お声かけいただき、「ネットワールド らぼ」へ投稿することになりました。
自己紹介から始めます。HPE教育サービスの中川明美と申します。
HPE教育サービスでは、インストラクター兼コンサルタントを担当しています。ネットワールドさんとは数年前からのお付き合いです。書籍執筆のメンバーでもあります。2014年からvExpertの活動としてVMware製品のBlogを投稿しています。このたびVMwareとHPE製品に関わるBlogの依頼があり、お引き受けいたしました。
今回のテーマはVMware vSANです。導入事例も増え、注目度が高まりつつあります。HPE ProLiantやSynergyは「vSAN Ready Nodes」です。
アーキテクチャについては様々なサイトで紹介されていますから、こちらのBlogではトラブルシューティング時に使用するツールとTipsを取り上げます。
#1: VMware vSAN 6.6 What’s New
#2: トラブルトラブルシューティング時に役立つツール 1
#3: トラブルトラブルシューティング時に役立つツール 2
1回目は今回のテーマに関連するvSAN 6.6で提供された新機能や強化された機能をご紹介します。
ホストベースのvSAN監視
vSANの管理および監視は、ESXiホストの管理ツールである、「vSphere Host Client」も使用可能です。基本の機能は、vSphere Web Clientと同様のメニューが提供されますから、vCenter Serverに接続できない場合にも引き続き操作可能です。
vSphere Host Clientの「健全性」は、シンプルな表示構成です。
「ストレージ」-「監視」-「健全性」タブを選択すると、コンポーネントの健全性を把握できます。
詳細な情報を知りたい場合は、各コンポーネントの右上のアイコン(クラスタなら下図の赤い枠)をクリックすると、追加情報が表示されます。
これ以降は、vSphere Web Clientで提供される機能です。
Configuration Assist
vSANクラスタの構成チェック機能「Configuration Assist」が追加されました。vSANに関わるコンポーネントの構成を検証し、問題や推奨 (ベストプラクティス) を提示します。
「ハードウェア互換性」や「ネットワーク構成」は、後に述べる「健全性」とほぼ同様の内容が表示されます。下図は、書き込みテストチェックを選択した画面です。問題に「書き込みテストが実行されていません」と表示されています。テストを実行してみます。 「監視」→「vSAN」→「プロアクティブテスト」とメニューを遷移し、該当のテスト項目を選択し、「今すぐテストを実行」をクリックします。リストにあるマルチキャストは、6.6では必要ありません。
下図はテスト結果です。プロアクティブテストは導入後のエビデンスとして使えそうです。
健全性サービスの機能強化
<ハードウェア互換性>
ハードウェア互換性では、コントローラのファームウェアのチェックに加え、最新のOEMファームウェアやドライバのアップデートも可能です。
vSAN HCLは提案時にCompatibility Guideを確認するだけではなく、構築時には「健全性」のテスト結果から最適なファームウェアやドライバであるかの確認をお勧めします。
正しい健全性チェックのためには、vCenter Server内のvSAN HCL DBを最新にしてください。DBを最新にするには次の画面から行います。
<オンライン健全性>
健全性に「オンライン健全性」が追加されました。
オンライン健全性は、新しいサポートの推奨事項やベストプラクティスを、リアルタイムに通知します。オンライン健全性を使用するには、カスタマエクスペリエンス改善プログラムに参加する必要があります。
パフォーマンスサービスの機能強化
パフォーマンスサービスに、「ネットワーク」「再同期」「iSCSI」の統計が追加されました。
パフォーマンスサービスを使用するには、「設定」-「vSAN」-「健全性とパフォーマンス」で、パフォーマンスサービスを有効にします。
時間の範囲で、「時間の範囲の保存」を選択すると、指定した時間範囲 (下図なら現時点から過去1時間) のパフォーマンス情報を後から表示することも可能です。
VMware vSAN 6.6ついては以上です。6.6.1では次の新機能および機能強化がなされています。VMware vSANはどんどん進化していますね。今後も楽しみです。
- vSphere Update Manager によるvSANのビルドに関する推奨事項
- パフォーマンス診断
- Gen-9 HPEコントローラ (パススルーモード) のロケータLEDのサポート
HPE教育サービスでは、vSANのVMware認定コースを提供開始します。トラブルに対応するにはアーキテクチャを知ることは重要です。ぜひこの機会に学んでみませんか。
次の開催日程は、1/29(月)-31(水)です。申し込みはお早めに!
VMware vSAN: Deploy and Manage [V6.6] 3日間コース
日本ヒューレット・パッカード株式会社 教育サービス 中川明美
記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@miyo4i)
今回はvSANのブログ記事です。HPEにおられるお友達の中川さん(アケミちゃん)にお願いしてかいてもらいました。Ready Nodes、VxRailなど、ハードウェア中心の訴求がなされる中で、ちゃんとvSANをソフトウェアとして理解することも重要だと思いまして、こんなブログを書いてもらいました。不定期連載ですが、インフラの骨盤をしっかり矯正して(笑)くれる内容になるはずです。
乞うご期待!