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どうしてNutanix AHV(旧称 : Acropolis Hypervisor)は次世代のハイパーバイザーなのか? パート10 - コスト

本記事は[2枚目]Nutanix Advent Calendar 2017への寄稿も兼ねております。是非アドベントカレンダーの他の記事もお楽しみください。1枚目のNutanix Advent Calendar 2017もどうぞ。

本記事の原文はもともとNutanix社のStaff Solution Architectで、Nutanix Platform Expert (NPX) #001 そしてVMware Certified Design Expert (VCDX) #90(2桁)として活動しているJosh Odger氏によるものです。

原文を参照したい方はWhy Nutanix Acropolis hypervisor (AHV) is the next generation hypervisor – Part 10 – Costをご確認ください。情報は原文の投稿時のままの情報ですので、現時点では投稿時の情報と製品とで差異が出ている場合があります。

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コストがリストの一番下にあって、驚かれている方もいらっしゃるかもしれません。ですが、これまでの記事を読んできていただいた方はおそらく、業界の他の製品と比べてAHVが様々な面で優れた仮想化プラットフォームであるということにお気づきでしょう。私の意見では、Starterエディションに含まれているから、AHVを「低価格なオプション」もしくは「機能に制限のある廉価なハイパーバイザー」と考えるのは誤りです。(これは全てのNutanixのお客様に無償で提供することにしているという意味でしかありません)

ハイパーバイザーやその管理コンポーネントのライセンス/ELAが明らかに削減されるという点を考慮しないとしても、AHVを利用して頂く実際のコスト上のメリットは劇的な設計、実装、運用の様々なフェーズともちろん、日々の管理の労力の劇的な削減です。

この原因は多くの要素からなります:

設計フェーズのシンプル化

すべてのAHVの管理コンポーネントは組込されており、高可用性構成で、自動的にスケールします。目的に特化した専門家(SME ー Subject Matter Expert)を管理ソリューションの設計に巻き込む必要もありません。何年にも渡って数え切れないほどの高可用性仮想化ソリューションを設計してきた人間の一人として、AHVは最初から私が過去にお客様のために他の製品を利用しながら夢に描いて来たもの、そのものです。

実装フェーズのシンプル化

すべての管理コンポーネント(Prism Centralという例外はありますが)は自動的に展開され、エンジニアがこれらのコンポーネントをインストール/パッチ/要塞化するという要件は存在しません。

Acropolisとすべての管理コンポーネントはすべてCVM内に組み込まれています。これは間違いの起こる可変の部品が少ないということを意味し、それらの検証を行う必要もありません。

経験的に、運用の検証は大抵の場合見落とされがちで、インフラストラクチャはその設計要件とその導入効果が実証される前に本稼働環境へと投入されてしまいます。AHVでは管理コンポーネントは自動的に展開され、コンポーネントが提供されないというリスクはまったくもってありません。更に運用上の検証を行うにしても、従来型の製品とは異なり、可変できる部分が非常に少ないため、検証は非常に早く終えることができます。

日々の運用のシンプル化

AcroplisはAcroplisベースソフトウェア(以前はNOSと呼んでいました)、AHV、ファームウェア、そしてNutanixクラスタチェック(NCC)に対して完全に自動化されたローリングアップグレードの機能を提供しています。それだけではありません、アップグレードのダウンロードの前に互換性のないヴァージョンインストールしてしまうリスクを排除してやハードウェア互換性リスト(HCL)や互換性マトリックスをチェックしてからダウンロードされます。

AHVはキャパシティ管理を劇的にシンプルにします。これは必要とされるキャパシティ管理がストレージプールレイヤだけであるということに由来します。管理者がLUN/NFSマウントするもしくはコンテナにおいてキャパシティを管理するという必要はありません。この能力はよく知られているハイバーバイザーが持っている、例えばvSphere ストレージ DRSの必要性も排除します。

サードパーティのライセンスコストの削減

AHVにはすべての管理コンポーネントが含まれています。もしくはPrism Centralを利用する場合においても事前にパッケージされたアプライアンスを使うだけです。すべてのOSのライセンスは発生しません。すべてのNutanixノード上で動作している高い信頼性を持つ管理コンポーネントMicrosoft SQLOracleというようなサードパーティのデータベース製品、もしくはベストなケースで仮想アプライアンスを展開すればよいという場合であったとしてもこれらは高可用性を欠くもので、バックアップや維持が必要になります。AHVではこれらの必要性を排除しています。

管理用インフラストラクチャのコストの削減

仮想化ソリューションに10もしくはそれ以上の管理コンポーネント(それぞれが専用の仮想マシンになっている場合がほとんど)が必要になるということはよくある話です。小さな環境においても一元管理、パッチ、パフォーマンスやキャパシティの管理の機能を利用しようとすればこれらが必要になってしまいます。環境が成長するについれて、もしくは高い可用性の要件が必要になるに連れて、管理仮想マシンの数とそのためのコンピューティングの要件は増えていく傾向にあります。

すべての管理コンポーネントはNutanixコントローラー仮想マシン(CVM)の中で動作しており、CVMはそれぞれのNutanixのノードで起動しています。専用の管理クラスタは必要ありません。コンピューティング/ストレージのリソースの総量も減らすことができます。

管理用インフラストラクチャの削減からの間接的なコスト削減は以下を含みます:

  1. ラックスペースの削減 (RU)
  2. 電源/空調の削減
  3. ネットワークポートの削減
  4. コンピューティングノードの削減
  5. ストレージキャパシティとパフォーマンス要件の低減

大事なことを言い忘れていました、メンテナンスウィンドウやシステム停止時にかかるコストはどうでしょうか?

Acropolisは完全に非破壊的なワンクリックのアップグレードを提供しており、多くの障害ポイントを削減しています(例 : サードパーティのデータベース)、その一方で、非常に信頼性の高いプラットフォームを提供しています。AHVはお客様のメンテナンス時やシステム停止時のコストも削減してくれます。

まとめ:

  1. Acropolisの管理コンポーネントの設計は必要ありません
  2. 管理コンポーネントの日々の維持運用も必要ありません
  3. 複雑性を削減し、ダウンタイムやヒューマンエラーによるダウンタイムの可能性を削減します

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記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@Networld_NTNX

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全10回(実質9回)の本シリーズはこちらでおしまいです。残念ながら原文のパート9の内容はパスワードで保護されているため、日本語にしたとしてもこちらで公開することはできません。

ですが、パート9がなかったとしてもAHVが如何に優れたハイパーバイザーであるかということはお伝えできたのではないかと思っています。しかも、本記事を翻訳している間にAOS 5.5がリリースされ、AHV Turboを含む様々な最新の機能が現在進行形で取り込まれています。次世代である上に更に歩みを止めずに進化し続けている唯一のハイパーバイザーと呼んでよいのではないでしょうか。

最後に今回、9にもなるシリーズ、つまり9日間分のブログの翻訳を決意させてくださった、NutanixのAdvent Calender周辺の管理者の皆様、誠にありがとうございます。まさかの2枚目のカレンダー、今年何をやり忘れているか・・・。AHVでした。来年はAOS 5.5と一緒に登場した新機能で更に武装を強化し、Year of AHVにしましょう!

また、毎日のように更新されるブログを呼んでくださった皆様、ありがとうございます。