
こんにちは。ネットワールドの大谷です。
ネットワールドにてセキュリティ商材のSEを担当しております。 現在、主に「OPSWAT」を担当しており、導入支援やお客様からのQ&A対応、ハンズオン形式の勉強会などを実施してます。
皆様は「セキュリティサービスの導入」と聞いて、どのようなイメージをお持ちでしょうか。 日本では、セキュリティは"お守り"という位置づけとされ、充分な投資が行われていないケースも見受けられます。一方で海外ではセキュリティ対策に対して積極的に投資する傾向があります。
例えば欧米では、ランサムウェア被害の増加を背景に、ゼロトラストセキュリティや多層防御への投資が進んでいます。
特にファイルを起点とした感染対策の重要性が高まっております。 このような背景から、ファイルベースの脅威対策として注目されているのがOPSWATです。
OPSWATの概要については、木下が展開している以下ブログをご覧ください。 blogs.networld.co.jp
本稿では2026年6月に日本リリースされたPredictive Alin AIとMetaDefender Aetherについての検証結果を掲載します!
※以降Predictive Alin AIを「Alin」、MetaDefender AetherをAetherと表記します。
OP/X Tokyo 2026でのAlinとAetherの発表について
2026年6月17日、東京にてOPSWAT主催のイベント「OP/X Tokyo 2026」が開催されました。 本イベントでは、Alin、およびAetherの発表も行われており、それぞれの機能について簡単に解説します。
AlinはOPSWATのメインプラットフォームであるMetaDefender Coreのオプションモジュールとなり、 最大30種類以上のウイルス対策エンジンを使った「MetaScan」の一部として動作します。
近年サイバー攻撃者がAI技術をマルウェア開発に利用するケースが増加しており、その進化速度も非常に早くなっています。 OPSWAT創業者兼CEOのBenny Czarny氏も本イベントのセッションにおいて、この点を強調していました。
このような背景から、従来のシグネチャベースのアンチウイルスのみでは、検知スピードが追い付けないケースが増えています。 そこで、AIを活用した予測型の検知エンジンを導入することで、検知のスピードと精度の向上を図ることが目的とされます。
以下の画像はOPSWAT社の検証結果を示したものです。
一番上の結果がAlinによる検知です。初日の時点で未知のマルウェアを検知していることが確認できます。また、時間の経過とともに既存のエンジンでも検知が広がっている点も確認できます。
従来のシグネチャベース検知に対して、AIによる先行検知の有効性が示唆される結果となっています。

Aetherは、従来のAdaptive Sandboxによる動的解析結果に加え、LLMが脅威インテリジェンスの情報を組み合わせて解析を行います。
ファイルの振る舞いだけでなく、脅威レピュテーションや脅威ハンティングの結果も含めて総合的に評価し、より高度なレポートを生成します。
- 脅威レピュテーション:クラウド上の脅威情報と照合・評価
- 動的解析:サンドボックス環境で挙動を解析
- 脅威スコアリング:脅威の深刻度をスコアリング
- 脅威ハンティング:機械学習による高度な脅威ハンティング

多層的な解析により、以下画像のように非常に高い精度でリスクを検出することが可能です。

検証構成
AetherはMetaDefender Coreに組み込まれている「Embedded型」と別建てのLinuxサーバに導入しMetaDefender Coreと連携する「独立運用型」の2パターンを提供しております。 それぞれの特徴は以下の通りです。
- Embedded型:導入は簡単だがレポート機能が簡易である
- 独立運用型:導入はEmbedded型より難易度は高いが、レポート機能は詳細である
今回は独立運用型のAetherを導入し検証いたしました。
構成は以下のようになっております。
また、AlinとAetherの関係性についても図に表しております。
※下記図表の「MDCore」はMetaDefender Coreの略称となります。

本記事では、環境構築から検証まで実施しておりますので、 まず、検証環境の構築から説明いたします。
Alinの設定
AlinはMetaDefender Coreのモジュールの一つとなります。 MetaDefender Coreのインストール要件については以下を参照ください。
※Alinを利用するにはライセンスが必要なため、事前にライセンス購入をお願いいたします。
Recommended System Configuration
MetaDefender Coreの[Inventory] - [Module] - [Metascan]を選択します。

Metascanの設定画面にて「OPSWAT Predictive Alin AI」があることを確認し、ONにするとAlinが使える状態となります。

これでAlinの設定は完了です。
Aetherのインストール
まずはAetherのインストール要件を見ていきます。 AetherはLinuxで動作します。
なお、下記CPU・メモリは最小要件となりますため、運用する環境に合わせてスペックを拡張していくことをお勧めいたします。

ちなみに、EC2ですと以下の通りです。

また、HTTPS通信となりますので443のポートも開放してください。

■MetaDefender Coreとの連携
Aetherのインストールが終わりましたら、MetaDefender Coreと連携をする必要があります。
MetaDefender Coreと連携するには、AetherでAPIキーを発行し、MetaDefender Coreにて設定を実施します。
AetherのDashboard画面からアカウントマークをクリック[私の設定]を選択し、API Keyタブをクリックします。

APIキーの設定画面にて、[APIキーを作成]をクリックします。 ※セキュリティの観点上APIキーは完全に表示されません。コピーボタンを押下して大切に保管してください。

MetaDefender Coreにログインし、[Inventory] - [Modules]をクリックし、Adaptive Sandboxを選択します。

Adaptive Sandboxの設定画面にて、AetherのURLと発行したAPIキーを入力して[Save changes]をクリックします。


動作確認
MetaDefender製品はすべてMetaDefender Coreを経由し、MetaDefender Coreのワークフロー設定に基づいて処理が実施されます。
Aetherを利用するためには、MetaDefender Coreのワークフロー設定でAdaptive Sandboxを有効化する必要があります。

■MetaDefender Coreでスキャンを実施
では動作確認をやっていきます!
MetaDefender Coreの画面の上方にスキャン欄が表示されているので任意のファイルを選択します。
※ファイルのエクスプローラーからの選択でも、ドラッグ&ドロップでもOKです

この時、下記赤枠にてAdaptive Sandboxを有効化したワークフローを選択してください。 [Process]を押下してください。

スキャンを実施すると、しばらくすると結果が表示されます。

■Alinの結果確認
画面中央に「OPSWAT Predictive Alin AI」と記載されており、以下のように結果が表示されております。
「Your file has been analyzed by our AI engine, and no threats were found.(あなたのファイルは当社のAIエンジンによって分析されましたが、脅威は検出されませんでした)」
Alinの結果の横にある矢印をクリックすると以下のようにMetascanの画面が表示されます。 MetaScanの結果で、Alinは442ms(0.0442秒)で処理を完了していることがわかります。

■Aetherの結果確認
続いてAetherの結果確認を見ていきます。 スキャン結果の下段に「Adaptive Sandbox」と表示されているパネルをクリックします。

以下のようにSandbox(Aether)の解析結果の詳細が表示されます。 赤枠の「Adaptive Sandbox Full Report」をクリックするとAetherの詳細な解析結果を閲覧することができます。

Aetherの解析結果ページにはOPSWAT社が掲げているZeroDay検知等の解析結果が表示されます。

本稿では、AlinおよびAetherの概要から連携設定、動作確認までを紹介しました。
次回は実際の脅威ファイルの解析結果について紹介したいと思います。
本記事が導入や検証を行う際の参考になれば幸いです。