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【Zenith Live 2026】基調講演まとめ|ゼロトラストが示すAIエージェント時代のセキュリティ(現地レポート)

こんにちは。ネットワールドでネットワーク系SEをしている今井です。

現在、ラスベガスのFontainebleauホテルで開催されているZscaler最大の年次イベント「Zenith Live 2026」に参加しています。今回は、基調講演で創業者兼CEOのJay Chaudhry氏らが語った重要ポイントを整理しつつ「AIエージェント時代のゼロトラスト」をテーマに、特に印象に残ったポイントを現地からレポートします。

Zenith Live 2026会場(Fontainebleau Las Vegas)

Zenith Live 2026 現地レポートシリーズ
【Zenith Live 2026】基調講演まとめ|AIエージェント時代のゼロトラスト戦略 - ネットワールド らぼ (本記事)

【Zenith Live 2026】基調講演まとめ Day-2 (現地レポート) - ネットワールド らぼ

【Zenith Live 2026】セッションレポート|AIエージェント時代に不可欠なゼロトラスト実装と「AI Broker」 - ネットワールド らぼ

【Zenith Live 2026】全体まとめ (現地レポート) - ネットワールド らぼ

 

 

免責事項

本記事は、Zenith Live 2026の基調講演内容をもとに筆者が作成したレポートです。
記事中の内容は執筆時点の情報に基づいており、今後変更される可能性があります。
記事に記載された内容は筆者の理解に基づくものであり、正確性・完全性を保証するものではありません。
最新の情報については、Zscaler社の公式情報をご確認ください。


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基調講演のポイント
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■ 境界型ネットワークセキュリティの限界とゼロトラストの必然性

IPアドレスやファイアウォールをベースにした境界型防御は限界を迎えており、すべての通信をポリシーエンジンで検証する「交換機」型アーキテクチャへの移行が必要である。

■ AI時代のリスクの本質は「人」から「AIエージェント」へ

自律的に稼働し意思決定を行うAIエージェントが新たな労働力となる中、ミリ秒(マシンスピード)で動作するエージェント自身が新たなリスクとなる。

■ 「パッチ当て」の限界と「存在の隠蔽」

AIにより脆弱性発見のスピードが飛躍的に向上する中では、従来の脆弱性管理だけでは防御が追いつかない。アプリケーションをインターネットから見えなくするアプローチが重要になる。

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要点まとめ
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① Zscalerの原点:ファイアウォール(城と堀)を排除するシンプルな確信

2007年の創業当時、iPhoneの登場やSaaSの普及を見据え、Jay Chaudhry氏は「アプリケーションとユーザーが分散する世界では、ネットワークとセキュリティの常識が変わる」と確信しました。

彼が導き出した答えは、ネットワークの各所にファイアウォール(城と堀)を配置するのをやめ、「インターネットそのものを企業ネットワークにする」というシンプルなアーキテクチャです。

すべての通信をアイデンティティとビジネスポリシーに基づいて直接接続する「ポリシーエンジン(交換機)」として機能させることが、同社のコアとなっています。

【具体的なエピソード】

創業当時、ほとんどの人がこのアイデアを不可能だと否定する中、GEのグローバルCTO/CISOであったLarry Biagini氏だけはビジョンに共感し、GEの大規模なデジタル変革を共に成し遂げました。

彼は退職後、このビジョンを世界に広めるためにZscalerへ参画しています。

 

② 産業革命を超える「ギガ・ウェーブ」:ツールから自律的な労働力へ変わるAI

Jay氏は、現在のAI革命を数百年かけて進んだ産業革命とは比較にならない超高速の波「ギガ・ウェーブ(Giga Wave)」と表現しました。

これまでのインターネットやクラウド時代は「人間がページやアプリにアクセスする」ものでした。

しかしAI時代は、「AIエージェントそのものが自律的な労働力になる」という決定的な違いがあります。

AIエージェントは人間の指示を待たずに意思決定し、ミリ秒単位で動作し、他のAIシステムと自律的に通信します。

【AWSからのコメント】

「If your agents can't talk to your data, they're just demos.」

AIエージェントが企業データへ安全にアクセスできなければ、実運用には耐えられません。

今後は、セキュアなデータアクセス基盤の整備が重要になります。

 

