株式会社ネットワールドのエンジニアがお届けする技術情報ブログです。
各製品のエキスパートたちが旬なトピックをご紹介します。

【AWS】Amazon Quick on Desktop を使ってデータ分析からレポート作成まで一気通貫でやってみた!

こんにちは!ネットワールドSEの殿貝です。

今回はAWSが提供する「Amazon Quick」のデスクトップアプリケーションがプレビュー版で提供開始されたので触ってみました。

ローカルのCSVファイルを読み込ませて、データ分析 → 可視化 → 施策提案 → PowerPointレポート作成まで、チャットだけで一気通貫でやってみます!

Amazon Quick って何?

Amazon Quick は、AWSが提供する仕事用AIアシスタントです。

仕事で使うツールが Slack、Outlook、CRM、データベース、ドキュメントなど色々なところに散らばっていますよね。Quick はそれらを1か所にまとめて、質問に答えたり、スケジュール設定、成果物の作成、ダッシュボード作成など代わりにアクションを実行してくれます。

主な特徴は以下の通りです。

  • Slack、Microsoft Teams、Outlook、Gmail、CRM、データベースなどあらゆるツールと連携
  • 回答するだけでなく、スケジュール設定・ドキュメント作成・ダッシュボード構築まで実行

Amazon Quick on Desktop とは?

Amazon Quick はブラウザで利用できましたが、今回使うのはデスクトップ版です。

デスクトップ版の最大のポイントは、ローカルファイル(CSV、Excel、PDF、Word等)に直接アクセスできること。アップロード不要で、会話の中からドキュメントやプレゼン資料などの成果物も作成できます。

では早速、ローカルファイルを使った分析を試してみましょう。

今回の検証シナリオ

以下の3つのCSVファイルを用意しました。

  • customers.csv:顧客データ(150名分)
  • orders.csv:注文データ(800件)
  • products.csv:商品データ(40品)

これらを使って、経営層向けのデータ分析レポートを作成してみます。

やってみた

① 分析するフォルダを指定

まずは Amazon Quick on Desktop に分析対象のフォルダを指定します。設定画面からローカルフォルダを追加するだけで、そのフォルダ内のファイルにアクセスできるようになります。

② データの横断分析

「分析したい」「全データを横断的に分析」と伝えるだけで、3つのCSVを自動的に読み込み、以下の分析を実施してくれました。

  • 地域別売上(関東が全体の37%)
  • カテゴリ別売上(書籍がトップ)
  • 会員ティア別分析
  • 月別売上推移
  • 年代別分析
  • 売れ筋商品ランキング

自分でコードを書く必要は一切なし。裏でPython(pandas)を実行して分析結果をまとめてくれます。

③ 顧客セグメント分析(K-Meansクラスタリング)

「顧客セグメント分析」とリクエストすると、購買データをもとに顧客を自動でグループ分け(K-Meansクラスタリング)してくれました。

上記の画像の通り、顧客を5つのセグメントに分類されています:

クラスター 特徴 人数 離脱リスク
ファッション愛好家 高頻度・アクティブ 37名 低(22%)
書籍マニア 書籍に集中投資 22名 中(34%)
食品重視(休眠傾向) 143日離脱中 26名 高(66%)
ヘビーユーザー(万能型) 全カテゴリ高頻度 35名 中(31%)
日用品中心(低単価) 日用品メイン 28名 中高(48%)

顧客の分布マップや将来売上の予測(LTV)、「このお客さん離れそう度」のスコアまで算出してくれます。

④ インタラクティブなダッシュボード生成

分析結果をもとに、Highchartsを使ったインタラクティブなダッシュボードをその場で生成してくれました。

  • 顧客の分布マップ(PCA散布図)
  • グループごとの特徴比較チャート(レーダーチャート)
  • 「離れそう度」の比較グラフ
  • 将来売上の予測チャート(LTV)

⑤ 施策ROIシミュレーション

「施策効果予測」と伝えると、各セグメント向けのマーケティング施策のROIシミュレーションを実施してくれました。

施策 コスト 期待増収 ROI
食品クラスター再活性化 ¥6.5万 ¥371万 5,613%
ファッション限定案内 ¥18.5万 ¥483万 2,510%
ヘビーユーザーVIP ¥35万 ¥793万 2,165%
日用品アップセル ¥17.4万 ¥155万 789%
書籍クロスセル ¥7.9万 ¥62万 681%

全施策合計で ¥85万の投資 → ¥1,864万の増収(ROI 2,083%)という試算結果に。 年間売上 ¥1.24億 → ¥1.43億(+15.0%成長)の見込みです。という分析も出ています。

⑥ 顧客アクションリストのCSV出力

施策実行に必要な顧客ごとの推奨アクションリストもCSVで出力してくれました。

CSVやPPTXファイルはアプリ上でプレビューが出来ます。

⑦ PowerPointレポート自動生成

最後に「パワポで資料作成して。テンプレートを利用して」と指示すると、会社テンプレートを活用したPowerPointレポートを自動生成してくれました。

  • テンプレートのデザイン・フォントを踏襲
  • ネイティブのPowerPointグラフ(円グラフ・棒グラフ)を埋め込み
  • そのままPowerPoint上で編集可能

プレビューではレイアウトが崩れて見える部分もあるので、生成されたファイルを確認して、必要に応じて修正しましょう。

驚いたポイント

  1. コード不要:Pythonの知識がなくても高度な分析(K-Means、PCA、LTV予測)が実行される
  2. 対話的に深掘り:分析結果を見て「もっと深掘りしたい」と言えば、次々と高度な分析に進んでくれる
  3. 成果物の多様性:ダッシュボード(HTML)、CSV、PowerPoint と必要な形式で出力できる
  4. テンプレート活用:会社のPPTテンプレートを読み込んでデザインを踏襲してくれる
  5. 編集可能な出力:グラフがパワポネイティブに作成できるので、あとから自由に編集できる

私自身あまりマーケティング知識は持っていないのですが、Kiroにダミーデータを作ってもらって、「分析して」の一声から、どんどん分析してくれました。私はただただ提案される選択肢をクリックするだけでした。

まとめ

Amazon Quick on Desktop を使って、CSVファイルの分析からPowerPointレポート作成まで、チャットだけで一気通貫で行うことが出来ました。

特に印象的だったのは、「分析して」→「深掘りして」→「施策予測して」→「レポートにして」という自然な会話の流れで、データサイエンスの専門知識がなくても高度な分析結果が得られる点です。

日常の業務で「Excelデータをもとにレポートを作りたい」「顧客分析をしたいけどPythonは書けない」という方には非常に強力なツールだと思います。

なお、今回はデータ分析の機能を中心に試しましたが、Amazon Quick Desktop には他にも以下のような機能があります。

  • Slack・メール・カレンダーを横断してスケジュール管理や会議準備を自動化
  • 人やプロジェクトの関係性を学習し、文脈を踏まえた回答が得られる(ナレッジグラフ)

こちらも機会があれば触ってみたいと思います!

皆様もぜひ触ってみてください! それでは、またお会いしましょう〜