はじめに
こんにちは、ネットワールドSEの藤居です。
Pure Storage(現 Everpure)の FlashArray ActiveCluster 環境は、可用性を高める構成として非常に魅力的です。一方で、Veeam と組み合わせて Snapshot 連携を使う場合、設計や検証の場面で気になりやすいのが次の点ではないでしょうか。
「Veeam は、結局どちらの FlashArray をソースとして扱うのか?」
今回は、Veeam の FlashArray Plug-In を利用した Snapshot 連携に絞って、ActiveCluster 環境でのバックアップ動作を整理します。実際の検証でどこを確認すれば“どちらから吸っているか”を判断できるかもあわせて紹介します。
なお、本記事では以降、現在の社名にあわせて Everpure と表記します。
一方で、Veeam の KB やプラグイン名では、旧社名時代の Pure Storage FlashArray Plug-In という表記が残っている場合があります。

先に結論
Everpure ActiveCluster 環境で、Veeam の FlashArray Plug-In を使った Snapshot 連携を行う場合、どちらのアレイをソースとして扱うかには一定のロジックがあります。
ポイントは次の3つです。
- 片側だけがホストにマッピングされている場合、その側がソースとなる
- 両側ともマッピングされている場合、Preferred Arrays の設定が使われる
- それも未設定の場合、アルファベット順で先のアレイがソースとして扱われる
つまり、「両サイトにまたがる ActiveCluster 環境でも、Snapshot 連携時のソースは無秩序に決まるのではなく、設定や構成に基づいて選択される」というのが今回のポイントです。下記KBを参考にしています。
KB4129: Release Information for Pure Storage FlashArray Plug-In for Veeam Backup & Replication
検証準備/前提条件
検証準備としてEverpure FlashArray と Veeam を連携し、ストレージスナップショットを利用したバックアップが実行できる状態を事前に準備します。主な準備事項は以下のとおりです。
(1) Veeam プラグインをインストールする
まず、FlashArray を Veeam から Universal Storage API 連携ストレージとして利用するために、Pure Storage FlashArray Plug-In を Veeam Backup & Replication のバックアップサーバへインストールします。インストーラは上記のリンク(KB4129) から入手できます。インストールはシンプルで、次へ次へで完了します。
(2) ストレージ連携用の接続パスを準備する
Backup Proxy から FlashArray に接続できるよう、あらかじめ接続性を確保します。iSCSI 構成では、対象ストレージへ正常にアクセスできることを確認しておきます。
(3) FlashArray を登録する
続いて、Veeam の Storage Infrastructure から FlashArray を登録します。
Veeam のストレージ統合では、まず Storage Infrastructure で Add Storage を実行し、対象ストレージを追加しておきます。Backup from Storage Snapshots を利用する前提として、ストレージシステムをバックアップインフラへ追加しておくことが必要です。検証では、アレイ名が FA-01 と FA-02 の2つの FlashArray を登録しています。このFlashArray 間で ActiveCluster が構成されています。

(4) バックアップジョブ設定を確認する
最後に、バックアップジョブが Snapshot 連携を使う設定になっていることを確認します。ジョブの Storage → Advanced job settings → Integration タブ で、Enable backup from storage snapshots を有効にします。このオプションは 新規ジョブではデフォルトで有効です。

以上の準備を行ったうえで、Snapshot 連携時にどちらの FlashArray がソースとして扱われるかを確認しました。
動作検証
(1) 両側ホストマッピングしてバックアップ実行
まず、対象ホストから 両方の FlashArray が見えている状態 でバックアップジョブを実行しました。どちらのアレイがソースとして扱われたかは、Veeam のジョブセッションログを確認することで把握できます。

この検証では、両側にホストマッピングした状態で Preferred Arrays を設定せず にジョブを実行したので、アレイ名のアルファベット順( FA-01 , FA-02 の場合先になるのが FA-01 )で先のアレイ がソースとして扱われる動作を確認できました。
また、この状態で複数回バックアップを実行しても、毎回同じアレイがソースとして選択されました。ソースの選択はランダムではなく、一定のロジックに基づいて決定されていることが確認できました。
(2) Preferred Arrays 設定してバックアップ実行
次に、両アレイをマッピングしたまま Preferred Arrays を設定(検証では FA-02 に設定)し、再度バックアップジョブを実行しました。


この条件では、先ほどのようなアルファベット順ではなく、Preferred Arrays で指定した側のアレイがソースとして扱われることを確認できました。この結果から、ActiveCluster 環境で両サイトのアレイが見えている場合でも、Preferred Arrays を利用することでソースをコントロールできることが分かります。
(3) 片側だけホストマッピングしてバックアップ実行
最後に、対象ホストから 片側のアレイ( FA-01 )だけが見える状態 に変更し、バックアップジョブを実行しました。


(2)の検証の続きで実施しており、FA-02 に Preferred Arrays 設定がある状態ですがホストマッピングが残っている側の FA-01 がソースとして扱われる動作を確認できました。同期レプリケーション関係にあるボリュームのうち、片側だけがホストにマッピングされている場合は、その側がソースとみなされます。この結果から、Snapshot 連携時のソースはホストマッピングの状態がソース選択に影響していることが確認できました。
ActiveCluster 環境で設計や切替時の挙動を考えるうえでも、ホストマッピングと Preferred Arrays をセットで確認する重要性が見えてきます。
おわりに
本記事では、Everpure FlashArray の ActiveCluster 環境において、Veeam の FlashArray Plug-In を使った Snapshot 連携時に、どちらのサイトがソースとして扱われるのかという観点で動作を整理しました。ポイントは、ソースは無作為に決まるのではなく、ホストマッピングと Preferred Arrays を軸に整理できるという点です。ActiveCluster のような高可用構成では、こうした整理軸を持っておくことで、設計時も検証時もかなり見通しが良くなります。これから同様の構成を検討される方の参考になれば幸いです。
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