こんにちは、ネットワールドの海野です。
Raspberry Piを活用して仮想化環境を構築するシリーズの第2回です。
前回の記事では、ESXi-Arm Flingの概要と導入準備について解説しました。
今回は、実際に Raspberry Pi へ ESXi-Arm Fling をインストールする手順を詳しく解説します。
この記事を読み進めながらセットアップを進めれば、Raspberry Pi が本格的な仮想化環境の基盤として動作するようになります!(たぶん)
目次
- Raspberry Pi のセットアップ
- UEFI ファームウェアの設定
- ESXi-Arm Fling のインストール
- ネットワーク設定
- インストール後の確認作業
1. Raspberry Piのセットアップ
最初に、Raspberry Piに必要な周辺機器を接続し、準備を整えます。
手順
-
接続する周辺機器
- モニター(HDMIケーブルを使用)
- キーボード(USBポートに接続)
- USBのネットワークアダプター (オンボードのNICは利用不可)
- MicroSDカード(UEFIファームウェア用)
- USBメモリ(ESXi ISOイメージ格納用)
- SSDストレージ (ローカルストレージ用)
-
電源投入
- すべての周辺機器が接続されたら、Raspberry Piの電源を投入し、起動します。
補足
Raspberry Pi 5を使用する場合、十分な電力供給(5V/3A以上)が必要です。
低品質な電源アダプタを使用すると動作が不安定になることがあります。
Raspberry Pi のオンボードのNICはESXiにドライバーが含まれていないようで利用できませんでした。
そのため、外付けのUSBのネットワークアダプターを接続しています。
2. UEFIファームウェアの設定
UEFIファームウェアを正しく設定することで、ESXiのインストールが可能になります。
手順
-
UEFI設定画面に移行:
- 起動後、UEFI画面が表示されます。表示されない場合は、ラズパイ起動時に ロゴが表示されているタイミングで
ESC
キー を押します。
- 起動後、UEFI画面が表示されます。表示されない場合は、ラズパイ起動時に ロゴが表示されているタイミングで
3. ESXi-Arm Flingのインストール
UEFI設定後、USBストレージに保存したISOイメージを使用してESXiをインストールします。
手順
-
ISOイメージの起動
- 再起動後、UEFI画面で Boot Manager からUSBストレージを選択して起動します。
- このとき、ISOイメージはRufusなどのツールでブータブルUSBストレージに格納されていることが前提です。
-
インストーラー画面
- 起動後、VMware ESXiのインストーラーが表示されます。
- 起動後、VMware ESXiのインストーラーが表示されます。
-
インストール手順
- インストール先のUSBストレージデバイスを選択します。
- キーボードレイアウトを設定します。
- 管理者パスワードを入力します(8文字以上推奨)。
- 「インストール」を選択して開始します。
- インストール先のUSBストレージデバイスを選択します。
-
インストールの進行
- インストールには10〜15分程度かかります。
-
再起動
- インストール完了後、指示に従って再起動します。
注意点
- USBストレージデバイスを取り外すと起動できなくなるため、常に接続を維持してください。
4. ネットワーク設定
ESXiのインストール後、ネットワーク設定を構成します。
手順
-
カスタム設定メニューにアクセス
- 起動後に表示される画面で
F2
キー を押し、カスタム設定メニューを開きます。
- 起動後に表示される画面で
-
ネットワーク設定
- DHCPを有効にするか、静的IPアドレスを手動で入力します。
- 設定を保存し、終了します。
-
IPアドレスの確認
- 初期画面に表示されるIPアドレスをメモします。
- 初期画面に表示されるIPアドレスをメモします。
補足
- 固定IPを使用することで、管理作業が容易になります。
5. インストール後の確認作業
インストールが完了したESXiが正常に動作しているか確認します。
手順
-
管理画面にアクセス
- 他のPCまたはデバイスでWebブラウザを開き、以下のURLにアクセスします。
- 管理者アカウントでログインします。
-
ダッシュボード確認
- ダッシュボードが正しく表示されることを確認します。
- ダッシュボードが正しく表示されることを確認します。
エラー時のトラブルシューティング
「No Network Adapters」エラーが表示された場合
-
UEFI設定を再確認
- Device Manager > Raspberry Pi Configuration > PCI Express の設定を確認し、64-bit PCIe が有効化されていることを確認。
-
外部USB Ethernetアダプタを使用
- VMware ESXiがRaspberry Piの内蔵ネットワークを認識できない場合、サポートされる外部USBアダプタを利用します。
「No Boot Partition Found」エラーが表示された場合
- インストール先のストレージが正しくフォーマットされているか確認
- GPTでフォーマットされていることを確認してください。
- ESXiインストーラーを再起動
- インストール中にエラーが発生した場合、再度インストールを試みます。
まとめ
これでRaspberry PiにESXi-Arm Flingをインストールするプロセスが完了しました。この時点で、Raspberry Piが仮想化環境の基盤として動作する準備が整いました。
次回は、仮想マシンを作成し、ゲストOSをインストールする方法について解説します。引き続き、一緒に進めていきましょう!