皆さんこんにちは。NetAppチームの和田です。
この連載がシミュレーターマスターだだだっ!シリーズの最終話となります。
途中からシミュレーターがova形式になって「最初の方の記事意味あるのかなぁ・・・」となったり、
先週久々に記事を書こうとしたらシミュレーターが動かなくなっていたり、
一番よくなかったのは記事タイトルの「降臨」を「光臨」と誤変換していることにしばらく気づかなかったり様々なことがありました。
ちなみに今週の記事を書いている際にもroot volumeのログがあふれて動かなくなり、シミュレーターを作り直すことになりました。
やはりova形式になってからシミュレーター作成が楽になりましたね
こちらが今回の目次でございます。
目次(確定)
・ONTAPシミュレータの入手とVMデータストアへの展開編
・シミュレータ起動前の下ごしらえ編
・初期セットアップ編
・ディスク本数/容量を増やしてみましょう編
・ClusterSetup編
・SVMも作っちゃいます?編←前回のテーマ
・BroadcastDomain編←今回のテーマ
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まずはBroadcast Domainについて簡単に解説していきます。
現在のBroadcast Domainの構成を確認しましょう。
図にするとこのような構成です。
仮にDataLIFがnode1:e0cに乗っているとすると、node1:e0cに障害が発生した際にはnode1:e0d, node2:e0c, node2:e0dのいずれかにフェイルオーバーします。
「・・・それってONTAP8.2時代のFailoverGroupとどう違うの?」という声が聞こえてきそうですが、、
・・・大体同じようなものと考えても問題ないかと思います。
ただ、以下のようなMTUがセグメントごとに異なる構成ですと、FailoverGroupでフェイルオーバーする先を指定するのではなく、Broadcast Domainを明示的に分ける必要があります。
こちらが現在のLIFのフェイルオーバーの設定となります。
FailoverGroupはBroadcast Domain"Default"で、現在LIFがいるポートに障害が起きた際には各ノードのe0c,e0dにフェイルオーバーすることになります。
ESX側で擬似的に障害を起こして、どのポートにフェイルオーバーするか確認してみましょう。
仮想マシンの設定からネットワークアダプタの「接続中」のチェックを外します。
すると・・・
LIFが乗っていたnode2:e0cがdownしたので、 Broadcast Domain内の別のポートにフェイルオーバーしました。
ただ、以下のような構成でnode2:e0cにフェイルオーバーされるとまずいので、Broadcast Domainを別にします。
(図は再掲)
Broadcast Domainを分ける詳細な手順は割愛させていただくとして、以下のような構成に変更しました。
Broadcast Domainの操作はLIFが作成されている状態だと非常に複雑な手順になるので、できれば設計段階できっちり決めておきたいところです・・・
LIFのフェイルオーバー先の設定は以下のようになります。
これで先ほどの様にESXからポートを落としたときに反対側のノードのe0dにフェイルオーバーしてくれれば大丈夫ですね。
きちんと意図したとおりにフェイルオーバーしてくれました。
全7話の8.3版シミュレーターマスターシリーズは以上となります。
以前のシミュレーターマスターの記事の焼き直しではなく、少しはパワーアップした内容にしようと努力しましたが、いかがでしたでしょうか・・・?
OSがバージョンアップすると新しい機能が増えると同時に設定が難しくなるという部分も確かにありますが、シミュレーターで慣れることもある程度は可能かと思います。
「シミュレーターではなくやはり実機じゃないと!」という方には、二日間ガッツリ設計から構築を実機で行う炎のトレーニングも不定期で開催しておりますので、今後もネットワールドを宜しくお願い致します。
和田