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ミントウェーブのシンクライアントが快調すぎたので動画つきでレビューしてみるぞ (Teamsについても追記)

こんにちは、ネットワールドの海野です。

EUC/VDI まわりの相談をいただくと、「結局シンクライアントってどうなの?動画やオンライン会議は本当にストレスなく使えるの?」という話に行き着くことが多いです。スペック表や仕様だけ並べても伝わりにくいところなので、今回は実機を借りて触ってみた様子を動画つきでご紹介します。

試したのはミントウェーブ製のシンクライアントです。接続先には Omnissa Horizon (旧 VMware Horizon) を使い、Windows 11 の仮想デスクトップへサインインして使い心地を確認しました。結論を先に書いてしまうと想像していたよりもずっと快調でした。

ミントウェーブ社製のシンクライアント

検証した環境

今回の構成は以下のとおりです。

  • 端末: ミントウェーブ MiNT-ACC Note G83M (dynabook Portégé X30L-K ベース)
  • CPU: 第 12 世代 Intel Core i3-1215U
  • メモリ: 約 8 GB
  • クライアント OS: Basilware64 (version 4)
  • 接続先: Omnissa Horizon 経由の Windows 11 VDI
  • VDI 側の GPU: NVIDIA vGPU 搭載構成と非搭載構成の 2 パターン

端末そのものは dynabook のモバイルノートがベースになっていて、その上で Basilware64 というシンクライアント専用 OS が動いています。Basilware64 は RDP、Citrix (ICA)、Omnissa、Accops、Firefox といった接続方式に対応していて、起動すると「接続マネージャ」が立ち上がり、登録された接続先を選んでつなぐ流れになります。

VDI 側は Windows 11 で、NVIDIA vGPU を割り当てた構成と割り当てていない構成を用意しました。同じ端末・同じネットワークから両方につなぎ、描画まわりの体感差も確認しています。

動画1: 電源 ON から Windows サインインまで

まずは電源を入れてから Windows にサインインするところまでの流れです。

電源を入れると Basilware64 の接続マネージャが立ち上がり、Omnissa の接続エントリを選ぶと Horizon 経由で Windows 11 のデスクトップへサインインできます。シンクライアントというと「起動や接続にもたつくのでは」というイメージを持たれることがありますが、起動からサインイン完了までよどみなく進みました。

▼動画1: シンクライアントの電源 ON 〜 Omnissa Horizon 経由で Windows へサインイン youtu.be

動画2: YouTube 動画もなめらかに再生できる

次に、シンクライアント上の Windows で YouTube を再生してみました。動画再生はシンクライアントが苦手としやすいところなので、ここがどうなるかは気になっていた部分です。

結果は動画のとおりで、コマ落ちや音ズレを感じさせない再生ができました。リモート越しの仮想デスクトップであることを忘れるくらいなめらかで、ブラウザのスクロールやタブの切り替えも素直に追従してくれます。

▼動画2: シンクライアント上の Windows で YouTube をなめらかに再生 youtu.be

シンクライアント上の Windows で YouTube をなめらかに再生しているところ

Teams の接続もネットワールドの検証環境で確認済み

YouTube の再生だけでなく、Microsoft Teams を利用したオンラインミーティングも確認しています。

Teams についても、確認自体はネットワールドの検証環境で実施しています。MiNT-ACC Note G83M から Omnissa Horizon 経由で Windows 11 VDI に接続し、Teams の会議画面を起動して、オンラインミーティング用途での使い心地を確認しました。

このときは隣に通常の FAT PC も用意し、動画視聴や Teams 利用時の体感差を比べています。少なくとも今回の確認範囲では、Teams の画面遷移や会議画面の表示で大きな引っかかりは感じず、VDI 越しであることを強く意識せずに使える印象でした。

もちろん Teams の快適さは、VDI 側の CPU/GPU、Horizon Client/Agent、Teams クライアント、ネットワーク、メディア最適化の状態によって変わります。そのため本番展開では、自社でよく使う会議パターン (少人数会議、多人数会議、画面共有、背景ぼかし、外付けヘッドセットなど) をあらかじめ確認しておくのが無難です。

なお、このあたりの評価内容や検証時の様子については、ミントウェーブ様側でもコラムが公開されました。メーカー側の視点で、今回のネットワールド検証環境での確認内容を補足していただいているので、あわせて読むと分かりやすいはずです。

▼ミントウェーブ様コラム

Omnissa Horizon+NVIDIA vGPU環境で検証:モバイルシンクライアント MiNT-ACC Note G83M は Teams もストレスフリー!

dynabook ベースだからこその安心感

シンクライアントの評価というと OS や接続性に目がいきがちですが、今回あらためて感じたのは「端末そのものの完成度の高さ」でした。

ベースが dynabook のモバイルノートなので、筐体の質感やキーボードの打鍵感、ヒンジの安定感まで、ふだん業務で使うノート PC と同じ感覚で扱えます。シンクライアント専用に作られた割り切った端末だと、キーボードや画面で「あと一歩」と感じることがありますが、その手の不満がありません。

