株式会社ネットワールドのエンジニアがお届けする技術情報ブログです。
各製品のエキスパートたちが旬なトピックをご紹介します。

【Citrix 】XenServer 9リリース!Host Secure Bootとライブマイグレーションを試してみる②

本ブログは前回①の続きにあたります。

blogs.networld.co.jp

目次

1.はじめに

ネットワールド西日本技術部Citrix担当の松本です。
前回、Storage Repository(SR)の登録作業まで紹介しましたが、今回はライセンスサーバ接続、仮想マシン作成からXenServer VM Toolsの導入、ライブマイグレーション、Host Secure Bootの動作確認までを紹介します。

2.Citrixライセンスサーバ接続

今回の環境では、既存で運用しているLAS(Citrix License Activation Service)対応済みのCitrixライセンスサーバを利用します。

事前準備としては以下のものとなります。

  • LAS対応したCitrixライセンスサーバが構築済みであること
  • XenServerが利用できるライセンスが割り当てられていること
  • Citrixライセンスサーバと通信ができること

LAS対応済みのCitrixライセンスサーバを用意します。

ライセンスが登録されていない場合、トライアルエディション(試用版)が適用され、ライセンス期限が90日となります。(トライアルエディションの場合、サーバアイコンに警告マークが表示されます)

「Tools」をクリックし、「License Manager」をクリックします。

「Assign License」をクリックします。

Citrixライセンスサーバの情報を指定し、「OK」をクリックします。

信頼されていない証明書を承認するため、「Accept」をクリックします。

ライセンスタイプ、ライセンスモデル、ライセンス期限等が正常に表示されていることを確認して「Close」をクリックします。

ライセンスが認証されると、XenServerアイコン上に表示されていた警告マークが消えます。

3.仮想マシンの作成およびXenServer VM Toolsの導入

仮想マシンの新規作成

ストレージの準備ができたので、実際にWindows Server 2025の仮想マシンを作成します。
今回は後続のライブマイグレーション検証を実施するため、共有iSCSI SR上へ仮想マシンを配置します。

構成

Windows Server 2025 のインストール

仮想マシンを起動し、通常のWindowsセットアップを実施します。

Windowsのインストール手順は物理サーバへインストールする場合と同様なため、本記事では割愛します。

インストール完了後、管理者アカウントでログインできることを確認します。 

XenServer VM Tools のインストール

Windowsのセットアップ完了後、続いて XenServer VM Tools をインストールします。

これを導入しておくことで、XenServerとの連携機能が利用できるようになります。

主なメリットは以下の通りです。

  • 仮想デバイスドライバーの最適化
  • ネットワーク性能の向上
  • シャットダウン・再起動連携
  • 管理コンソールでの仮想マシンIPアドレス表示
  • ホストとゲストの情報連携

特別な理由がない限り、仮想マシン作成後、インストールしておくことを推奨します。

XenServer VM Toolsのインストーラーを右クリックし、「インストール」を実行します。

XenServer VM Tools Setup ウィザード画面では、「Next」をクリックします。

End-User License Agreementでは、「I accept the terms in the License Agreement」にチェックを入れ、「Next」をクリックします。

インストールパスを指定し、「Next」をクリックします。

必要に応じて「Keep XenServer VM Tools up to date automatically」のチェックを入れ、「Next」をクリックします。

「Install」をクリックします。

インストールが完了するとポップアップが表示されるので、「OK」をクリックします。

「Finish」をクリックします。

XenCenterに戻り、仮想マシンを選択して「Networking」からIPアドレスが表示されるようになったことを確認します。
これでライブマイグレーションの検証に利用するWindows Server 2025の準備が整いました。

4.ライブマイグレーションを試してみる

今回の環境では、以下の条件を満たした状態でライブマイグレーションを実施します。

 xen9-pool
 ├ xen1
 └ xen2
 
  iSCSI virtual disk storage
 └ Windows Server 2025
 

ライブマイグレーションでは、

  • Pool構成であること
  • 移行先ホストが存在すること
  • VMのディスクが共有ストレージ上にあること

が重要です。

今回の環境では共有iSCSI SRを利用しています。

また、本環境では仮想マシンにXenServer VM Toolsをインストール後に「Migrate to Server」のメニューが表示されました。

ライブマイグレーションの実行
ライブマイグレーションでは、まず仮想マシンのメモリ情報が移行先ホストへ転送されます。VM自体は稼働を継続したまま処理が行われるため、ユーザーから見るとほぼ停止を意識することはありません。
今回の検証でも、
  • Windows Server 2025
  • RDPセッション
を維持したまま移行処理が開始されました。

