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Nutanix移行への第一歩:Nutanix Collectorのご紹介

みなさん、こんにちは。

今回はNutanix基盤導入を検討するときに役立つツールのご紹介します。

仮想基盤全般に言えることですが、適切な物理リソースを見積もる「サイジング」は非常に重要かつ大変な作業です。

NutanixのパートナーであればNutanix Sizerというツールを使うことでNutanixの構成を組むことができますが、このツールへのリソース入力方法には少しクセがあります。そのためエンドユーザーとパートナーの間で何度もやり取りが発生し、時間がかかるケースもあります。

例えばNutanixではCVM(Controller Virtual Machine)のリソースも考慮する必要があるため、通常の仮想環境とは異なる要素を考えなければなりません。またvCPU:pCoreの比率やHDDとSSDのバランスなど独自の考え方があり、それを理解しながら入力する必要があります。

このような問題を解決するために登場したのが Nutanix Collector です。

 

Nutanix Collectorで既存環境の情報取得を簡単に

 

Nutanix Collectorは、Windows、macOS、Linux で動作するデスクトップアプリケーションです。

このツールを使用すると、既存の環境から構成情報やパフォーマンスデータを簡単に収集できます。

対応環境には、

  • Prism
  • vCenter
  • Hyper-V
  • ONTAP CIFS Shares
  • MS SQL
  • AWS
  • Azure

などの幅広いインフラ環境で活用できます。


Nutanix Collectorを使えば、従来のサイジングのために手作業でデータを集めていた場合と比べ、
・データ収集の自動化により手間を削減
・エンドユーザーとパートナーのやり取りを最小限に
・より最適なリソース設計が可能
といったメリットが得られます。

この便利な Nutanix Collectorは、誰でもダウンロードして利用できます。

 

Nutanix Collectorで出力されたデータをNutanix Sizerへインポートすることができ、簡単にサイジングすることができます。

 

それではNutanix Collectorの使い方を見ていきましょう。

 

実際にやってみよう

 

今回利用する端末はWindows 11となります。

まずインストールモジュールをダウンロードします。

以下URLにアクセスをし、接続する端末OSを確認し[Download]をクリックします。

https://portal.nutanix.com/page/products?product=collector

 

ポリシーに同意するかどうか確認の画面が表示されますが、[I Accept]をクリックします。

 

ダウンロード後、ZIPファイルを解凍し、Nutanix-Collector.exeを実行します。



 

起動すると以下の画面が表示されます。

この画面からどこの基盤情報を取得するか選択することができます。

今回は[vCenter]を選択します。

 

認証情報を入力し、Connectを選択します。

 

接続が確立すると、環境内のすべてのData CenterとClusterが表示されます。

取得するデータセンターを選択し、Nextを選択します。

 

パフォーマンスデータを収集する時間間隔を設定します。

指定できる期間は7 日間、30 日間、90 日間、180 日間、または365 日間です。

vCenter パフォーマンス データは次の間隔で収集されます。

・過去 1 日間のデータが 5 分ごとに収集
・過去 1 週間のデータが 30 分ごとに収集
・過去 1 か月間のデータが 2 時間ごとに収集
・過去 1 年間のデータが 1 日 1 回収集

今回は7日を選択し[Collect]を選択します。

 

弊社環境では1分ほどで情報の収集をすることができました。

 

[Clusters Summary]タブではクラスタのCPU、メモリ、ストレージの使用率を確認することができます。

またCPU、メモリ、ディスク、ネットワークのパフォーマンスデータも表示されます。

 

[Host Summary]タブでは各ホスト単位で、ホスト構成の詳細とパフォーマンス データ見ることができます。

 

[VMs Summary]タブではパワーオンの仮想マシンの情報が表示されます。

ストレージ、CPU、メモリの使用量のほかにもvCPU:pCoreやゲストOSの種類も表示されます。

Performance dataではリソースの使用率に応じてVMの個数がグラフ化されています。

確認したら右上の[Savs outputs as .XLSX]をクリックし、エクセルファイルでデータをエクスポートします。

 

機密情報をマスクするオプションが表示されます。

[Yes, Mark and Save]を選択すると、クラスタ名、ホストIP、ホスト名、VM名などがマスクされた状態でエクセルにエクスポートされます。

 

このエクセルファイルをNutanixパートナーに共有すると、Nutanix Sizerを使ってNutanixのサイジングをすることができます。

 

 

補足情報(Nutanix Sizerのパラメーター)

 

出力したエクセルファイルをNutanix Sizerにインポートすると、多数のオプションが表示されます。

現在稼働している仮想マシンをサイジングするか、仮想基盤上で構成されているリソースでサイジングするかをCPU、メモリ、ディスクそれぞれで指定することができます。

お客様の要望に合わせて柔軟にカスタマイズすることが可能です。

そのほか、NICの形状や枚数、Nutanixライセンス情報を共有していただければ、サイジングに関するヒアリングは終了となります。

 

 

まとめ

 

今回はNutanix Collectorについてご紹介しました。

Nutanix Collectorを使用することで、既存の仮想基盤で使用しているリソース情報を簡単に取得し、無駄のない構成を容易に実現することが可能です。

この機会にNutanixをご検討されてみてはいかがでしょうか。