はじめに
皆様、こんにちは!
ネットワールド SEの福村です。
先日、AWS最大のグローバルイベントであるAWS re:Invent 2024に参加しました。初日から4日目まで参加しました。内容についてはブログで記載していますので是非ご覧ください。
今回はAWS re:Invent 2024参加してみて、全体のラップアップを行いたいと思います。
CEO Keynote with Matt Garman
Keynote は大きな会場で AWS の重要人物がプレゼンテーションを行うセッションです。CEOのKeynoteのということもあり、ビジネスメッセージの中にテクニカルな要素を含めたセッションでした。
冒頭でAWSを比喩する表現に「Building Blocks」というものがありました。これは各サービスが結合してブロックとなり、ブロック用いてワークロードを構築していく様子を表現しているようです。セッションの中で「We invent so you can reinvent」とメッセージを打ち出しており、「We invent」の部分がブロックがどう進化していくのかを表現しており、後半の「so you can reinvent」という部分が我々のようなAWSユーザーへの問いかけとなっており、4つの領域(Compute,Storage,Database,Inference)での進化を紹介していくストーリーとなっており、それに関連する新サービスを発表していきました。
AWS Partner Keynote with Dr. Ruba Borno
こちらのセッションは主にAWSのパートナー向けのKeynoteになります。AWS パートナーの新たなスペシャライゼーションプログラムを発表しました。
- コンシューマグッズ(消費財)コンピテンシー
- AWSセキュリティコンピテンシー(AIセキュリティカテゴリ)
- AWSデジタル主権コンピテンシー
- Amazon Security Lake Ready スペシャライゼーション
- AWS Security Incident Response Partners
また、AWS Marketplace は「Buy with AWS」を発表しました。こちらでは、パートナーが管理するウェブページからAWS Marketplaceで調達できる製品を調べ購入することが可能となっています。購入プロセスはすべてAWS Marketplaceで処理及び管理することが可能で、ユーザーにとっては請求処理やサブスクリプション管理の一本化、パートナーにとっては製品調達プロセスの簡素化を実現することが可能となります。
また、Partner Connections のプレビューが開始されることが発表されました。AIを活用したレコメンデーション機能でパートナー企業同士の協業機会を促進し、マッチング機会を提供します。マルチパートナー案件機能を通じてAPN Customer Engagementsを利用した共同案件管理を可能にします。これにより、パートナー企業はビジネス推進の機会の発見を助け、案件管理の負荷を削減可能となります。
その他のセッション紹介
ここではKeynote以外の参加したセッションで筆者が興味深いと思ったセッションについて記載します。私が検証で担当している WorkSpaces に関するセッションであるFerrari and Bloomberg transform end-user computing with AWS EUC203について記載します。
このセッションではAWSが提供するVDIサービスについて説明した後、実際に導入したフェラーリ社の担当者が登壇しました。 冒頭でAWSはエンドユーザーコンピューティングにおいてリーダーになりうる旨を説明しました。現時点での首位はMicrosoft社のAzureですが、今後はリージョンの新規追加による地理的な戦略やコストの最適化、自動化の強みを持つAWSが今後シェアを伸ばすことを目標としており、現に2024年にはWorkSpacesのPoolを含む数多くの新サービスをリリースしました。
- フェラーリ社の事例
フェラーリ社では以前はオンプレ型のVDIを利用していました。オンプレ型ではセキュリティは担保されるが、コストや管理の手間がかかっていました。特に管理については、フェラーリ社ほどの規模になると手作業による管理が膨大になり、限られるITチームを考慮すると対応に苦慮していました。また、フェラーリ社では各国のエンジニアと協力して事業を進めていたが、オンプレ型だと新規ユーザーに対するリソースの準備に時間がかかってしまうなどの弊害が発生していました。
解決策としてAmazon WorkSpacesを導入しました。WorkSpacesの導入によって、管理する項目としてはイメージ管理やプロビジョニングに関わる作業、OSの更新作業に限定され、その他の管理タスクはAWSにシフトすることに成功しました。
また、AWSのサービスと統合し、自動プロビジョニング機能を実装しました。具体的にはAWS Lambdaなどを活用し、手動タスクを自動化することで、ITチームの負担を軽減し、手作業によるミスを防ぐことに成功しました。仮想デスクトップの準備時間に関しては従来は数日かかっていたものが、約1時間に短縮されました。時間やコストに関する作業から解放されることによって、本来取り組むべき分野の業務に集中でき、生産性向上につながると語っていました。
ハンズオンの紹介
re:Invent ではワークショップとして、ハンズオン形式で AWS のサービスを実際に触る機会を提供しています。今回私はLightsailとWorkSpaces に関するワークショップに参加しました。
Lightsail は VPS(仮想プライベートサーバー)サービスです。データベースやストレージのリソースをまとめて提供しておりWebサイトの構築を迅速に実施することができます。
今回のワークショップでは、WordPressのWebサイトをあらかじめ用意されていた環境上で構築を行いました。必要なリソースがサービス内で一通りそろっていることもあり、Web サイトを迅速に展開することができました。この俊敏性はAWSの成長の1つの要因と感じました。
WorkSpaces に関するワークショップは2つ参加しました。
1つ目はWorkSpacesの自動化に関するものでした。Amazon WorkSpacesファミリーは、仮想デスクトップ環境の管理において効率と生産性を最大化するための自動化機能を提供しており、スクリプトやその他のワークフローを使用して WorkSpaces ファミリーサービスの管理を自動化するハンズオンを実施しました。LambdaやEventBridgeを用いてセッションホストの展開を実施しました。今まで触ったことないサービスが多く、サービスの組み合わせによって自動化可能なことが理解することできました。
もう1つはWorkSpaces のリソースの使用状況等を CloudWatch で監視するというものになっていました。筆者が CloudWatch 等の監視サービスを利用したことがほとんど無く実際に構築してみるとリソースの使用状況がかなり可視化されることが学べました。サービスを理解するには実際に触ってみるのが一番であると考えておりこのような機会があるのはとても貴重でした。
Expo
re:InventではExpoと呼ばれる巨大な展示会が開催されており、そちらにも足を運びました。Expoでは通常の展示会のように各企業が出展ブースを出している他、AWS Village と呼ばれるブースがあり、そこでは各製品分野のAWSのエキスパートと交流することが可能となっています。私は現在検証を実施しているWorkSpacesについて聞きたかったため、AWS End User Computingのブースを訪れ、会話してきました。詳しい内容については以下のブログで取り上げていますので是非ご参照下さい。
参加してみて
今回、筆者はエンジニアとして参加しましたが、ハンズオン形式のワークショップなど実際に手を動かして経験できる場が提供されており、エンジニアにとっては非常に良い環境だったと考えており、私自身も学ぶことが多かったです。また、会場で感じた熱量は日本だと感じる機会が少ないように思っており、あの雰囲気を感じるだけでも良い刺激になると考えています。(特に若い方には良い刺激になるのではないかと思っています!)
おまけ
AWSの資格取得者向けにラウンジが解放されています。資格要件は1つからでも良いようでした。受付をすませて中に入ると電源付きの作業スペースが提供されています。イベントを回って疲れた際にはこちらに立ち寄ってみてはいかがでしょうか?