こんにちは、ネットワールドの海野です。
IBM の AI 開発環境 IBM Bob 2.0 を、まっさらな Windows 11 に入れてみます。投稿日時点の最新は v2.0.1 (2.0.0 が 2026-06-24、2.0.1 が 2026-07)。画面を全部載せるので、同じ順に押していけばインストールが成功するはずです。
IBM Bob は VS Code をベースにしたスタンドアロン IDE AI エージェントで、中核のモデルは Anthropic の Claude です。モデルはタスクに応じて自動で振り分けられ、利用者がモデルを指定をすることなく最適なものが選定されます。
入れる前に
公式ドキュメントのシステム要件はこれだけです。
- OS: macOS / Linux / Windows
- メモリ: 最小 4 GB (8 GB 推奨)
- ディスク: 500 MB 以上の空き
- インターネット接続
ただし実機で出てくる数字は違います (後述)。
あと3点。
- Windows 版はユーザー単位インストール。実際に使うユーザーでインストーラを実行しないと、他のユーザーからは見えません
- サインインに IBMid が必要。持っていなければサインイン画面から作れます
- 無料トライアルは30日 / 40 Bobcoins。Bobcoin は IBM 独自の消費量の単位です。
1. ダウンロード
「ibm bob ダウンロード」で検索。今回はクリーンな状態を保つため Chrome のシークレットウィンドウを使いました。
bob.ibm.com/download はアクセス元の OS を判定して、ボタンが1つだけ出ます。下にトライアルの条件も書かれています。
他の OS 向け (macOS の ARM / Intel、Linux の .deb / RPM) や過去バージョンは リリース一覧 から。Windows 向けはそこで「Windows x64 (User)」と表記されています。
落ちてきたファイルは IBM-BobUserSetup-x64-1.121.0+bob2.0.1.exe、194 MB。左の 1.121.0 が VS Code エンジン、右の bob2.0.1 が Bob のバージョンです。
2. インストーラを実行する
日本語表示のシンプルなウィザードです。既定のまま進めて問題ありません。
使用許諾
「同意する(A)」→「次へ(N)」。タイトルバーが「IBM Bob (User) セットアップ」になっています。
ここに製品番号
IBM Bob IDE V2.0 (5900-BVU)と、適用契約International License Agreement for Non-Warranted Programs (i125-5589-06)が出ます。調達や稟議で製品を特定するときに参照できる値です。
インストール先
既定は C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Programs\IBM Bob。
下部の表示は「最低 1.05 GB のディスク空き領域を必要とします」。公式ドキュメントの 500 MB とずれています。容量はこちらで見積もるほうが安全です。
AppData\Localは移動プロファイルの対象外です。VDI や共有端末では、この置き場所を持ち回せるか先に確認しておくのが無難です。
スタートメニューフォルダー
既定は IBM Bob。
追加タスク
既定でチェックが入るのは「エディターとして登録」と「PATH への追加 (再起動後に使用可能)」の2つ。デスクトップアイコンとコンテキストメニューは既定オフです。
エディター登録は既定 ON なので注意。VS Code を主エディタとして併用するなら外すほうが無難です。実際にレジストリを確認したところ、
HKEY_CURRENT_USER\Software\ClassesにIBM Bob.<拡張子>が 140 個超作られ、.md.json.py.ps1.ts.yamlあたりはほぼ網羅されていました。
確認と展開
サマリを確認して「インストール(I)」。
194 MB が 1 GB 強に展開されるので少し待ちます。
展開先のパスに
resources\app\extensions\bob-code\とtree-sitter-*.wasmが並びます。Bob 本体がbob-codeという拡張として同梱され、構文解析に tree-sitter を使っている構成が見えます。
「IBM Bob を実行する」にチェックが入った状態で「完了(F)」。
3. 初回起動と日本語化
設定のインポート
インポート元が3つ提示されます。まっさらで始めるなら「Skip for now」。
