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NetApp ONTAPを自然言語で操作してみた話

お久しぶりです!

ネットワールドでNetAppの検証・構築を行っているSE 永井です!
NetApp Insightレポートはすでに読んでいただけたでしょうか!?

まだ読んでいない方はぜひ下記リンクからご覧ください!
Day1 ↓

NetApp Insight 2025 Day1をSE目線でご紹介! - ネットワールド らぼ

Day2 ↓

NetApp Insight 2025 Day2をSE目線でご紹介! - ネットワールド らぼ

 

このブログではClaude Desktopから NetApp ONTAP を自然言語で操作してみた!という検証について、簡単にご紹介したいなと思います!

1. そもそも、なぜ Claude と ONTAP をつなげてみたのか?

昨今、生成AIが急速に広がり、インフラやストレージの世界にも少しずつ波が押し寄せてきていますね。しかし、実際の現場レベルで見れば「AIを使ってストレージ運用を自動化する」というところまでは、まだ多くの企業が踏み出せていないのが正直なところです。そんな中、NetApp Insight 2025 のセッションで耳にした内容が、今回の検証のおおきなきっかけとなりました。

そのセッションというのも、 DataOps Toolkit に加えて、ストレージ管理者向けに ONTAP 向け MCP サーバ を提供していく構想 をかたっており、高度な管理や設定タスクをAIから実行できる未来像を描いているというとても面白い内容でした。

提供予定は そのセッションでは2026年 とアナウンスされていましたが、「それを待たずに、自分のラボでまずは動かしてみたい」というエンジニアの衝動を抑えられず、今回の検証に至りました。

今回、私は、「Claude と DataOps Toolkit(MCP)をつなげれば、どこまで実務レベルの運用に届くのか?」というテーマで、実際に手元の ONTAP 環境と Claude Desktop を連携させてみることにしました。

結果としては、AI に向かって「ボリューム一覧を見せて」「10GBの検証ボリュームを作って」と語りかけただけで ONTAP が動く、そんな未来の入り口が見えてきた気がします。

この記事では、細かい手順そのものというよりは、

  1. 検証環境の全体像
  2. 構築の大まかな流れ
  3. 実際にどんな会話ができたのか

に分けてお送りします!

2. 検証環境の構成

今回用意した検証環境はざっくり下記となります。

・クライアント:Windows マシン(Claude Desktop をインストール)
・Python 実行環境
・MCP サーバスクリプト
・ストレージ:FAS2750 ONTAP version 9.17.1

3. 構築のざっくり流れ

大まかな流れだけ書くと、次の 4 ステップです!

  1. ONTAP の準備
  2. Windows に Python 仮想環境と DataOps Toolkit を導入
  3. MCP サーバスクリプトの配置と調整
  4. Claude Desktop に MCP サーバを登録

MCPサーバ登録後にClaudeを再起動すると、Claude 側から MCP サーバが自動で起動・接続されるようになりました。

 

細かい手順などは NetApp DataOps Toolkit の GitHub/ドキュメントをご参照ください
netapp-dataops-toolkit/netapp_dataops_traditional/docs/mcp_server.md (v2.6.0 時) ·NetApp/netapp-dataops-toolkit ·ギットハブ

4. 実際の動作の様子
(ここからが一番おもしろいところです!)

接続がうまくいくと、Claude のチャットからこんな会話ができました。

4-1. ボリューム一覧を出してもらう

私:「ボリューム一覧を表示して!」

Claude:内部で MCP の list_volumes ツールを呼び出し、ONTAP から取得した結果を整形して次のように返してくれます。

 

ちなみに、今あるvolumeをCLIから確認するとこんな感じで、
自然言語ベースでのやり取りで簡単に情報を取得してきてくれました。

4-2. 検証用ボリュームを作成してみる

私:「10GB の検証用ボリューム vol_test_mcp01 を作って!」

Claude は create_volume ツールを呼び出し、完了後に「正常終了したかどうか」と、新規ボリュームのパラメータを要約して返してくれます。


このとき、「実行前に内容を要約して確認してから実行して」と一言添えておくと、AI によるダブルチェック付きオペレーション になり、少し安心感が増すこともできました!

4-3. スナップショットを取得し、その一覧を確認

私:「vol_test_mcp01 のスナップショットを 1 つ取得して!そのあと、スナップショット一覧も表示して!」

この2段階の指示の裏側では

create_snapshot
list_snapshots
の 2 つのツールが順番に呼ばれることで、順に動作が実行されていきました

返ってきた一覧には、netapp_dataopsのような名前のスナップショットが追加されていることが分かります。ここまで来ると、もう「CLI でコマンドを打っている」という感覚はほとんどなく、

会話しながらラボ環境を動かしている という印象に近づきました!

4-4. どこまでできそうか?

今回の MCP サーバでは、主に以下のツールが登録されていました。

create_volume / clone_volume
list_volumes / mount_volume
create_snapshot / list_snapshots
create_snap_mirror_relationship / list_snap_mirror_relationships

この組み合わせだけでも、ラボ環境の

  • ボリューム一覧
  • 確認テスト用ボリュームの作成
  • スナップショット作成
  • 検証向け SnapMirror 関係の作成

といった操作を、すべて自然言語だけで回せることが分かりました。

もちろん本番環境では、読み取り専用アカウントの利用変更系操作への承認フロー操作ログの保全などが必須ですが、「PoC やラボでの検証を AI と一緒に回す」という文脈では、すでに十分実用的だと感じています!

6. まとめ

今回の検証を通して強く感じたのは、生成AIが「情報を返す存在」から「インフラそのものに実際に触れ、動かしてくれる存在」へと確実に進化しているということです。

AI がホットな話題として盛り上がる一方で、現場レベルのストレージ運用に落とし込めている企業はまだ多くありません。そんな中、NetApp Insight で語られたMCP 連携の未来像を実際に Claude と DataOps Toolkit MCP をつなぎ、
「ボリューム一覧を見せて」
「クローンを作って」
と話しかけるだけで ONTAP が応える光景は、ストレージ管理の未来がすぐそこまで来ていることを実感させてくれます。

もちろん、この領域はまだ始まりにすぎません。
それでも

  • ストレージ運用のハードルを下げたい
  • 検証・設計のスピードを一段上げたい
  • AI と一緒にインフラを組み立ててみたい
  • 最新のAIを活用していきたい

そんな方には、今回の組み合わせはぜひ触れてみてほしい、大きな可能性を秘めたアプローチだと思います。

これからも私は、「AI × Storage」 の可能性を探りながら、現場目線で使える検証結果を発信していけたらと思います!

  技術部 データ基盤技術部1課 永井