みなさん、こんにちは。ネットワールドでSA(ソリューションアーキテクト)として活動している後藤です。
突然ですが、2026/05/13にMicrosoftからうれしいニュースが発表されました。
なにかというと、Azure Arcで接続されたWindows Server 2025に対するホットパッチが追加料金不要に、という発表です。
従来までコア課金で1コアあたり1.5ドルの課金が発生していましたが、2026/05/15以降追加コストが不要になります。
これは非常にうれしいニュースですね。
ちなみにこの追加料金不要の告知は、前述のブログの他、公式ドキュメントであるlearn.microsoft.comでも以下のURLで明示されています。
Azure Arcで接続したWindows Server 2025をAzure ポータルで参照すると、画面1のようにホットパッチが無償利用可能である旨が表示されます。

Windows11でもEnterpriseエディションなどでホットパッチが2026/05から利用可能になっていますが、あらためて「ホットパッチとは何ぞや?」を見ていこうかと思います。
- 1:最初に注意事項とお願い
- 2:ホットパッチとは?
- 3:ホットパッチの対象とリリーススケジュール
- 4:ホットパッチの前提条件
- 5:ホットパッチの有効化
- 6:ホットパッチの有効化手順詳細(次に続く……)
1:最初に注意事項とお願い
本記事は、筆者の知りうる公開情報と実機検証をもとに記述しています。
内容については、正確を期することを心がけていますが、万が一誤った記述があればご指摘いただけると幸いです。
また、Microsoftの公式見解が必要な場合は、Microsoftサポートまでお問い合わせいただけますよう、よろしくお願いします。
なお、執筆時点(2026年6月中旬)で、AzureポータルのAzure Arcのページの一部が、なぜか日本語ではなく英語で表示されてしまっています。
スクリーンショットはそういった環境で取得していますので、英語表示になってしまっている点をご了解いただければ幸いです。
2:ホットパッチとは?
ホットパッチとは、Windows OSでセキュリティアップデートなどの更新プログラムを適用する際、Windows OSの再起動を行うことなく適用可能なパッチです。
通常、毎月のWindows Updateで累積アップデートを適用すると、必ずと言っていいほど再起動を要求されます。これは、古くからWindows Serverを運用する上での課題として認識されており、運用中のサーバーなどでは適用するタイミングが悩ましいと思います。適用しない、という選択肢もなくはないですが、セキュリティホールが放置されてしまうため、タイミングを調整して適用している、というのが実態的な話ではないかと思われます。
この再起動を行わずしてセキュリティパッチが適用出来たら、運用が変わるとは思いませんでしょうか? それを実現するのがホットパッチです。
画面2はホットパッチによってセキュリティアップデートを適用した画面になります。

ビルド番号を「winver.exe」によって確認しているものですが、画面2ではwinverのウインドウが2つ表示されていますね。また、それぞれのウィンドウで確認できるビルド番号が異なります。
左がホットパッチ適用前に実行したwinverの実行結果で、右がホットパッチ適用後のwinverの実行結果になります。
再起動が必要なセキュリティアップデートを適用した場合、この画面のスクリーンショットを取得することは不可能ですが、取得できたということはOS再起動を行っていない、ということですね。
地味ですけども、再起動のいらないセキュリティアップデート、それがホットパッチになります。
3:ホットパッチの対象とリリーススケジュール
累積アップデートがすべてホットパッチの形式で適用できるのであれば、運用中のWindows Server を再起動しなくて済むので無停止運用ができる! と思われるかと思いますが、再起動が必要なシナリオも残念ながら存在します。
- ホットパッチはセキュリティアップデートのみなので、.NETなどの更新プログラムは再起動が必要
- 3か月に1回更新される「ベースライン更新」は通常の累積アップデートになるので要再起動
1番については、上記の通り「ホットパッチとしてリリースされるパッチはセキュリティアップデートのみ」になりますので、それ以外の各種更新プログラムで再起動を要求するものは適用後再起動が必要になります。
では、月次の累積アップデートとの違いは? となると、累積アップデートにはセキュリティアップデートの他に機能改善更新やサービス スタック更新プログラム(SSU)が含まれていますが、ホットパッチには含まれていません。
したがって、機能改善を目的として累積アップデートを当てたい場合には、再起動が必要な通常の累積アップデートを適用する必要があります。
2番の「ベースライン更新」ですが、字面ではわかりにくいので、更新スケジュールを図にしてみました(図1)。