VS Code だけでなく Cursor と Windsurf からの移行が用意されています。 他社の AI エディタからの乗り換えを正面から狙った作りです。
画面構成
Bob の操作は右パネルに集約され、エディタ部分は VS Code のままです。ステータスバー右端の「Bob Settings」が後でバージョンを確認する入口になります。
日本語化 (オプション)
拡張機能パネルで japanese を検索。MS-CEINTL の「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」(ms-ceintl.vscode-language-pack-ja) を「Install」。
発行元の確認が出るので「Trust Publisher & Install」。
ここの文面について補足しておきます。
MS-CEINTL is not verified.— Microsoft 公式の言語パックでも「検証済み」の扱いになりません。加えて「IBM Bob はサードパーティ拡張機能の挙動 (個人データの扱いを含む) を制御しない」という注意が併記されます。拡張機能の利用ポリシーを敷いている組織では、どの発行元をどう扱うか先に決めておく必要があります。
インストール後、右下のプロンプトから「Change Language and Restart」。再起動で日本語になります。
投稿日時点の言語パックは 1.131.0。Bob のエンジンは 1.121.0 なので言語パック側が先を行っています。実用上は問題ありませんでしたが、一部に未翻訳が残るかもしれません。
4. IBMid でサインイン
承認ダイアログが5回ほど続きます。 順番を押さえておくと迷いません。
右パネルの「Bobにログイン」→「拡張機能 'IBM Bob' が Bob を使用してサインインしようとしています。」→「許可(A)」。契約がなければ「無料トライアルに登録」から。
「IBM Bob で外部の Web サイトを開きますか?」→「開く(O)」。
ブラウザで bob.ibm.com/login が開きます。「SSO / IBMid」欄にメールアドレスを入れて「続ける」。
1.0 系は login.ibm.com へ直接飛んでいましたが、2.0.1 で bob.ibm.com 経由の統合ログインになったようです。URL を確認すると
callback_uri=http://127.0.0.1:52588/bob-callbackと、ローカルホストの待ち受けポートをコールバック先に指定する形です。プロキシやローカルファイアウォールが厳しい環境では引っかかりどころになりそうなので、念のためご注意ください。
続いて login.ibm.com でパスワードを入力。IBMid がなければ上部の「IBMid の作成」から。
認証が通るとブラウザが 127.0.0.1 のコールバックに戻り、「IBM Bob を開きますか?」→「IBM Bob を開く」。
最後に Bob 側で「'IBM Bob' 拡張機能がこの URI を開くことを許可しますか?」→「開く」で完了です。
右パネルに「ユーザーはAI生成コンテンツの正確性を個別に検証する必要があります。」が常設されます。検証責任は利用者側、という立場です。
5. バージョンを確かめる
ステータスバー右端の「Bob設定」→「一般」タブ。左メニューの下に バージョン: 2.0.1。
左メニューの MCP / モード / スキル は 2.0 で増えたタブです。この記事のスクリーンショットは弊社の契約アカウントで撮ったもので、アカウント・チーム名・予算はマスクしています。トライアルで始めた場合、プランや予算の表示は違って見えます。
6. 作業フォルダを開く
「フォルダーを開く」から作業用フォルダー (ここでは例として C:\Bob-Workspace) を指定します。
初回は信頼を聞かれます。自分で用意したフォルダーなら「はい、作成者を信頼します」。
文面は「IBM Bob は、このフォルダー内のファイルを自動的に実行する可能性のある機能を提供します」。エージェント製品なので実際に意味を持ちます。中身の分からないリポジトリは「いいえ」で制限モードとして開くほうが安全です。
「親フォルダー 'c:' 内のすべてのファイルの作成者を信頼します」にはチェックを入れないでください。
C:配下すべてが信頼対象になります。
7. モードを確認する
「Bob設定」の「モード」タブ。組み込みは Agent / Plan / Ask の3つだけで、ページも 1/1 です。チャット入力欄の下のモードセレクタを開いても同じ3つが並びます。