③ マシンスピードの脅威:AIエージェントが新たな攻撃対象となる時代

これまでのサイバーセキュリティでは、人間が最も脆弱な要素と考えられてきました。

しかし今後はAIエージェント自身が新たなリスク要素となる可能性があります。

AIエージェントは24時間365日稼働し、複数のAIエージェントを生成しながら処理を並列化できます。

この環境で認証情報の窃取やプロンプトインジェクションが発生すると、被害は瞬時に拡大します。

【KPMG CISOのコメント】
数年前は1年以上かかっていた攻撃チェーンが、現在は15分未満に短縮されているとのことでした。

AIによってこのスピードはさらに加速すると考えられます。

 

④ 「パッチ管理」の破綻とアプリケーションの隠蔽

LLMの進化により、脆弱性発見の速度は今後さらに向上すると考えられています。

企業内には未修正の脆弱性が大量に存在しており、パッチ適用だけに依存する運用は限界を迎えつつあります。

Zscalerが提唱するのは、

「アプリケーションをインターネットから見えなくする」

という考え方です。

見つけられなければ攻撃対象となる可能性を大幅に低減できます。

そのためユーザー、拠点、ワークロードに続き、AIエージェントを保護する「Zero Trust for AI」へとプラットフォームを拡張しています。

 

⑤ Zenith Live 2026で発表された注目機能(AIエージェント向けセキュリティ機能)
AIエージェントの利用拡大に伴う新たなセキュリティ課題に対応するため、今回の基調講演では複数の新機能が発表されました。

1. AI Broker

AIエージェントやLLMへの通信をインラインで検査・制御する機能。

2. Access Graph

AIエージェント、アプリケーション、データソース間の接続関係を可視化する機能。

3. Endpoint Security強化

AIエージェントが動作する端末のテレメトリを統合し、マシンスピードで脅威を検知する機能。

 

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技術的なポイント解説
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レガシーなSD-WANとゼロトラストの違い

Jay氏は、「SD-WANはコストを下げただけで、本質的には従来のメッシュネットワークと変わらない」と語りました。そして、多くのSD-WAN環境では、拠点間がネットワーク的に接続されているため、ある拠点が侵害されると他拠点へ横展開されるリスクがある点を指摘しています。

 

【レガシーなメッシュネットワーク】

拠点A(感染)
 ↓
通信可能
 ↓
拠点B(データセンター)

※侵害されるとネットワーク全体へ波及

 

【ゼロトラスト(アイランド型)】

拠点A(孤立)

 ↓

Zscaler Exchange(ポリシー判定)

 ↓

拠点B

※拠点同士は直接接続されない

 

ゼロトラストでは、各拠点を完全に独立した存在として扱い、すべての通信をクラウド上のポリシーエンジンで仲介します。

これにより、ネットワークレベルでの横展開リスクを大幅に低減できます。

 

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現地参加して感じたこと
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会場の雰囲気はネットワーク系メーカーのイベントらしく、くだけた感じのSEさんが多く参加しており、非常に活気にあふれていました。

そしてテーマ的に強く感じたのは、ゼロトラストの対象が「人」から「AIエージェント」へと拡張されていることです。

これまでのZPAやZIAは人間のアクセス保護が中心でしたが、今後はAIエージェント同士の通信や、AIエージェントによるデータアクセスをどう制御するかが重要なテーマとして取り上げられていくと感じています。

 

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まとめ
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今回の講演から分かるポイントは以下の3点です。

① AIエージェント時代には、人間とは異なるミリ秒単位のアクセス制御が必要になる

② パッチ管理だけでは防御が追いつかず、「アプリケーションを隠す」という考え方が重要になる

③ SD-WANやメッシュネットワーク中心の考え方から、クラウド交換機を中心としたゼロトラスト設計への転換が求められる

AIの利便性を最大限活かすためにも、インフラ・セキュリティエンジニアは「境界をなくすアーキテクチャ」の理解を深める必要がありそうです。
今回の基調講演は、ゼロトラストの対象が「ユーザー」から「AIエージェント」へ拡張される転換点を示す内容だと感じました。