図1の通り、1月、4月、7月、10月の年4回、ベースライン更新(という名の通常の累積アップデート)が提供されます。
ベースライン更新が適用された環境であれば、次の2か月間はホットパッチによる無停止アップデートが実施可能です。
例えば4月に再起動される累積アップデートを適用すれば、次の5月および6月は無停止でホットパッチが適用可能という感じです。
2026年5月のホットパッチの場合、画面3のように「ホットパッチ対応」であることがちゃんと表示されています。

実行結果も再起動が「False」になっているので、再起動不要であるとわかります。
いままで毎月セキュリティアップデートを適用するたびに再起動を要求されていたわけですが、これが3か月に1回の更新で済むようになるとなると、運用上の負担がかなり減るのではないかと思います。
1番の話にも関連しますが、ホットパッチには機能改善更新は含まれていませんが、3か月に1回のベースライン更新でそれらの機能改善更新も適用されるので、そういった機能改善は後回しでもいいから、まずは毎月のセキュリティアップデートを迅速に、かつ無停止で適用したい! という場合にはホットパッチはかなりキクのではないでしょうか?
という適用スケジュールなんですよー、で話が終わると美しいのですが、2026年6月はホットパッチがリリースされず、通常の累積アップデートとなってしまっています(画面4)。

7月は通常の累積アップデートが配信される「ベースライン更新」になりますので、ホットパッチのリリースは、次の8月のタイミングになります。
このような例外的な処置もありつつも、図1のようなスケジュールに従ってホットパッチが提供される、という理解をしていただければ、と思います。
このホットパッチの件は、執筆時点(2026年6月中旬)Microsoft365メッセージセンターで確認することができます。メッセージセンターで「MC1323247」をご確認ください。
4:ホットパッチの前提条件
ホットパッチを利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。
ここでは、無償化が発表されたAzure Arcで接続されたWindows Server 2025の前提条件とします。
- Windows Server 2025 Standard EditionもしくはDatacenter Edition
- (当然のことながら)Azure ArcでAzureと接続されていること
- 仮想化ベースのセキュリティ(Virtualization-Based Security:VBS」が有効化されていること
- Azure Update Managerを使用できること
このあたりですね。
ちょっと手間がかかるのは3番の仮想化ベースのセキュリティ(VBS)でしょうか。
これが有効になっていない場合、ホットパッチを有効化しようとしても画面5のように有効化できませんのでご注意ください。

5:ホットパッチの有効化
ホットパッチを有効化する方法は非常に簡単です。
Azure Arcに接続されたWindows Server 2025をAzureポータルで表示します。
右ペインに「ホットパッチ」のアイコンがありますのでそちらをクリックし、展開されたウィンドウで「毎月のホットパッチ更新を受け取る」にチェックを入れて「確認」をクリックするだけでホットパッチが有効化されます(画面6)。

6:ホットパッチの有効化手順詳細(次に続く……)
ここから、詳しいホットパッチの有効化手順を紹介するところなのですが、前述の通り2026年6月のホットパッチがキャンセルされてしまったので、まっさらな環境からステップバイステップでホットパッチを有効化し、動作を確認できる環境が作れません。
続きはホットパッチのスケジュールが元に戻る8月以降に執筆する予定ですので、次回まで少々お待ちください。
書いた人:後藤 諭史(Satoshi GOTO)
ソリューションアーキテクト部所属。
専門はWindows Server Hyper-VやAzure LocalといったMicrosoft仮想化技術。Microsoft SDN(Hyper-V Network Virtualization)などのWindows Server ネットワーク技術も。
Microsoft オンプレ技術以外にも、エンタープライズネットワークとかMicrosoft Azureとか、運用とか。
ネットワークやハードウェアといった物理層に近いところが大好きな、昔ながらのインフラ屋さん。得意技はケーブル整線。
Microsoft MVP for Cloud and Datacenter Management(2012-2026)
Microsoft MVP for Microsoft Azure(2024-2026)
執筆記事一覧:https://blogs.networld.co.jp/archive/author/goto-satoshi-nw