本記事の原文はNutanix社のEUC Solution ArchitectであるKees Baggerman氏によるものです。
原文を参照したい方は「Citrix MCS on Nutanix AHV: Unleashing the power of clones!」をご覧ください。
情報は原文の投稿時のままの情報ですので、現時点では投稿時の情報と製品とで差異が出ている場合があります。
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Citrix MCSプラグインのリリースでNutanix AHVのクローンに関する内部動作について多くの質問が寄せられました。ここでは、AHVがCitrix MCS展開でクローンをどのように使っているかを理解するために役立つ内容をご紹介致します。
以前の記事で解説したように、Nutanixはシャドウクローンを実装することでvSphereやHyper-V環境でのデータローカリティに関する問題を解決してきました。
- How Nutanix helps Citrix MCS with Shadow Clones
- Overcoming the 3 biggest challenges with Citrix MCS
- Citrix MCS for AHV: Under the hood
Q「シャドウクローンはAHVでのCitrix MCSにも役立ちますか?」
これに対する端的な回答は「いいえ」です。
もうちょっと詳しく解説しますと、シャドウクローンは基本的に リンククローンの仕組み や AHVでは利用できないView Composerのようなマルチリードが発生する環境 でデータローカリティを実現させる目的で作られているということです。
このシャドウクローンがどのように機能するかということですが、Citrix SynergyでMartijn Bosschaartと共同で発表したスライドの1枚です。
3Tier環境でのMCS
vSphereまたはHyper-Vを使用したNutanix環境でのMCS
このスライドの要点は以下の通りです。
- すべてのReadおよびWriteはローカルで完結し、ユーザーのパフォーマンスが向上します。
- Readはネットワークトラフィックを発生させず、他のワークロードの帯域幅が広がります。
- 集中管理されたストレージ上のReadのホットスポットを回避します。
では、「AHVでシャドウクローンが有効とならないのはなぜでしょう?」
まず、それはAHVのクローンの仕組みに起因します。AHVのクローンは 仮想マシンのメタデータのクローン や スナップショットの取得 と同じように超高速で生成されます。
次に、それはAHVがマスターディスクへのソフトポインタを採用しているためです。キャッシュのローカリティあるいはエクステントのローカリティ と メタデータ を実装しているため、このマスターディスクはノードのローカルとしてアクセスすることができます。
それではAHVのディスクレイアウトを簡単に見てみましょう。
AHV上のMCSベースのVMディスクレイアウト
このスライドに関する注意事項
- Nutanix AHVにはIDディスクと差分ディスクの2つのディスクしかありません。
- 割り当てられたストレージの一部が事前設定されています。
ここでのポイントはCopy on Readであるということです。このメカニズムはマスターイメージに最初のReadがヒットした後、VMにローカルなReadキャッシュを生成しますが、これはより多くのストレージを消費する可能性があります。Michael Websterのブログにはこの効率性に関する実環境での例が掲載されています。
このソリューションではAHV上のCitrix MCSでクローンが展開されると、すぐに利用可能なデータローカリティが提供されます。
AHVに備わったAOSとPrismが提供するストレージネイティブのパワーを組み合わせると、シンプルで高密度なプラットフォームを提供するCitrix XenDesktop/XenAppソリューションを構築できます。このモジュール方式のポッドベースのアプローチにより、導入時間を極限まで小さくし、簡単かつ効率的に環境を拡張できるようになります。
記事担当者 : SI技術本部 海野航 (うんのわたる) @Networld_NTNX