- 1.0 系は Code / Ask / Plan / Advanced / Orchestrator の5つでした
- 2.0 で Advanced と Orchestrator が既定モードに畳み込まれ、3つに集約。機能が削られたのではなく Agent の中に折り込まれた、という説明が公式のリリース告知に出ています
- 一覧上部の
+から自分でモードを追加できます (スコープ列があるのはそのため) - 権限はモードセレクタの隣の「権限」から。既定は都度承認です
- コンテキストウィンドウの上限は 1.0 系の 200,000 から 270,000 トークンへ
最初に投げてみるプロンプト
既存リポジトリを開いて、Plan モードでこう投げると持ち味が分かります。
このリポジトリの構造を読んで、全体のアーキテクチャと主要コンポーネントの関係を日本語で説明して。改修の入り口になりそうな箇所も3つ挙げて。
Plan モードは読み取り中心なので最初の一手として安全です。書き換えに進むときは Agent モードへ。
うまくいかないとき
公式ドキュメントに書かれていない詰まり方を2つ踏みました。
画面に何も出ないまま終了する
エラーダイアログも出ず、1 秒ほどで終了コード 1 で落ちる症状。原因は Smart App Control (SAC) でした。Bob が同梱する winregistry.node が署名なしのためブロックされ、起動処理が中断します (vscodium-policy-watcher.node も対象)。
切り分けはこの2つ。
%APPDATA%\IBM Bob\logs\の最新フォルダーのmain.logにAn Application Control policy has blocked this file.- イベントビューアーの
Microsoft-Windows-CodeIntegrity/Operational、イベント ID 3033 / 3077
SAC の状態は Windows セキュリティの「アプリとブラウザー コントロール」から。
対処は環境次第なので事実だけ例示します。
- SAC には個別除外の仕組みがないようです。 特定のアプリだけ通すことはできず、全体のオン / オフだけのようです。
- 公式ドキュメントは「有効化できるのは Windows のクリーンインストール時のみ (デバイスのリセットもクリーンインストールに数える)」としています。オフにした後にオンへ戻すにはリセットか再インストールが必要とのことです。設定画面の「オン」は押せる状態で表示されますが、実際に戻るかは未検証です。
- 同じ公式ドキュメントには「開発者ユーザーだと検出した場合は自動的にオフにする」という記述もあります。
入れ直しても初回セットアップの画面が出ない
アンインストーラはユーザーデータを消しません。 初回起動かどうかの判定もそのデータを参照するので、入れ直しても「初回」には戻りません。残るのは4か所です。
%APPDATA%\IBM Bob\— 設定・キャッシュ・ワークスペース状態%USERPROFILE%\.bobide\— 拡張機能の一覧 (言語パックが引き継がれるのはここが残るため)%USERPROFILE%\.bobide-shared\— グローバルな UI 状態%USERPROFILE%\.bob\— タスク履歴・カスタムモード・MCP 設定
レジストリを掃除しても対処できませんでした。レジストリ側にあるのはアンインストール情報とファイル関連付けだけで、初回起動の判定は持っていないためです。確認したいときは削除ではなくリネームで退避してください。.bob\ にはカスタムモードや MCP 設定が入るので、消すと作り直しになります。
まとめ
- Windows 版はユーザー単位インストール — 実際に使うユーザーで実行する
- ディスクは公式 500 MB / 実機 1.05 GB — 実機の数字で見積もる
- エディター登録は既定 ON — 140 個超の関連付けが作られる。VS Code 併用なら外す
- モデルは選べず、消費は Bobcoin — トライアルは30日 / 40 Bobcoins
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参考にした情報
- インストール手順とシステム要件
- クイックスタート
- Bobcoins
- changelog (v2.0.0 / v2.0.1)
- ダウンロード / リリース一覧
- Smart App Control (Microsoft Learn)
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