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ESXi の AIOps だ! 2025冬【前編】

Gemini と会話する ESXi Agent を作ってみたぞ!

speakerdeck.com


1. はじめに

こんにちは、ネットワールドの海野です。

VMware ESXi を自然言語で操作できたら、運用の入口はどう変わるのか。
そんな疑問から、Google Gemini を使って「会話する ESXi」を試作しました。

この記事は前後編です。

  • 前編: 何を作ったか / どういう構成か / 何が面白いか

  • 後編: セットアップ / 実行デモ / 実装コード断片

本記事は、VMware ユーザー会(VMUG) での登壇スライドの内容をベースにしています。

 


2. ESXi-AIOps-Agent とは

ESXi-AIOps-Agent は、Google Gemini を用いて、自然言語(日本語)で VMware ESXi ホストを操作するための小さな AIOps エージェントです。

プロジェクトの一次情報(README / コード)はここに置いています。

 

github.com

 

このプロジェクトで一番言いたいことはシンプルで、

  • AI は「考える役」(意図理解・手順の組み立て)

  • 実行は「Python がやる」(SSH / Web UI 操作)

という責務分離です。AI に実行まで丸投げしない。

ここがスタートラインだと思っています。

 


3. 全体アーキテクチャ

構成要素は以下です。

  • 操作端末: Windows 11 + PowerShell

  • 実行環境: Python(venv)

  • 操作手段: paramiko(SSH) + Playwright(Web UI)

  • 対象: ESXi on Raspberry Pi 5

  • 生成 AI: Google Gemini(例: Gemini 2.5 Flash)

 

イメージとしてはこうです。

  • PowerShell が "対話コンソール"

  • Python が "実行ランタイム"

  • Gemini が "意図理解と段取り作り"

  • ESXi が "操作対象"

 

つまり、

人 -> PowerShell -> Gemini -> Python -> ESXi

 

という流れになります。

 

ここで大事なのは、Gemini は ESXi を直接叩きません。
Gemini が返すのは「どう動くべきか」の案で、実際の操作(SSH コマンド実行や Web UI クリック)は Python 側が行います。

 


4. どんなことができるのか

デモでは、PowerShell を起点にして Gemini と会話しながら ESXi を操作しました。やったことは概ね以下です。

  • PowerShell 起動 -> ディレクトリ移動 -> venv 有効化 -> Python 実行

  • PowerShell が Gemini のコンソールになる

  • 以降、自然言語で ESXi を操作

    • 仮想マシン一覧の取得

    • 電源状態の確認

    • Power On / Shutdown

    • スナップショット取得

youtu.be

この時点では「完全自動運用」を目指していません。狙いはあくまで、

  • 人が "何をしたいか" を伝える

  • AI が "どうやるか" を組み立てる

  • ランタイムが "安全に手を動かす"

という体験を、手触りとして確認することです。

 


5. AIOps として何が面白いのか(まとめ)

運用の入口が変わる

CLI や API の知識を前提にせず、「やりたいこと」を言葉で渡せる。これは運用の入口を広げます。
(もちろん裏側のガード設計は必須で、そこが後編の論点になります)

Runbook + AI の現実味

Runbook を "手順書" として読むのではなく、"会話で実行できる形" に寄せると、定型運用はかなり違う形になります。
障害対応も、手順の分岐や確認ポイントを AI が前に出してくれるだけで、運用者の負荷が変わるはずです。

可能性と限界(現時点)

可能性は見えますが、限界もはっきりしています。

  • ガードレールがないと危険(誤操作・暴走・権限逸脱)

  • "できる/できない" の境界設計が必要(どこまで AI に任せるか)

  • 監査ログ/再現性/ロールバックまで含めて運用品質になる

このあたりを踏まえて、後編では「実装のポイント」も含めて、手を動かす話をご紹介してまいります。