こんにちは。
先月、CommVault v11 の最新サービスパック(SP8) がリリースされました。
Salesforceデータのバックアップなど機能追加されておりますので、ご興味のある方は、CommVault 技術ドキュメントのサイト(こちらをクリック)をぜひご覧ください!
さて、今回は、CommVault 管理サーバ "CommServe" のデータベースのバックアップについて、ご紹介したいと思います。
CommVault では、通常のバックアップジョブとは別に "管理者ジョブ" というジョブのカテゴリが実装されております。CommServe のインストール後、"管理者ジョブ" はスケジュール化されて定期実行されていますが、以下、代表的な管理者ジョブの一部をご紹介します。
- Data Aging (保持期限切れのデータを再利用するため削除処理するジョブ)
- Data Verification (取得したバックアップデータの有効性をチェックするジョブ)
- Disaster Recovery Backup (CommServe上で構成されるデータベースのバックアップジョブ)
- Report (バックアップジョブのサマリーやストレージ容量のレポートを出力するジョブ)
管理者ジョブの中でも重要なのが "Disaster Recovery Backup" ですが、CommServe の有事の際に CommVault 環境を復旧するために必要なバックアップデータを定期的に取得しています。"Disaster Recovery Backup" は毎日 10:00 AM に実行されていますが、バックアップ運用の状況に合わせて一日数回実行することにより、CommServe を最新の状態に近い状態に復旧することができます。
"Disaster Recovery Backup" のステップについて、以下の順で実行されています。
【CommServe DR バックアッププロセス】
-
1.CommServe DR バックアップ処理がデフォルトで毎日午前 10:00 に実行
CommServe のインストールパス配下の CommServeDR フォルダに SQL DB がダンプファイルがエクスポートされます。 -
次に CommServe のインストールパス配下の CommServeDR フォルダの SQL DB のダンプを、Standby CommServe またはネットワーク共有の UNC パスにコピーします。
(デフォルト: 5世代フル保持) -
最後に、SQL DB のダンプをストレージポリシー CommServe DR のバックアップ先のライブラリにバックアップを取得します。
(デフォルト: 60日間、60サイクル(フル)保持)
SQL DB のダンプファイルは、CommServe のスタンバイ機が準備されている環境があれば、そのスタンバイ機のローカルディスクにコピーする設定を行うことにより、本番機の CommServe の有事の際に、後述で説明する "CommServe Recovery Assistant" (v11 SP6以降で提供) ツールを使用して復旧を行うことができます。
"CommServe Recovery Assistant" は、CommServe のインストールパス配下に存在しております。今回は、CommServe の再構築(同じホスト名) を想定した環境にて、事前準備が完了した後の "CommServe Recovery Assistant" の操作をご説明します。
"CommServe Recovery Assistant" の事前準備では、CommVault 関連のサービス停止などが必要になりますので、製品版の実装後、実際に"CommServe Recovery Assistant"を実施される場合、必ず保守窓口に手順をご確認ください。
【CommServe Recovery Assistantの実行手順】
- CommServe 環境にて、Windows エスクプローラを起動し、インストールパスに移動します。移動後、CSRecoveryAssistant.exe をダブルクリックします。
- CommServe Recovery Assistant ウィザードが起動します。[Select the operation type] のオプションで [Recovery] を選択し、[Next] ボタンをクリックします。
- [Enter the path to the database dump folder] - dump ファイルが格納されているフォルダの選択し、[Next] ボタンをクリックします。
- [Enter the path to extract the database files] - CommServe データベースの dump ファイルの展開先を指定します。
- [Summary] - リカバリ内容を確認して、[Start Recovery] ボタンをクリックします。
- CommServe データベースのリカバリタスクがすべて成功(チェックマーク)で完了したことを確認し、[Next] ボタンをクリックします。
- [Provie a license file (Optional)] - デフォルトのまま [Next] ボタンをクリックします。
- [CommServe recovery completed successfully!!] の表示画面を確認し、[Finish] ボタンをクリックしてウィザードを終了します。
"CommServe Recovery Assistant" での CommServe データベースをリストアした後、CommValt 関連のサービスを再開し、各 Media Agent 重複排除データベースの再同期(詳細は、こちら) を行って、CommVault のバックアップ環境の復旧は完了です。
"CommServe Recovery Assistant" の操作は、いかがでしたか。
CommServe の有事の際は、バックアップ・リストアを行うことができませんので、SQL DB のダンプから CommServe を復旧する際には、"CommServe Recovery Assistant" をご使用ください。
Edit by :バックアップ製品担当 松村・安田
【過去の記事】
メーカのサイト:
Simpana早わかり講座
CommVault Simpana:番外
CommVault Simpana:番外 クライアントPCのバックアップ バイナリ作成編
CommVault Simpana:番外 クライアントPCのバックアップ パッケージカスタマイズ(Mac OS)編
CommVault Simpana:番外 クライアントPCのバックアップ インストール(MacOS)編
導入編:
【連載】第1回 始めてみよう!CommVault Simpana インストール編
【連載】第2回 始めてみよう!CommVault Simpana インストール後の作業とバックアップ編
【連載】第3回 始めてみよう!CommVault Simpana VMwareバックアップ編
【連載】第4回 始めてみよう!CommVault Simpana VMwareバックアップ応用編(1)
【連載】第5回 始めてみよう!CommVault Simpana VMwareバックアップ応用編(2)とリストア
【連載】第6回 始めてみよう!CommVault Simpana データアーカイブ機能を活用してみませんか?
製品紹介編:
第一回、最新!データ統合管理ソリューション CommVault Simpana のご紹介!
第二回、データ統合管理ソリューションCommVault Simpana 基本構成
第三回、データ統合管理ソリューションCommVault Simpana Backup
第四回、データ統合管理ソリューションCommVault Simpana Deduplication
第五回、データ統合管理ソリューションCommVault Simpana SnapShot Management
第六回、データ統合管理ソリューションCommVault Simpana Virtualization
Tips編:
【CommVault】次期バージョン v11の国内提供が始まりました!
【CommVault】管理コンソールの言語表示の切り替えってできるの?
【CommVault】CommServe データベースの保護ってどうするの?
【CommVault】クラウドを活用しよう!Part 1