本ブログエントリーはPernixData社のSystems EngineerであるPatrick Schulz氏のブログの翻訳版です。
本記事の原文はPernixData FVP & linked-clones – The hidden gemで閲覧可能です。
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この記事ではVDIのプロジェクトを「追い越し車線」へと誘ってくれるFVPの「隠れた宝石」についてご紹介します。VDIのプロジェクトが上手くいくかどうかは、ユーザーが仮想デスクトップとそのアプリケーションのレスポンスと非常に密接に結びついた使用感とユーザビリティがその一端を担います。このレスポンスはそれぞれの仮想デスクトップがIO操作を完了するまでにかかる時間(ミリ秒単位で計測されます)として定義することができます。
以前、ReadばかりのVDIのワークロードについての議論があったことは知っていますが、VDIのワークロードは想像以上にWriteばかりであるということが分かってきています。ということで、適切なユーザーエクスペリエンスを保証するためにはReadだけではなく、Writeを効率的に高速化することが重要です。
しばしば、この挑戦についての回答はさらに回転するディスク、もしくは効果なフラッシュを既存のストレージインフラストラクチャに追加する、もしくはオールフラッシュアレイもしくはハイパーコンバージドブロックに象徴されるような、VDIを動作させるためだけの新しいサイロを形成することだと言われます。
FVPを利用すると、管理者は既存のストレージインフラストラクチャを活用しながら、SSD、PCIeフラッシュカード、もしくはメモリまでもをサーバサイドのレイテンシが重要なI/O操作をサーバサイドの高速化メディアとして選択することができるようになります。これによってパフォーマンスはハイパーバイザー内に直接保持することができ、ストレージのキャパシティから切り離されるのです。
既存のサーバーハードウェアによっては高速化メディアの選択肢に制限が出てしまうことが有ります。例えばブレードサーバでは通常はPCIeフラッシュカードを利用できませんし、VDIホストはメモリ利用率が高いことが多かったりというようなことです。
しかし、仮想デスクトップのメモリは実際には超低レイテンシーやVMがどんなブロックサイズの書き込みを行っても一貫したパフォーマンスを得るための方法です。
ですので、もしも多くのメモリが残っていなかったとしても、メモリを一つの選択肢として考えてみてください。
リンククローンは実際のOS、アプリケーション、会社が施した設定などを格納した「ゴールデンイメージ」もしくは「レプリカ」と呼ばれる仮想ディスクにリンクさせたものです。ゴールデンイメージはもちろん、Readオンリーです。しかし、Windowsはディスクに書き込みができないと動作しません。これを解決するためにリンククローンは個別の仮想ディスクへの変更を書き込むことができるようにしています。適切に双方、つまりレプリカからのReadと個別ディスクへのWriteを高速化することで、最適なユーザーエクスペリエンスを保証することができます。
これがまさにFVPがソフトウェアで実現していることです。これを実現するために必要な構成は特にありません。もちろん、VMware vMotionやVMware HAなどもサポートされます。
今回はFVPがどんなに効率的にこれらのリンククローンを取り扱うかにフォーカスを当てます。FVPは自動的にリンククローンを、そして、何よりも重要なデータストアを高速化する際に、これらのオブジェクトを格納している、レプリカのベースディスクを認識します。
すべての各々の仮想マシンのReadのために個別のメモリ(もしくはフラッシュ)にキャッシュを作成するのではなく、FVPは1つのブロックのみを利用します。例えば、あるVM AがブロックZをレプリカディスク(パーシステントストレージ上に配置)から読み込んだ際、この特定のブロックはFVPのレイヤに読み込まれます。別のVM BがブロックZを読み込む際にはすでにローカル高速化メディアにこのデータがあるので、キャッシュから読み込まれます。FVPは(レプリカ内の)同じブロックをダブって格納することはありません。結果として基本的には1つのホスト上のすべてのリンククローンはReadキャッシュの内容を共有することになります。ある意味で重複排除された形でのリンククローン最適化ということができます。
すべての個別の仮想マシンのWriteは上記とは関係なく個別に高速化されます。これらの個別の書き込みブロックはローカルの高速化メディアに書き込まれ、次回以降のReadに利用されます。
以下のスクリーンショットを見てください。仮想デスクトップのキャッシュの大きさは、「Linked Clone Base Disk」のものに比べ小さくなっています。各々のリンククローンに割り当てられたメガバイトは個別のWriteです。
これによって、多くの仮想デスクトップを高速化しながら、必要なメモリやフラッシュの容量が削減されます。
例えば、シンプロビジョニングされたレプリカディスクが20GBで、各々のホストに仮想デスクトップが100つあったとしても、20GBのメモリもしくはフラッシュのキャッシュ容量だけでこれらのすべてのデスクトップのReadを高速化することができるということです。この20GBだけでゴールデンイメージをすべてローカル高速化メディアに保持することができ、特定のホストのすべての仮想マシンを高速化することができるのです。
基本的に、これはリンククローンテクノロジーを利用する、すべてのノンパーシステントVDI構成に適応することができます。VMware Horizon ViewかCitrix XenDesktopかは関係ありません。FVPは最近 Citrix XenDesktop Readyとして認定されています。
この隠れた宝石とともに、私は2014年の記事の締めくくりにしたいと思います。(※訳注 オリジナルの記事は2014年12月26日の投稿です) 私が気に入ったのと同じように気に入ってもらえれば嬉しいですし、2015年もよろしくお願い致します。
記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@pernixdata_netw)