こんにちは、長らくご無沙汰していました。NetworldのEMC製品担当SEの片山です。
EMC社が1年ほど前に買収したTwinStrata社の製品で、2015年新製品として発表したCloud Arrayについて、今回は物理アプライアンス版ではなく、無償で評価できるVirtual Edition(以後VE)についての動作検証をしてみました。CloudArrayは特に操作が難しい製品ではないので、2~3回程度で説明していければと思います。
しかも!?このCloudArrayはEMCハイパーコンバージド製品であるVSPEX BLUEを購入すると、VE版のCache 1TBの利用ライセンスが付属していますので、VSPEX BLUEユーザはまさに必見です!!
VSPEX BLUEについてのブログ記事はこちらです↓
http://blogs.networld.co.jp/main/2015/04/vspex-blue-e63a.html
さて、話は戻ります。CloudArrayって一体どういう製品??かと言うと、インターネット上のクラウドストレージ(AWS S3、Microsoft Azureその等…)にデータ保存するためのハードウェア/ソフトウェアでクラウドゲートウェイといわれるカテゴリ製品になります。
CloudArrayの製品ラインナップは、VE版以外にも物理アプライアンス版、VSPEX BLUEバンドル版があります。今回、検証にも利用しているVE版の評価ライセンスは容量無制限で14日間利用することができます。
※ 14日間以降の評価の継続には評価ライセンスの再申請が必要
※ 最新の対応バージョンやスペックについてはメーカーのWebサイトをご確認ください。
2015/12現在の対応仮想化ホストは、vSphereとHyper-vです。しかし、何故か6.xバージョンのHyper-v用のバイナリファイルについてはまだ公開されていない様です。vSphere用はOVF形式ファイルでの提供がされています。
<詳細は下記コンパチビリティ参照>
次にCloudArrayの概要について説明していきます!
では、実際にクラウドゲートウェイ製品ってどう使うの?という疑問がわくと思いますが、CloudArrayの動作の概要としては以下イメージになります。
上図で例えると、ユーザからはCloudArray上のCIFS共有サーバーにVolume(10GB)の共有があるように見え、ユーザが共有に対してデータを書き込むとCache(5GB)に蓄えられ、Cache上から設定した各CloudプロバイダへデータがReplicationされます。簡単に言うとこれだけです。
その他にもCloudへのReplication帯域制御やDRテスト機能、インクラウドスナップショットなど色々ありますが、単純に考えるとこれだけで十分です。要はCloudにデータを保存するだけでなくローカルディスクをCacheとして扱うことにより、ユーザアクセスを高速化しています。もし仮にクラウド上ですべてのRead/Write処理をすると、Cloudプロバイダへの重課金の問題や、ダウンロードなどにすごく時間がかかってしまいますよね。
つまりユーザはデータをCache(ローカルディスク)に書き込みをすると、CloudArrayはバックグラウンド処理でデータを圧縮、暗号化(AES256bit)、最適化をしてCloudへReplicationを行います。ちなみに今回テストで利用したCloudプロバイダはAmazon Web ServiceのS3を利用しました。
最初の説明は少し簡単すぎたので、もう少し細い図で説明していきたいと思います。
VE版では個々のvmdkファイルがPoolになります。このPoolから容量を切り出す形でCacheを作成します。Cacheを作成すると同時に、転送先のCloudプロバイダも選択していきます。最初にも説明しましたが、Cacheはユーザが利用する容量よりも小さくすることができます。例えばCacheが5GBしかない場合でも、ユーザに見せる領域としては10TBに見せたりする設定も可能です。
CloudArrayで提供できるプロトコルはCIFS、NFS、iSCSIで利用することができます。特に簡単に試せるWindows環境については、本当に簡単にボリュームを作成して共有することができます。Windows環境ではStandalone構成、Active Directory構成が可能です。
以下は、CloudArrayの実際の画面ですが、簡単にCloudプロバイダを選択して設定することができます。
現在、対応のCloudストレージプロバイダは、設定画面から確認するとAmazonS3 Amplidata Atmos Azure Cleversafe Cloudian ECS2 Google HP Cloud NFS OpenStack RackSpace SoftLayer S3 Compatible Seagate Cloud Seagate Storage Cloud Synaptic ThinkOn vCloudAir Verizon ViPR Windstream などと多くのCloudストレージプロバイダが選択可能でした。またCloudプロバイダを選択とありますが、必ずしもインターネット上のCloudプロバイダが対象ではなく、例えば既存で利用しているオンプレミス環境のOpenStack、ViPR、ECS等へもデータ連携が可能です。
今後もCloudプロバイダの選択肢には他のBlog記事でも紹介があったEMCオブジェクトストレージがいくつかありますね。今後もIsilonも含めどんどん追加されていくと聞いています。
最後にCloudArrayポータルサイトには面白い仕組みがあります。CloudArrayでは、このポータルサイトとインターネットを介して自動的に容量やAlertのReportなどの情報を自動で収集していて確認できたり、CloudArrayの設定情報が定期的に自動バックアップされていて、いつでもCloudArrayのバックアップファイルがダウンロードができるので、別サイトへのリストアが簡単にできたりします。こちらは今後また説明していきたいと思います。
ここまででCloudArrayがどんな製品かはある程度は理解いただけたかと思います。
それでは、次回以降はCloudArrayの機能や設定方法について説明していきたいと思います!
記事:片山
今回の記事一覧はこちら
クラウドを活用できる今話題のEMC CloudArrayとは!?①
クラウドを活用できる今話題のEMC CloudArrayとは!?②
クラウドを活用できる今話題のEMC CloudArrayとは!?③
クラウドを活用できる今話題のEMC CloudArrayとは!?④