こんにちは、ネットワールドの海野です。
前回の記事に引き続き、Citrix Synergy 2018での発表内容をお伝えしてまいります。
Citrix Synergy 2018のメインセッションとなるキーノートでは、次の3つのキーワードがフィーチャーされていました。
- Experience
- Choice
- Security
これらが今年のCitrixを象徴するポイントとなっていくわけですが、それぞれについて説明していきます。
1. Experience
近年、普段私たちがパソコンで利用しているような業務用アプリや、スマホで利用するアプリなど、
さまざまなアプリは洗練され、使いやすくなってきています。
そして、さまざまなアプリを活用することでさまざまなタスクが簡単にこなせるようになっています。
しかしながら、個々のアプリの操作は簡単であるものの、アプリの数は増え、操作性などに統一性が
なく、ユーザーエクスペリエンスやトレーニングコストに悪影響が発生していることも事実です。
これらを解決するための製品としてCitrix Workspace Appが発表されました。
Citrix Workspace App は Citrix Receiverを置き換える製品であるとのことですが、あらゆるデバイスで統合されたインターフェイスを提供し、
現状のReceiverで利用可能な仮想化されたWindowsアプリ以外に、モバイルアプリやWebベースのSaaS、ファイルなどのコンテンツも一元的に利用できるようになります。
会場ではWindowsノートPCを使ってAdobe Photoshopの画像データをWorkspace App上で展開し、それをOffice Web AppのPowerPointでコンテンツとして貼り付けて、Workspace Appでの一元的なデータ利用をデモとして披露していました。
さらに、WindowsノートPCからChromebookへのシームレスな作業の継続ができるということも紹介していました。
2. Choice
Citrixは以前よりマルチハイパーバイザーをサポートし、システムの選択肢の自由度を提供することについて取り組んでいます。
そして、ハイブリッドクラウド、あるいはマルチクラウドといった組み合わせは近年では一般的となりつつあります。
今回のCitrix Synergy 2018ではGoogle Cloud Platform (GCP)との連携が発表されました。
従来からもGCP上のWindowsインスタンスを便宜的に物理マシンとして扱うことでXenDesktopとして利用することができていましたが、「電源管理」や「シンプルな仮想マシン展開」といった内容からもXenDesktopのホストとして登録ができるようになることが予想されます。
個人的な考えですが、CitrixはずっとMicrosoft Azureを強力に推しメン扱いしていた印象を持っていましたので若干の違和感がありましたが、同時期に開催されたNutanix .NEXTでもGCPをフォーカスした内容が発表されていましたので、GCPは非常に勢いがあるのだろうという感想を持っています。
さらにそれに加え、Microsoftとも連携を継続していきますというメッセージも併せて打ち出しており、Windows Server 2019の即時サポートやRDMIへの対応も表明していました。
(RDMI : リモート デスクトップ モダン インフラストラクチャー)
3. Security
Citrixはユーザーエクスペリエンスを追い求めることと同時に、セキュリティとの両立も実現させています。
セキュリティは近年のCitrixが最も注力している分野であるとのことですが、ユーザーの行動を分析して、普段と異なるアクションが行われたときにアラートを通知するような、ふるまい検知の仕組みであるCitrix AnalyticsがもうすぐGAとなるようです。
今回の記事は冒頭にご紹介した「Experience」「Choice」「Security」の3つのキーワードをもと
にザックリと基調講演での内容についてまとめをご紹介しましたが、
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記事担当者 : SI技術本部 海野 航 (うんの わたる)