仮想マシンを右クリックし、「Migrate to Server」を選択して「xen2」をクリックします。

ライブマイグレーション中、仮想マシンのアイコンは黄色になります。

XenServer 2号機に仮想マシンがライブマイグレーションされました。

本環境では1分程度でライブマイグレーションが完了しました。
ライブマイグレーション時の接続影響確認
続いて利用者目線で確認してみます。Windows Server 2025へ接続したままライブマイグレーションを実行しましたが、
  • 利用中リモートデスクトップセッション(RDP)が切断できる継続利用できました。
    ただし、ライブマイグレーション中の新規RDP接続はできませんでした。
  • Ping応答継続
という結果となりました。一般的な利用者が気付くことはほとんどないレベルでライブマイグレーションが完了することが確認できました。

5.「Host Secure Boot」を試してみる

ここまでXenServer 9の構築を進めてきましたが、今回はXenServer 9で追加された新機能の一つである Host Secure Boot を試してみます。

Secure Bootという言葉自体はWindows ServerやWindows 11などでも広く利用されていますが、XenServer 9で実装されたHost Secure Bootは、仮想マシンではなく XenServerホスト自身を保護する機能 です。
Host Secure Bootを有効化すると、サーバ起動時に署名済みのブートローダーやカーネルのみが実行されるようになり、改ざんされたコンポーネントや不正なコードの実行を防止できます。そのため、仮想化基盤そのものの信頼性向上が期待できます。
仮想マシンのSecure BootがゲストOSを保護する機能であるのに対し、Host Secure Bootは仮想マシンを稼働させる基盤そのものを保護する機能となります。
また、XenServer 9ではHost Secure Bootの有効・無効が混在したPool構成もサポートされているため、既存環境から段階的に導入できる点も特徴です。

今回は実際にHost Secure Bootを有効化し、正常に起動できるか、またPool構成やライブマイグレーションへ影響がないかを確認してみます。 

※Host Secure Bootを利用するためには、事前にUEFIおよびSecure Bootに対応したハードウェアが必要となります。

本来、XenServerは物理サーバへ直接インストールして利用するベアメタル型のハイパーバイザーですが、今回は検証環境としてProxmox VE上にXenServer 9をネスト構成で構築しているため、Proxmox側でUEFIおよびSecure Boot設定を行います。実機環境ではサーバのBIOS/UEFI設定で同様の構成を行います。
※ネスト環境での確認結果であり、実機環境では挙動が異なる場合があります。

 

UEFIおよびSecure Boot設定

Host Secure Bootを有効にするため、Proxmoxの管理コンソール上の[ハードウェア]-[BIOS]からUEFIの設定およびEFIディスクの追加を行います。
XenServer起動確認

Host Secure Bootの有効化後、XenServer 1号機も2号機も問題なく起動することを確認します。
Host Secure Bootの状態確認

XenServer 1号機でSecure BootがEnabled(有効)となっていることが確認します。

XenServer 2号機でもSecure BootがEnabled(有効)となっていることが確認します。

SSHで接続し、「dmesg | grep -i secure」のコマンドでもHost Secure Bootが有効になっていることが確認できます。

※2号機も同様に確認できます。

ライブマイグレーション再確認

Host Secure Bootの有効化後、「Windows Server 2025」が起動し、ライブマイグレーションが正常に動作することも確認できました。

 

6.終わりに

今回の検証では、XenServer 9のCitrixライセンス設定、仮想マシンの作成、XenServer VM Toolsのインストール、ライブマイグレーション、およびHost Secure Bootの動作確認を行いました。
ライブマイグレーションについては、共有ストレージおよびPool構成を前提とするものの、GUIから容易に実行でき、本環境ではRDP接続やPing応答を維持したまま移行できることも確認できました。
また、XenServer 9で追加されたHost Secure Bootについても、Pool構成やライブマイグレーションへ影響を与えることなく利用できることも確認しました。仮想化基盤そのものの信頼性向上という観点では、有効な機能の一つと言えます。

 

免責事項

  • 本書は、株式会社ネットワールド(以下 弊社)が作成・管理します。
  • 本書の記載内容の一部または全部を弊社に無断で改変・転載することを禁じます。
  • 本書の記載内容は、一部または全部が将来予告無く変更されることがあります。
  • 本書の利用は、利用者様の責任において行われるものとします。
  • 本書の記載内容には、最善の注意を払っておりますが、正確性・完全性を保証するものではありません。従いまして、本書の利用によって生じたあらゆる損害に関して、弊社は一切の責任を負いません。
 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼  

ネットワールドが開催する 年に一度の大イベント
【 Networld Wiz 2026 】お申込み受付中!!

本ブログでご紹介したメーカーもイベントへ出展します!

セッション & ブース出展情報 随時更新中
  ▼ぜひチェックしてください▼

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/n/networld-blog/20260714/20260714171749.png


networldwiz