【NetApp Insight 2025 Day2 レポート】
AIとデータが、社会を変える現場へ。
10月15日(水)、NetApp Insight 2025は2日目を迎えました。
Day1では
「データの基盤としての知(Knowledge)」というテーマが掲げられましたが、
Day2では一転して、
「AIとデータが、どのように現実世界で成果を生んでいるのか」
に焦点が当てられ、Day2がスタートしました!
こんにちは!
ネットワールドSEの永井です!
前回に引き続きNetApp Insightの様子をお届けしていきます!
この日は、導入事例・社会的インパクト・パートナーシップなど、NetAppの技術が実際に動いている事例が数多く紹介された1日となりました。
「AIは特別なものではない」
最初に登壇したのは、NetApp Global Customer LeaderのCesar Cernuda氏。
「AIはもはや一部の企業のものではありません。すべての産業が、データを通じてインテリジェントに進化する時代に入りました。」
と語り、Cernuda氏は、企業が単にAIを導入する段階から、
「AIで成果を出す」
フェーズへと移行すべきだと語りました。
その象徴として紹介されたのが「NetApp Social Impact Awards 2025」でした。
受賞企業の中でも、特に注目を集めたのが次の2事例です。
- European Institute of Oncology(IEO)
NetAppのデータ基盤を活用し、乳がん検出率を30%向上。 - San Francisco 49ers Foundation
STEM/STEAM教育を通じて、50万人以上の子どもたちにAI教育支援を提供。
Cernuda氏は、「Data Saves Lives(データは命を救う)」という言葉で締めくくり、
テクノロジーが社会に寄与する力を静かに、しかし確実に印象づけました。
「AIは特別なものではない、AIで成果を出すフェーズへの移行段階」
私としても特にこれが印象的で、企業で蓄積したデータをどうAIに落とし込むのか、どう、AIをそのデータに近づけていくのかでやはり、データの保存場所であるストレージはこの中核を担っていく重要なインフラであることは間違いないでしょう。

「Unify to Simplify」:新しい統合戦略
次に登壇したのは、NetApp CMOのDon Foster氏。
彼は壇上で「Unify to Simplify(統合して、シンプルに)」というメッセージを掲げ、複雑化するマルチクラウド環境におけるNetAppの新戦略を紹介しました。
その中核を担うのが、この3つの要素です
- Unified Data Platform
ONTAPを基盤に、ファイル/ブロック/オブジェクトを一元管理。 - BlueXP AI Data Engine
AIワークロード向けのデータパイプラインを自動最適化。 - Autonomous Ransomware Protection(ARP)
AIで脅威を検知し、自動隔離・復旧を行う新世代の防御機構。
これらの組み合わせにより、企業は「AI Ready Data」を瞬時に整備でき、
複雑なインフラ構成を意識せずにAIの力を活用できる環境を整えることができます。

ハイブリッドAIの時代へ
クラウド担当VPのPrabhjit Singh氏は、
「AIはクラウドに閉じる時代を終え、ハイブリッドで動く時代に入りました。」
と語り、AWS(Bedrock)、Azure(AI Services)、Google Cloud(Gemini)などのAI基盤と、NetAppのUnified Data Storageがリアルタイムで連携、同一データをマルチクラウド間で活用できる新たな時代の到来を示しました。
さらに、Storage as a Service「Keystone」において、AI推論時に必要な一時領域をクラウド間で自動最適化する新機能を発表しコスト最適化と俊敏性を両立するアプローチとして注目を集めた内容となりました。
今後のリアルタイム連携がどう実環境に取り入れられていくか注目ですね!
「Security by Design」: AIが守るストレージへ
続くセッションでは、「Security by Design」という言葉とともに、
NetAppが誇るセキュリティ機能の進化を披露。
- Data Breach Detection:AIによるリアルタイム異常検知
- Isolated Recovery Environment:被害時の自動隔離・復旧領域生成
- Immutable Snapshot + Instant Recovery:改ざん不可能なスナップショットによる瞬時復旧
これらにより、「攻撃 → 検知 → 隔離 → 復旧」までの一連の流れを数分以内で完結できるアーキテクチャを実現できると語り、世界で最も安全なストレージという言葉が、決して誇張ではないことを実感させる内容でした。
AIが日に日に進歩していく中で、リアルタイムで監視し続けるAIの精度にはより一層期待がされますね。
共創の時代:Red Hat・Ciscoとの新たなパートナーシップ
さらに、VPのDallas Alston氏が登壇。
「Co-Innovation Ecosystem(共創型エコシステム)」をテーマに、Red Hat、Ciscoなど主要パートナーとの連携成果を紹介しました。
単なる技術提携ではなく、「データを中心に産業間の連携を生む企業」へとNetAppが進化していることを示す象徴的なセッションとなりました。
社会的な問題として、「エコ」というワードは切っても切り離せないものでしょう。その中で、今回の「Co-Innovation Ecosystem(共創型エコシステム)」の連携成果は産業間の連携の中心として、素晴らしい成果となったのではないでしょうか。

データが創るスポーツの未来
最後に登場したのは、NFL(アメリカンフットボールリーグ)のCIO。
NetAppの技術を活用し、Levi’s Stadiumを「世界で最もインテリジェントなスタジアム」へと進化させた事例を紹介しました。
・チケット・センサー・映像・ファンデータをリアルタイム統合分析
・ロンドンやベルリンなど海外試合でも同一システムを展開
・ファンの嗜好に応じて体験をAIがパーソナライズ最適化
まさに「データでスポーツ体験をデザインする」取り組みの最前線の事例でした。
AIは未来ではなく、すでに「現場」にある
Cernuda氏は最後にこう語りました。
「AIは未来の話ではありません。今、現場で成果を出す段階に入ったのです。」
Day2のKeynoteは、AIとデータが企業や社会に実際の価値をもたらすフェーズに移行したことを象徴する一日となりました。
NetAppは今、単なるストレージベンダーではなく、AI・セキュリティ・社会貢献を支える「データプラットフォーム企業」として進化を続けてており、今後の進化にも注目ですね!

Day2のNetApp Insightはいかがだったでしょうか!?
すこしでも現地の温度感が感じられたら幸いです。
次回は個別セッションのAI関連をまとめたものをお届け予定です!
是非、お楽しみに!
