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【Fortinet】FortiClientEMSをバージョンアップしてみた

皆さん、こんにちは。
ネットワールドSE  西日本技術部の廣澤です。

 

今回は「FortiClientEMS v7.4.4」がリリースされたので

FortiClientEMSのバージョンアップ

についてご紹介します。

参考にしたページ

docs.fortinet.com

検証環境

・既存バージョン:FortiClientEMS v7.4.3 (forticlientems_vm.7.4.3.1926.ovaからデプロイ)

バージョンアップ手順

Ubuntuマシンのアーキテクチャ(ARM/AMD)を確認します。

# uname -m

バージョンアップ用のバイナリ(.bin)ファイルを入手します。

※アーキテクチャ毎に正しいファイルを入手してください。

※パートナー様は弊社サポートサイト「TEC-World」のファームウェア配布情報をご確認ください。

バイナリファイルをUbuntuにアップロード(FTP等)します。

※後述しますがアップロード先は「/home/ems」ディレクトリがオススメです。

「chmod」でバイナリファイルへのアクセス権限を変更します。

# chmod +x アップロードした.binファイル

以下のコマンドを実行するとバージョンアップが開始されます。

# sudo ./アップロードした.binファイル -- --allowed_hosts '*' --enable_remote_https

※先頭に「sudo」を付けて実行する必要があります。

※「sudo」を忘れて実行した場合、Root権限で実行するように表示されます。

環境に依りますが5分程度でバージョンアップは完了となります。

バージョンアップ中に表示される大量のメッセージはバイナリファイルのあるディレクトリに、

バージョンアップログとして出力されています。

バージョンアップ後はサービスが正しく起動していることを確認します。

# systemctl --all --type=service | grep -E 'fcems|apache|redis|postgres'

※postgresql.serviceが「exit」となっているのは正しい表示です。

また、管理画面にログインしバージョンが「v7.4.4」にアップしていることを確認します。

バージョンアップに失敗する場合について

バージョンアップに失敗する原因は複数あるかもしれませんが、

私は「バイナリファイルの配置場所」が原因でバージョンアップに失敗していました。

Fortinetのバージョンアップ手順が記載されているページに以下の記載があります。

Run the installer to and from any directory other than /tmp. Running the installer to or from /tmp causes issues.

「/tmp」ディレクトリ以外で実行するように記載されていますが、

私の場合は「/opt/forticlientems」にバイナリファイルを配置して実行をしていました。

「/opt/forticlientems」に配置した状態で実行すると以下のようなメッセージが表示されて、

バージョンアップが中断されます。

上記でオススメとしている「/home/ems」ではこのようなエラーは発生しないため、

バイナリファイルは「/home/ems」に配置いただければと思います。

最後に

「FortiClientのバージョンアップ」は一部のサイトに記載されていますが、

「FortiClientEMSのバージョンアップ」について記載されているは殆ど無かったため記事にしてみました。

今後、FortiClientEMSの導入が広がり、バージョンアップが必要となった際の参考になれば幸いです。

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