こんにちは、ネットワールド西日本技術部 SE の山下大輔です。
前回は Dell PowerSwitch に Enterprise SONiC をインストールする手順をご紹介しました。
今回は、OSインストール直後に行う初期セットアップについて解説します。
VLANやルーティング等の設定の前に、Enterprise SONiCならではの設定や
操作感を理解していただければと思います。
ホワイトボックススイッチ用のOSと聞くと、Linuxコマンドで設定するイメージを持っていませんか?
私も最初は「viで設定を編集したり、systemctl restartでサービスを再起動するのかな」
など思い、少し苦手意識がありました。
しかしご安心ください!
Dell Enterprise SONiCにはDellが独自に強化した
"sonic-cli"が搭載されています!
このCLIは一般的なスイッチの操作コマンドに近く、
OS10や他ベンダーのスイッチに慣れている方なら違和感なく操作できます。
それでは、初期セットアップを始めましょう!

- 1.パスワードの設定
- 2.ZTPプロセスの停止
- 3.sonic-cliへ移行
- 4.スイッチプロファイルの変更
- 5.ホスト名の変更
- 6.管理IPアドレスの設定
- 7.interface-nameの変更
- まとめ
1.パスワードの設定
SONiCの初期ログインアカウントは以下です。
ID:admin
Password:YourPaSsWoRd
初回ログイン時にパスワードの変更を求められます。
パスワードを変更し、Linuxシェルへログインします。

2.ZTPプロセスの停止
SONiCではデフォルトでゼロタッチプロビジョニングの機能が有効になっています。
OSの起動が完了した後にも関わらず、大量にログが流れ続けるのはこのためです。
ZTPは今回使用しないため、以下コマンドで停止します。
sudo ztp disable -y

