
※本記事は投稿時点の情報に基づいています。今後の変更やアップデートにより、 内容が最新の状況と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
皆様こんにちは。
ネットワールド ストレージ担当 押田です。
今回は、PowerScale InsightIQ6.3.0の新機能「AI Assistant」について紹介します。
AI AssistantはInsightIQやPowerScale関連ドキュメント、リリースノート、KB記事などを参照しながら質問に回答するチャット機能です。
PowerScaleを使っていると、「このエラーの意味は?」「この設定はどうするの?」「ドキュメントのどこを見ればいい?」と悩むことがあります。
そんな時に管理ガイドやKBを検索する代わりに回答してくれるのが、InsightIQ 6.3.0で追加されたAI Assistantです。
そこで今回は、「AI Assistantは実際の運用で使えるのか?」をテーマに検証してみました。
そもそもPowerScaleってなんだ…?という方はこちらのブログもぜひご一読ください!
https://blogs.networld.co.jp/entry/2026/01/14/091500
InsightIQとは?
InsightIQは、PowerScale専用のパフォーマンス監視・分析ソフトウェアです。
個々のノードや、それらを束ねたクラスターからデータを集め、グラフや表で分かりやすく表示してくれます。

PowerScaleとは別に構築する管理サーバーであり、VMware環境やLinuxサーバー上にデプロイして利用します。
複数のPowerScaleクラスターを一元的に監視・分析できることが大きな特徴です。
構成は、VMware環境へOVA形式で導入する「Simple」と、RHEL、SLES、UbuntuなどのLinux環境へ導入する「Scale」の2種類があります。
Scale構成では最大20クラスター(504ノード)まで管理することができます。
今回検証したInsightIQ 6.3.0 Simpleでは、8vCPU、16GBメモリが必要です。
AI Assistantとは?
AI Assistantは、InsightIQ 6.3.0で追加された新機能です。
InsightIQの画面上から直接利用できるチャット形式のアシスタントで、PowerScaleやInsightIQに関する質問へ回答してくれます。
設定方法や機能説明、アラートの意味、トラブルシューティングなどをチャット形式で確認できるため、管理ガイドやKB記事を探す手間を減らすことができます。
非常に便利なAI Assistantですが、以下の注意点があります。
- 対応言語は英語のみ
- 1回のチャットセッションは49メッセージまで
- 1つのプロンプトにつき1つの質問をすることを推奨
- チャット履歴は保持されない
AI Assistantを有効化してみよう
それではAI Assistantを有効化しましょう。
AI Assistantを利用するためには、追加のCPU・メモリリソースと専用パッケージのインストールが必要です。
実際に導入する際は、十分なCPU・メモリ・ストレージ容量が確保されていることを事前に確認しましょう。
今回の検証環境は以下の通りです。
・PowerScale OneFS 9.13.0.0
・InsightIQ 6.3.0 Simple
① AI Assistant用のリソースを追加
Dell Download Centerから AI Assistant用パッケージ(iiq-ai.tar.gz)をダウンロードします。
また、追加リソースとして8vCPUと12GBのメモリが必要となり、合計16vCPUと28GBのメモリが必要となります。
InsightIQを停止し、仮想マシンのCPUとメモリを増設します。増設が済んだら、InsightIQを起動します。
② AI Assistantパッケージをインストール
Dell Download Centerから取得した iiq-ai.tar.gz をInsightIQサーバーへ配置します。
SSHでログインし、run-ai-assistant-prereqsコマンドを実行します。
コマンド実行後、パッケージの保存場所を指定するとインストールが開始されます。
約15分でインストールが完了し、「AI Assistant Prerequisites Installation Process Completed」と表示されました。

③ AI Assistantを有効化
インストール完了後、InsightIQへログインし、右上の「?」メニューを開きます。
AI Assistantの有効化トグルが表示されるのでオンにします。

確認画面をよく読み、「Enable AI Assistant」をクリックして機能を有効化します。

有効化すると画面上部にAI Assistantが追加され、チャットを利用できるようになりました!

AI Assistantにいろいろ聞いてみた
今回は以下の観点でAI Assistantを検証してみました。
①PowerScaleの用語説明
②ドキュメント内容の確認
③設定手順の確認
④トラブルシューティング
①PowerScaleの用語は説明できる?
まずはPowerScaleの用語である「SmartConnect」について、「What is SmartConnect?」と質問をしてみました。

SmartConnectの概要だけでなく、関連ドキュメントへのリンクも提示してくれました。クリックするとDell公式ドキュメントのサイトに遷移しました。
PowerScaleに触れ始めたばかりの方であれば、まずAI Assistantに聞いて概要を理解し、その後ドキュメントで深掘りする使い方ができそうです。
②ドキュメント代わりに使える?
公式ドキュメントに書かれている情報を正しく回答できるか、InsightIQで監視できる上限について「What are InsightIQ monitoring limit?」と質問してみました。

ドキュメントどおり、
・InsightIQ Simple:10クラスター、252ノード
・InsightIQ Scale:20クラスター、504ノード
という回答を得られました。
実際のドキュメント記載内容とも一致しており、簡単な仕様確認用途であれば十分実用的だと感じました。
③設定手順は教えてくれる?
SMTPの設定手順も確認できるか、「How do I configure SMTP in InsightIQ?」と質問してみました。

SMTP設定について質問したところ、設定画面の場所から設定項目まで案内してくれました。
GUIの遷移パスも回答してくれたため、管理ガイドを探さなくても設定箇所をすぐ確認できます。
実際に管理ガイドと比較しても回答内容に大きな相違はなく、設定箇所の確認用途として十分利用できると感じました。
設定ガイドを開いて検索する手間が減りそうです。
④障害の切り分けにも使える?
トラブルシューティング用途でも使えるか、PowerScaleのクラスターが追加できない事象について「Why can't I add my PowerScale cluster to InsightIQ?」と質問しました。

回答では、insightiqユーザーの設定状況やパスワードの有効期限切れ、DNS設定やポート設定、アカウント権限不足など確認すべきポイントを案内してくれました。
もちろんAIだけで問題解決できるわけではありませんが、実際のサポート対応でも確認することの多いDNS設定や権限設定、パスワード期限などの確認項目が提示されており、一次切り分け支援ツールとしては十分活用できそうです。
まとめ
InsightIQ 6.3.0のAI Assistantは、設定方法の確認やアラート調査、PowerScaleの基本知識確認を効率化できる便利な機能でした。
公式ドキュメントを確認する必要はあるものの、「どこから調べればよいかわからない」を解消する第一歩としては非常に有用だと感じました。
特にPowerScaleを使い始めたばかりの方や、日常的にInfoHubやKB記事を検索している方にとっては、便利なサポートツールになりそうです。
一方で、今回利用していて改善してほしい点もありました。
現在のAI Assistantは英語のみ対応となっており、日本語で質問することができません。
英語が得意でないユーザーにとっては利用のハードルになるため、今後は日本語対応にも期待したいところです。
また、チャット履歴が保持されないため、継続的な調査を行う際には少し不便に感じました。
今後さらに対応言語や会話機能が強化されれば、より使いやすいサポートツールになると感じています。
みなさんもぜひAI Assistantで快適なPowerScaleライフを!
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