シンクライアントは長く使い続けるものですし、利用者の手元に毎日触れるデバイスです。そのため、端末としての基本的な品質が確保されていることは、地味ですが効いてくるポイントだと思っています。

vGPU 有無で描画の体感はどう変わるか

ここからは、今回もうひとつ確認した NVIDIA vGPU の話です。VDI 側に vGPU を割り当てた構成と、割り当てていない構成を用意し、同じ端末から同じ操作をして体感差を確かめました。

結論から書くと、ふだんのオフィス操作 (ブラウジング、Office の閲覧や軽い編集、PDF の確認など) であれば、vGPU の有無で「明確に差を感じる」場面は目立たないかもしれません。CPU 内蔵の描画でも軽めの事務作業の範囲なら十分に追従してくれます。

差がはっきり出やすいのは、やはり描画負荷の高い場面です。

  • 1080p クラスの動画再生 (ハードウェアデコードが効くかどうか)
  • ブラウザ上の重め描画 (WebGL や 3D 地図、アニメーション)
  • PowerPoint のアニメーション付きスライドショー
  • Teams 会議の背景ぼかしやギャラリービュー

こうした GPU 支援が効きやすい処理では、vGPU を割り当てた構成のほうがなめらかで、安定して描画が追従する印象でした。逆に言えば、利用者の業務内容によっては「全員に vGPU が必要なわけではない」という見極めもできそうです。動画編集や CAD のような明確な描画負荷がある人だけ vGPU 構成にする、といった割り当ての設計が現実的だと考えています。

vGPU が効いた構成での描画のなめらかさは、言葉を尽くすよりも動画2を観ていただくのが早いです。リモートデスクトップ越しの仮想デスクトップであることを忘れる、ローカル PC とそん色のない動き。…実機と変わらないこと、おわかりいただけただろうか。

実は vGPU 環境の場合は GPU による効果ばかり語られがち・考えがちですが、実際にはエンドポイント側のパワーも重要です。GPU によってエンコードされたVDI の画面ストリーミングをエンドポイント側でデコードする必要があるからです。その点についてミントウェーブ社製のシンクライアントで評価したところ、非常に素晴らしい結果が得られました。

vGPU 有無による動画再生のなめらかさの違い(左: vGPU ありで滑らか、右: vGPU なしでカクつき)

▲描画負荷が高い処理ほど、vGPU の有無による体感差が出やすくなります。

つまづきポイント: 管理者モードと初期パスワード

ここまで快調だった一方で、最初に少しだけ手が止まったポイントがあります。設定を変更しようとしたときの「管理者モードへの入り方」と「初期パスワード」です。

Basilware64 の接続マネージャは、通常は利用者向けの「ユーザモード」で動いています。接続先の登録や端末設定の変更をするには「管理者モード」へ移行する必要があるのですが、移行のしかたが画面上のボタンではなくキー操作になっています。

具体的には、接続マネージャがアクティブな状態で F2 キーを押すと、管理者パスワードの確認ダイアログが表示されます。そして デフォルトの管理者パスワードは、Basilware64 のユーザーズマニュアル「4. 動作モード変更」の項に明記されています。ここでは具体的な文字列はあえて伏せますので、お手元のマニュアルで確認してください。機種やファームウェアのバージョンによって変わる可能性もあるので、一次情報をあたるのが結局いちばん確実です。

私も最初は「どこから設定に入るんだ?」と少し探してしまったのですが、マニュアルを読めば一発で解決する話でした。シンクライアントに限らずですが、こうした初期パスワードや管理モードの入り方は、まずマニュアルを確認するのが近道です。

運用面で一点だけ補足しておくと、出荷時のデフォルトパスワードはそのまま使い続けず、必ず変更しておくことをおすすめします。マニュアルにもセキュリティ向上のために変更するよう明記されています (変更手順は「6章 管理者パスワード設定」を参照)。変更後のパスワードは紛失しないよう管理してください (忘れた場合は管理ツール側からリセットできるとのことです)。

まとめ

今回ミントウェーブのシンクライアントを Omnissa Horizon 経由で試してみて、確認できたことをまとめます。

  • 電源 ON からサインイン、日常操作まで一貫してなめらかで快調だった
  • YouTube などの動画再生もコマ落ちを感じさせず、リモートであることを忘れる体感だった
  • dynabook ベースなので、端末そのものの品質・操作感が高く安心して使える
  • vGPU は描画負荷の高い処理で効いてくる。業務内容に応じた割り当て設計ができそう
  • 管理者モードへは F2 キー。初期パスワードはマニュアル「4. 動作モード変更」に記載があるので、最初に確認しておくとつまずかない

シンクライアントは「割り切って使うもの」という印象が以前はありましたが、端末品質と接続体験の両方がここまで来ていると、利用シーンはずいぶん広がりそうだと感じました。

あとがき

正直なところ、シンクライアントで YouTube を再生して「あ、ふつうに観られるな」と拍子抜けしたのが今回いちばんの驚きでした。シンクライアントでの動画は紙芝居になりがち、という昔のイメージが頭に残っていたのだと思います。

そして締めが「初期パスワードはマニュアルに書いてあります」というのも、我ながらいつものオチだなと思いつつ。新しい機材を触るときほど、まずマニュアルを開く。これに尽きますよね~。

訂正のお詫び

初出時、以下の誤りがございました。訂正してお詫び申し上げます。

誤:MINT-ACC. Note G83L → 正:MiNT-ACC Note G83M