ztpの停止には数分かかります。
完了後、showコマンドを使用して機能が停止されたことを確認しましょう。
show ztp status

これで設定の準備が整いました。
以降はテキストベースでコマンドと出力結果を紹介していきます。
3.sonic-cliへ移行
以下コマンドを実行し、sonic-cliへ移行します。
admin@sonic:~$
admin@sonic:~$ sonic-cli
sonic#
プロンプトが”#”に変わります。
これで馴染みのコマンドを使えるようになりました。
4.スイッチプロファイルの変更
Dell Networkingスイッチでは、L2(レイヤー2)とL3(レイヤー3)の動作モードが異なるため、
用途に応じてプロファイルを切り替える必要があります。
L2プロファイル:スイッチング中心(VLAN、ブリッジング)で、ルーティング機能は限定的。
L3プロファイル:ルーティング中心(OSPF、BGPなど)で、ネットワーク間通信を最適化。
プロファイルを変更することで、メモリやハードウェアリソースの割り当てが最適化され、
不要な機能を排除してパフォーマンスを最大化することができるようになります。
デフォルトはL3プロファイルで動作しているため、L2用途で利用する場合は変更が必要です。
プロファイルの変更時には設定が初期化されるため、必ず初めに変更するようにしましょう。
sonic# configure terminal
sonic(config)# factory default profile l2
Device configuration will be erased. You may lose connectivity.
Continue? [y/N]: y
Dec 17 06:52:53.257810 System is not ready - one or more services are not up
Applying factory default configuration.
This may take 120--180 seconds and also result in a reboot.
sonic(config)# admin@sonic:~$
プロファイルが変更されたか確認します。
sonic# show switch-profiles
Factory Default: l2
Profile Name Description
-------------------------------------------------------------
l2 Layer 2 Switch Configuration
l3 Layer 3 Router Configuration
sonic#
”Factory Default: l2”と表示されており、L2プロファイルで動作していることが確認できました。
5.ホスト名の変更
ホスト名を変更してみましょう。
sonic# configure terminal
sonic(config)# hostname SW01
sonic(config)#
Broadcast message: Hostname has been changed from 'sonic' to 'SW01'. Users runn
ing 'sonic-cli' are suggested to restart your session.
sonic(config)# end
sonic#
何かメッセージが出力されました。
ホスト名の変更を反映するために、セッションの更新を求めているようです。
一度sonic-cliから抜けて、再度sonic-cliへ移行します。
sonic# exit
admin@sonic:~$ sonic-cli
SW01#
変更したホスト名が出力されるようになりました。
このように一部の設定は変更をプロンプトへ反映するために、
sonic-cliへ入り直す必要があります。
6.管理IPアドレスの設定
機器にリモートアクセスするための管理IPを設定します。
ポイントは以下2点です。
・アウトオブバンド管理の場合、管理用のVRFを作る
※VRFを分けない場合、管理ポートはdefaultのVRFへ割り当てられます。
・管理IPとゲートウェイIPを同時に設定する
デフォルトのVRFを確認します。
SW01# show ip vrf
VRF-NAME INTERFACES
----------------------------------------------------------------
default Management0
管理用VRFを作成し、管理IPを設定します。
SW01# configure terminal
SW01(config)# ip vrf mgmt ←VRF”mgmt”の作成
SW01(config)# interface Management 0
SW01(config-if-Management0)# ip address 10.30.1.138/24 gwaddr 10.30.1.254 ←管理IPとGWの設定
SW01(config-if-Management0)# end
IPの設定を確認してみましょう。
SW01# show running-configuration interface Management 0
!
interface Management0
description Management0
mtu 1500
autoneg on
speed 1000
ip address 10.30.1.138/24 gwaddr 10.30.1.254
VRFの設定を確認してみましょう。
SW01# show ip vrf
VRF-NAME INTERFACES
----------------------------------------------------------------
default
mgmt Management0
pingを打ってみましょう。VRFを指定してpingを実行します。
SW01# ping vrf mgmt 10.30.1.254
PING 10.30.1.254 (10.30.1.254) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 10.30.1.254: icmp_seq=1 ttl=255 time=0.334 ms
64 bytes from 10.30.1.254: icmp_seq=2 ttl=255 time=0.123 ms
SW01#
SW01# ping vrf mgmt 8.8.8.8
PING 8.8.8.8 (8.8.8.8) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=1 ttl=117 time=15.7 ms
64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=2 ttl=117 time=16.2 ms
IPアドレスが反映され、pingも飛びましたね。
Tera Termを使いSSHでスイッチへアクセスしてみてください。成功するはずです。
デフォルトでSSHが有効になっており、TELNETでアクセスすることはできません。
7.interface-nameの変更
最後にinterface-nameを変更しましょう。
interface-name?と思われたかもしれません。
SONiCではデフォルトでインターフェース名が”Ethernet0”から始まります。
ポート0では分かりづらいため、ポート1から始まる表記へ変更します。
SW01# show interface status
-----
Name Description Oper Reason AutoNeg Speed MTU Alternate Name
-----
Ethernet0 - down admin-down off 25000 9100 Eth1/1
Ethernet1 - down admin-down off 25000 9100 Eth1/2
Ethernet2 - down admin-down off 25000 9100 Eth1/3
SW01# configure terminal
SW01(config)# interface-naming standard
Broadcast message: Interface naming mode has changed. Users running 'sonic-cli'
are required to restart your session.
SW01(config)# end
確認してみましょう。
SW01# show interface status
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
Name Description Oper Reason AutoNeg Speed MTU Alternate Name
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
Eth1/1 - down admin-down off 25000 9100 Ethernet0
Eth1/2 - down admin-down off 25000 9100 Ethernet1
Eth1/3 - down admin-down off 25000 9100 Ethernet2
”Ethernet0”から"Eth1/1"に変更されました。
まとめ
今回はDell Enterprise SONiCの初期セットアップについて紹介しました。いかがでしたでしょうか。
この後は利用する環境に合わせたネットワークの設定を行ってください。
DELL Enterprise SONiCのsonic-cliを使えばLinuxに抵抗のある方でも
従来通りスイッチを設定することが可能です。
次回はよくある質問の中から、パスワードリカバリと初期化についてご紹介したいと思います。
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