こんにちは、ネットワールドの海野です。
おかげさまで NVIDIA 様より NVIDI vGPU Community Advisor (NGCA) の認定をいただきました。
NGCA についてはこちらをご覧いただければと思います。
さて、このブログをご覧のみなさまは EUC についてご存知の方も多いと思いますが、今回は NVIDIA の vGPU について、よくいただくご質問を解説してまいります。
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vGPU は何に効果があるの?
VDI においては、 vGPU が搭載されることにより画面の描画に割いていた CPU リソースを GPU にオフロードすることができ、「 VDI ホスト(物理サーバーのクラスター)の CPU リソースの縮減」と「 VDI 画面転送の高品質化」が期待されます。
なお、ネットワールドが利用している VDI では以下のようなワークロード(作業)が主に利用され、 GPU マークが付いている項目の CPU 負荷軽減に有効です。
※ Lakeside SysTrack にてデータ収集を実施しました。
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ざっくり事務用 VDI の vGPU サイジングはどうすればいいの?
よくいただくご質問ですが、それを紐解くには NVIDIA のオフィシャルドキュメントを確認し、 vGPU のプロファイルについて知る必要があります。
※本来は物理 PC や既存の VDI のアセスメントを実施いただき、それに基づいたサイジングを実施いただく必要がありますが、ここでは説明の簡単化およびプロファイルの概念の理解を目的としたサイジング指針を前提とします。
2020年3月現在、オフィスユースの VDI には Tesla M10 という GPU がよく利用されますが、このドキュメントには Tesla M10 Virtual GPU Types という項目があり、こちらに詳細が記載されています。
上記のURLを開くと一覧表がありますが、まずは vGPU の使用目的 (Intended Use Case) を確認します。
- Virtual Wokstation : CAD などのプロユース VDI
- Virtuak Desktops : 一般的な仮想デスクトップ ( OA 用途)
- Virtual Applications : Windows Serverによる公開アプリ (Citrix Virtual Apps や VMware Horizon Apps など)
ここでは ざっくり事務用 VDI のサイジングですので、 Virtual Desktops を選定します。
これがSTEP1です。次にひとつのVDIあたりに割り当てるグラフィックメモリ ( Frame Buffer ) を考えていきますが、ここで注意しなければならないのは Windows 10 では少なくとも 1024 MB 以上のグラフィックメモリの割り当てが推奨されるという指針です。
2019年12月にリリースされている NVIDIA GRID: Windows 10 vGPU Profile Sizing Guidance の P.10 において、仮想マシン単位のグラフィックメモリの使用量サンプルが記載されていますが、グラフィックメモリの割り当てによって増減はあるものの、M10-1Bのアイドル時でも240MB以上のグラフィックメモリを使用することがわかります。
これを踏まえますと、 M10-0B のグラフィックメモリ 512MB では Windows 10 を動作させるには心もとない容量であるということが言えます。ということで、ここでは最小要件として グラフィックメモリ 1024MB を選定します。
これがSTEP2です。この2点が決まると自動的に M10-1B という Virtual GPU Type に決まります。
これにより1枚の Tesla M10 あたり、32台の VDI に vGPU を割り当てることが可能です。
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vGPU プロファイルの読み解き方
さて、この M10-1B というプロファイルですが、他にもいろいろなタイプがあることがお分かりいただけるかと思います。
例えば、M10-8Q であるとかM10-1Aであるとか…。
これにはどんな意味があるのかを下図で解説しました。
これからも NVIDIA vGPU についての情報発信をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。
記事担当者 : 海野 航 (うんの わたる)