについては全く分かりませんでした。クラウドサービスを提供する企業の一つとして、どんな特徴があるのかも知らない状態でした。 - 構築の流れが全く未知数
AWSで実際にシステムを構築する流れについては全くの初心者。構築にどれくらいの時間がかかるのか、どんなサービスを使うのか、何が大変なのかもイメージできないままでした。
使用した教材
SAA試験合格を目指し、以下の4つの教材を活用しました。
それぞれの教材を取り組んだ順に紹介します。
1. 「AWSではじめるインフラ構築入門」
クラウド初心者として最初に取り組んだ書籍です。この本では、AWSの基本のサービスであるVPC、アベイラビリティゾーン、EC2といった基本的なAWSサービスの構築を体験しました。
学習期間 : 約1週間
学びのポイント
- AWSでのサービス構築の流れを体験
- 図を用いた構築の全体像を理解
- クラウドの利便性や構築の手軽さを実感
クラウドの基礎を楽しみながら手軽に学べる一冊でした。
2.「【SAA-C03版】これだけでOK!AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座」(Udemy)
次に挑戦したのは、Udemyのオンライン講座です。講義時間は47.5時間と長丁場ですたが、AWSの各サービスについて丁寧に解説されています。
学びのポイント
- 基礎から詳細まで網羅されている
- 実際の画面操作を見ながら学習できる
時間が長く内容が多岐にわたるため、初学者に少し難しく感じました。
詳しく理解したいサービスなどは見返して理解を深めました。
3.「AWS認定 ソリューションアーキテクトアソシエイト教科書」
試験対策用の教科書として使用しました。この本ではAWS Well-Architected Frameworkに基づき、セキュリティや高可用性、コストパフォーマンスの概要を学びました。
学習期間 : 約10日間で一通り目を通し、わからないことがあれば随時読み返し
学びのポイント
- AWS Well-Architectedに基づいたセキュリティ、高可用性、コストパフォーマンスに関する理解を深めた
- 問題を解くときに辞書のように使用できる
4. 「Ping-t 最強WEB問題集 AWS ソリューションアーキテクト」
最後に取り組んだのは、実践的な問題集です。
特に、SAA-C03の問題集のうち「【試験レベル】Well-Architected Framewordに基づいた設計」の問題を重点的に解きました。
学習期間 : 試験前3週間
学びのポイント
- 解説が図付きでとにかく分かりやすい
- 問題を通じて高頻出のサービスを深掘ることができる
- 問われている視点(高可用性やコスト効率など)を意識する重要性を実感
AWSは非常に多くのサービスがあり、すべてを参考書やオンライン講座で覚えるのは難しいと感じました。そのため、ある程度基本的な構築手順や「こんなサービスがあるんだ」と概要を理解したら、問題演習に取り組む方が効率的だと思います。問題を解く中で気になる点や曖昧な部分が出てきたら、その都度調べて深掘りするのがおすすめです。
勉強していて気付いた!問題を解く上でのコツ
AWS試験を解く上で大切だと感じたポイントを2つにまとめました。特に初心者の方やこれから試験を受ける方に役立つはずです!
1️⃣ 問題文をしっかり読んで「要件」を理解する
AWSでは、同じ目的を実現する方法がサービスを組み合わせることで複数存在します。しかし、それぞれの方法には「目的に応じた要件」があるため、まずは 「問題で何を求められているのか?」 をしっかり理解することが重要です。
例えば、こんなシナリオを考えてみてください
- とにかく安く抑えたい → コスト重視
- 絶対にシステムを止めたくない → 高可用性重視
- 運用の手間を最小限にしたい → 管理効率重視 など
これらの要件は、わかりやすく「ピザパーティー🍕」で例えると、
- コスト重視:材料を買って自分で作る(コストは安いが手間がかかる)
- 効率重視:ピザのデリバリーサービスを利用(値段は高いが手間はゼロ)
- バランス重視:ピザ屋のテイクアウトを利用(手間とコストの中間)
AWSも同様に、例えば 低コストと高可用性 を両立させるのは難しい場合が多いです。「要件の優先順位」を理解し、ギブ&テイクの関係を把握することが、正解を選ぶ鍵になります。
2️⃣ 似た名前や機能のサービスの違いを理解する
AWSのサービスは種類が多く、さらに似た名前や機能を持つものがいくつもあります。例えば、こんな組み合わせは間違えやすいです。
- SNSとSQS:どちらもメッセージングサービスだが、役割や使い方が異なる
- EC2とECS:一文字違いだが、EC2は仮想マシン、ECSはコンテナ管理
- AthenaとAurora:どちらもデータに関するサービスだが、Athenaはクエリ解析、Auroraはリレーショナルデータベース
