皆さん、こんにちは。ネットワールド バックアップ担当SEの市川です。
前回、Veeam Backup & Replication (以下、VBR)のv13のWindows OSにインストールする手順をご紹介しました。今回はVeeam Software Appliance(以下、VSA)のインストールについて、下記の流れでご紹介します。
1.VSAとは
VSAは、Rocky LinuxベースのVeeam JeOS(Just Enough Operating System)で稼働するVBRのバックアップサーバーです。今まではWindows上でしかバックアップサーバーが構築できませんでしたが、JeOSでバックアップサーバーを構築できるようになりました
JeOSは必要最小限の機能だけを持つ軽量OSであり、VeeamのVSAではJeOSとVeeamが一体化してインストールされるため、OS管理を意識せずに安全かつ簡単に利用できます。
VSAにはISOからインストールする方法とOVAからインストールする方法の2種類インストール方法がありますが、今回はISOからインストールする手順をご紹介します。
Windows版ではWindows OSをインストールしたマシンにVBRをインストールしていましたが、VSA版ではOSの入っていない空の仮想マシンにISOをマウントし、インストールします。Linux OSをインストールしてから、Veeamをインストールするのではない点が違いとなります。
2.VSAのシステム要件
VSAをインストールするマシンには下記のリソースが必要です。
CPU:8コア(vCPU)以上の x86-64プロセッサ
メモリ:16GB RAM
ディスク1:240GB以上
(Veeam JeOS 、VBRソフトウェア、構成DB、インスタントリカバリキャッシュにて使用)
ディスク2:240GB以上
(ゲストファイルシステムのカタログ、バックアップにて使用)
ISO版は物理サーバーへの導入も可能ですが、2026年6月24日現在、Veeam独自のJeOSを正式にサポートしているハードウェアベンダーは存在していません。また、Veeam社のSystem Requirementsには「RHEL 9.2と互換性のあるシステムは、VSAとも互換性があると想定される」との記載があります。したがって、互換性を十分に考慮したうえで、対応機種を慎重に選定する必要があります。
※システム要件は下記に記載がありますので、都度最新の情報をご確認ください。
https://helpcenter.veeam.com/docs/vbr/userguide/system_requirements_backup_server.html?ver=13
3.インストール手順
ISOイメージをマウントして起動します。
Veeam Backup & Replication を選択して、「Enter」をクリックします
※Build:13.0.1.2067 を使用しております。

[Install – fresh install, wipes everything (including local backups) ]を選択して、[Enter]をクリックします。

現在保存されているデータが削除される旨の警告画面が出てくるので、[Yes]をクリックします。

インストールが進みます。

インストールが完了すると自動的に再起動がかかり、初期セットアップウィザードが表示されます。Licenseにて、[Accept]をクリックしてライセンス規約に同意します。

Hostnameにて、VSAのホスト名を入力して[Next]をクリックします。

Networkにて、VSAのネットワーク設定をします。
※今回は[Static]を選択して固定のIPアドレスを指定します。

ネットワーク設定を実施して、[Apply]をクリックします。
※今回はIP4 address、IP4 mask、Gateway、DNS list(複数DNSの場合は,(カンマ)区切り)を入力しております。

[Next]をクリックします。

Timeで、タイムゾーン及び、NTPサーバーの設定をします。
※デフォルトでは、タイムゾーンは、「Etc/UTC」、NTPサーバー は「time.nist.gov」が設定されています。
[Change]をクリックして、タイムゾーンを設定します。

タイムゾーンを選択して、[Select]をクリックします。
※「Asia/Tokyo」で設定しております。

[Edit]をクリックして、NTPサーバーの設定をします。

NTPサーバーを設定します。

[Next]をクリックします。
※[Sync]をクリックすると、NTPサーバーとの時刻同期を確認可能です。

管理者権限を持つveeamadminユーザーのパスワードを設定して、[Next]をクリックします。
パスワードは下記の要件を満たす必要があります。
・最低15文字
・大文字1文字
・小文字1文字
・1桁の数字。
・特殊文字1つ。
・同じ種類の文字が連続して4文字以上続かない

[Show QR-code]を押下するか、コードを入力して二要素認証の登録を実施し、ワンタイムパスワードを入力して[OK]をクリックします。
※二要素認証の登録は必須となります。二要素認証をせずに先に進むことはできません。

セキュリティユーザーのveeamsoユーザーの初回ログイン用のパスワードを設定します。
これは初回ログイン用のパスワードで、初回ログイン時に変更する必要があります。
veeamsoユーザーのパスワードもveeamadminと同じように下記の要件を満たす必要があります。
・最低15文字
・大文字1文字
・小文字1文字
・1桁の数字。
・特殊文字1つ。
・同じ種類の文字が連続して4文字以上続かない

設定内容を確認して、[Finish]をクリックします。

初期セットアップが完了して、Veeam Host Management 画面が表示されると、インストール完了です。

4.インストール後のコンソールログイン
「https://VSAのホスト名または、IPアドレス:443」 にWebブラウザでアクセスすると、VBRのweb UIにログインできます。

ログイン後のコンソールは下記のようなイメージです。
日本語表示させることもできますが、WindowsベースのVBR Consoleのようにフル機能を使用できるものではありません。こちらの違いについてはまた別の回でご紹介したいと思います。
※VSAとは別にWindowsにVBR Consoleをインストールして使用することで、VSAでVBR Consoleを使用することも可能です。また、Windows版のVBRでWeb UIを使用することも可能です。

「https://VSAのホスト名または、IPアドレス:10443 」にWebブラウザでアクセスすると、Host Management Consoleにアクセスできます。veeamsoユーザーで初回ログインする際にパスワード変更が要求されます。

新しいパスワードを設定して、[Next]をクリックします。
※初期セットアップ時に使用したパスワードは使いまわせません。

MFAでQRコードをスキャンまたは、キーを入力して二要素認証を設定します。
設定した後にワンタイムパスワードを入力して、[Next]をクリックします。

Recovery Tokenをコピーしておき、保管しておきます。
※パスワードを忘れた場合や、3回ログインに失敗してログインがロックされた場合にRecovery Tokenを使用して、アクセスを復元できます。

Configuration Backupのパスワードとヒントを設定して、[Finish]をクリックします。

以上で、インストール後の「veeamso」ユーザーの初期セットアップウィザードは終了です。
5.まとめ
2回に渡り、Windows版のVBRインストール版とVSA版のインストールを比較してきましたが、特に下記の3点が大きな違いかと思います。
・Windows インストール版はOSインストール後にVBRをインストールしますが、VSAは空のVMに対して、インストールを行います。
・インストール後のログインユーザーはWindows版はWindowsのAdministratorsグループのユーザーでログインできますが、VSAの場合は、「veeamadmin」、「veeamso」の2つのユーザーがデフォルトユーザーとして用意されます。
・Windows版は二要素認証は後から必要に応じて設定しますが、VSA版の「veeamadmin」、「veeamso」のユーザーでは二要素認証が必須で、パスワード要件も厳しくなっています。
※パスワードの有効期限は60日間になっています。
現時点ではVeeam Readyで認定されているHWベンダーがなく、仮想で使用するのが現実的なため、Windows版に比べるとまだまだこれからという印象ですが、今後に期待したいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
是非、次回以降もご覧いただけますと幸いです。