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NetApp ASA r2のご紹介

こんにちは、ネットワールドでストレージ担当のSEをしている河村と申します。

NetAppのインプリや提案を行っているワタシ的に、最近気になっているNetAppの機能「SnapMirror ActiveSync」を取り上げたいと思います。

「SnapMirror ActiveSync」は筐体障害にも耐える双方向同期SnapMirrorで、ONTAP9.9.1以降のブロックプロトコル(FC/iSCSI/NVMe)で使用できる機能です。メリットはなんといっても同期SnapMirrorの技術で筐体障害に耐えること。案件の要件でシャーシだけは冗長化できないという話になりがちですが、SnapMirror ActiveSyncを使えば筐体間の同期SnapMirrorなので大丈夫!止めたくないミッションクリティカルなアプリケーションにもハマります。

SnapMirror ActiveSyncを使用できる環境はブロックストレージ限定ということで、相性の良いハードウェアがNetAppのASA(All SAN Array)です。今回は、SnapMirror ActiveSyncの紹介を進める前に、そんなASAの最新モデルである「ASA r2」が最近リリースされたこともありますので、まずはASAをご紹介したいと思います。

ASA(All SAN Array)

NetAppは、「NASといえばNetApp、NetAppといえばNAS」と言えるほど、ファイルストレージの分野で圧倒的な存在です。ただ近年はブロックストレージにも力を入れており、その象徴ともいえる製品群が ASA(All SAN Array) です。

ASAは、その名の通り SAN専用アレイとして設計されたNetAppのストレージ。従来のONTAPベースのシステムは、NASとSANの両方に対応する「ユニファイド」でしたが、ASAではあえてブロック用途のみに最適化した構成となっており、すべての SAN プロトコル(iSCSI、FC、NVMe/FC、NVMe/TCP)をサポートしています。

 

2025年12月時点のASAシリーズのラインナップは以下の通りです。

2023年にリリースされたASA r1のASA A150やA250は現在はすでに販売終了で、今はASA A20やA30のASA r2が販売されています。

ASA r2とは?!

過去のNetAppのストレージを振り返ってみても、ハードウェアに「r2」というネーミングはなかったですよね?ASA r2は、ブロックのみに特化したASA r1の後継機だけど単純にr1を刷新したモデルではなく、SAN専用に不要な機能をそぎ落とし、さらにONTAPそのものをSAN向けに再設計した第二世代のASAであることを示しています。

r1からr2で何が大きく変わったかというと、従来のONTAPでは、

  • アグリゲートの設計

  • ディスクの割り当て

  • SVMの作成
  • ボリューム作成

  • その上でLUNを切る

といった、ストレージ管理者にとっておなじみの手順が必要でした。
しかしASA r2では従来のようにアグリゲートやボリュームを意識する必要はなくなったり、「ストレージユニット」という新しいオブジェクトが導入されています。
ストレージユニットを作るとボリュームやLUNが自動的に作成され、すぐにSANボリュームが使えるという非常にシンプルな操作体系になりました。r1とr2を図で比較すると分かりやすいですが、手動で作成する青のオブジェクトが大幅に減って、ユーザーが触る領域がかなり少なくなっていることが分かります。

ここまで設計がシンプルになると、初期セットアップが終わってしまえばストレージ専任のエンジニアでなくてもストレージユニットの展開によるサービス追加は簡単に行えることでしょう。

試しに設定してみる!

説明はこのあたりにして、設定を見ていただいた方がASA r2の魅力が伝わると思うので、簡単にiSCSI用のVMwareデータストアとして使用するまでを設定してみましょう。

 

初期セットアップの手順は割愛しますが、初期セットアップが終わると、以下のキャプチャ赤枠のようなAggregate(ストレージプール)の代わりとなるStorage Availability Zone(通称SAZ)が自動作成されます。また、SVMも自動作成です。

Storage Availability ZoneとSVMが自動作成済みということで、iSCSI用のLIFを作成します。

各ノードごとに2つ、合計4つのLIFを作成しました。

 

次は肝心のストレージユニット作成です。

ストレージユニットの作成ウィザードに入って、名前、ユニット数、容量、細かいところでQoSなんかも設定できます。また同じウィザードの中で、ホスト情報(VMwareのIQN情報)も追加して、一括で設定を完了することができます。

作業は以上で完了!

あとはVMware側でiSCSI接続のための設定を少ししてあげるだけで、データストアの作成までが完了しました。設計要素も手数も少ないので、ほんとうに簡単でした。

次回はSnapMirror ActiveSync!

長らくNASのイメージが強かったNetAppですが、ASA r2をきっかけにあなたもブロックストレージにはNetAppをぜひご検討ください。次回は冒頭に触れたSnapMirror ActiveSyncを掘り下げていきたいと思いますのでお楽しみに!