特に、EC2とECSに関しては勉強していてよく見間違えました(笑)。名前が似ているだけでなく、役割や用途が重なる部分があるサービスは曖昧にしていると、試験勉強をしているときに混乱しやすいです。
AWSの試験は覚えることが多いですが、「要件を正しく理解すること」と「似たサービスを区別すること」 に注力すると、ぐっと解きやすくなると思います!問題文を読む際には、「どの要件を優先すべきか?」を考える癖をつけ、日々の学習ではサービスの違いに注目してみてください。
試験結果
約2か月間、学習を進めた結果、AWS SAAに合格することができました。
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スコア:1000点中729点 (合格点は720点)
ギリギリではありますが、なんとか合格することができました。 - 試験勉強の期間:2024年8月20日に勉強を開始し、10月25日に受験
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試験の感想:
試験問題は想像以上に難しく、130分の試験時間をぎりぎりまで使いました。
「これが正解だ!」と確信を持てた問題は少なかったものの、学習した内容をもとに選択肢を絞ることで対応できました。
個人的には、ストレージの分野をもう少し細かく勉強しておけばよかったと感じました。AWSにはS3だけでなく、EBS、EFS、FSxなどさまざまなストレージサービスがあり、それぞれの違いや用途については理解しているつもりでしたが、試験中に選択肢で迷ってしまいました。どのストレージサービスがどのシナリオに最適なのかを深く勉強していれば、もっと自信を持って回答できたと思います。
試験後のAWSに対する知識の変化
試験の勉強を通じて、「クラウド=手軽だが高い」という漠然としたイメージから、メリット・デメリットを具体的に語れる視点を身に付けられたと思います。
クラウドに対する理解の変化とAWS Well-Architectedの理解
学習を進める中で、クラウドの利便性だけでなく、設計の難しさやサービス多様性についても理解が深まりました。
- 手軽さの裏にある設計の難しさ
クラウドは確かに柔軟で便利ですが、AWSの構成を設計するのは簡単ではありません。一つのシステムを作るにも構成パターンが数多く存在し、それぞれの構成がコストや運用負荷に大きく影響します。例えば、高可用性を重視する構成はコストが高くなりがちですが、運用のリスクを軽減できます。一方で、コストを抑える構成は、場合によっては運用負担が増えることもあります。 - 最小権限の考え方
クラウドのセキュリティの基本である「最小権限」の大切さを学びました。最小権限とは、ユーザーやシステムに必要最低限の権限だけを与えることで、操作ミスや不正利用のリスクを減らす考え方です。AWSでは、IAMを使って権限を細かく設定できるため、初めから慎重に計画することが安全なクラウド運用につながります。 - スケーラビリティ
AWSでは需要に応じたリソースの拡張・縮小が可能ですが、実際にはどのサービスを選び、どのように設計するかでその効率が大きく変わります。設計の段階で適切な判断をすることが、運用効率を上げる鍵だと気づきました。
今後の挑戦
新卒社員として、日々多くの学びを得ながら成長を実感しています。今後さらにステップアップするため、以下の2つの目標に挑戦していきたいと思います。
- 🌟Azure資格(AZ-104)の受験
AWSの資格取得を通じて、クラウドの基本的な概念やAWSのサービスの仕組みを理解することができました。次はMicrosoft Azureの資格である「AZ-104」に挑戦します。この資格ではAzureのの構築に必要なスキルを習得し、AWSとAzureの違いを意識しながら学んでいきますどちらのプラットフォームにも精通することで、マルチクラウド環境に対応できる知識を深めることができ、今後のキャリアに大きな強みを持つことができると考えています。 - 🌟クラウドセキュリティの学習
私の所属する部署では、セキュリティ製品を扱っており、クラウドセキュリティについても知識を深める必要があります。クラウドセキュリティとは、クラウドサービスを安全に利用するために、リソースの可視化、セキュリティポリシーの適用、コンプライアンス管理など、複数の側面をカバーする分野です。この分野の学びを通じて、クラウド構築や運用に関する知識をさらに高め、より安全で信頼できるクラウド環境を提供できる力をつけたいです。
さいごに
AWSの資格学習を通じて、単なるサービスの暗記に留まらず、クラウドの基本を理解し、実際にクラウド環境を構築する体験ができたことは、大きな学びとなりました。
今後はAWSの知識を実務で活用できるように引き続き勉強しつつ、Azureやクラウドセキュリティなど新たな分野にも挑戦し、クラウド関係にも強いエンジニアを目指していきます。このブログがこれからAWSを学ぼうとしている方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!