本稿ではNetMotion Platform のうち、トラブルシューティングと可視化を行うDEM機能について紹介します。
リモートワークにおける可視化の重要性
現在、リモートワークの導入によって従業員がさまざまな新しい問題に直面しているが、状況を正確に把握することが極めて難しく、対処方法が明確にできない(または解決に時間がかかる)ということが新たな課題としてあります。
NetMotion DEM機能は、一般的な製品では実現できない、NetMotion のエンタープライズVPN外(ローカルブレイクアウト)の通信も情報収集し、分析することができますので、リモートワークにおける「パフォーマンス」、「セキュリティ」、「コスト」、「インベントリ」をすべて把握できます。
NetMotion のDEMソリューション
NetMotion のDEMソリューションは、NetMotionのエンタープライズVPN通信内だけでなく、あらゆるネットワークでリモートワーカーのエクスペリエンスを監視することができ、それによりリモートワーカーのエクスペリエンスを改善するための手段にもなります。
NetMotion では、ネットワークの速度、デバイスの状態、アプリケーションの種類、Web の使用状況、トラブルシューティングといった多数の基準に則した情報を得ることで、リモートワーカーのエクスペリエンスを正確にマップし把握することができます。
NetMotion Mobile IQ のシステムアーキテクチャー
※重要※
NetMotion のDEM機能はMobile IQ というサーバーコンポーネントにより実装されます。Mobile IQ はCompleteライセンスで利用することができます。
それではMobile IQ について、まずは各情報を収集する仕組みから確認していきましょう。
Mobile IQは、Mobilityクライアントによって収集されたデータを索引付けして表示するWindows Serverプログラムです。
データパイプラインは、Mobilityクライアントのソフトウェアを実行しているモバイルデバイスから始まります。クライアントアプリケーションは、ネットワークのセキュリティとパフォーマンス、アプリケーション使用量、およびインベントリ情報など、さまざまなデータを収集します。この情報はMobilityサーバーに送信され、そこからMobile IQに転送され、コンソール上で表示および分析されます。
下図はデータパイプラインの概要です。
この様にMobility Clientがエージェントの様な動作になっており、クライアント端末の情報を収集する仕組みになっているため、VPNトンネル外の通信も把握することを実現していることが理解頂けたと思います。
リモートワーク利用時の管理 (Mobile IQ なし)
ユーザーから「接続出来ない」と問い合わせがあった場合、管理者の対応例として下記の様なことがあげられます。
・Wi-Fi やネットワークの接続状態をヒアリングして問題ないことを確認
・端末のアクティビティ履歴をユーザーの記憶から確認(正確でないこともある)
・通信の宛先(IPアドレスやドメイン) ごとの 通信量を分析
・アプリケーション ごとの 通信量を分析することは困難
・端末上で Ping, トレースルート、http接続テスト を ヘルプデスクがリモートもしくは電話で伝えながらユーザー自身が実施
・端末上で スピードテスト などをヘルプデスクがリモートもしくは電話で伝えながらユーザー自身が実施
この様に、曖昧なユーザーの記憶を頼りにユーザー固有のエンドポイント情報をヒアリングしながら、切り分けをしていくことになり、とても多くの時間を使わなければなりません。
リモートワーク利用時の管理 (Mobile IQ あり)
Mobile IQ を導入した場合、どの様に対応出来るのか比較してみましょう。
1.トラブルの原因、端末の状態、及び通信量が多い理由を知りたい場合
・Wi-Fi 接続状態を自動で確認して、履歴を収集
・端末のアクティビティ履歴を収集 (例:スタンバイ/レジューム、Wi-Fi へ接続)
・通信の宛先(IPアドレスやドメイン) ごとの 通信量を分析
・アプリケーション ごとの 通信量を分析
・端末上で Ping, トレースルート、http接続テスト を 自動実行してログ収集
・端末上で スピードテスト を 自動実行してログ収集
2.どのように働いているか可視化したい場合
・どのようなサイトにアクセスをしているか確認
・どのようなアプリケーションを利用しているか確認
・どんなWi-Fiにアクセスしているか確認(暗号化の有無)
・危険なサイトや業務に関係ないサイトへのアクセスをブロック機能の確認
・シャドーITを可視化
いかがでしょうか?Mobile IQ を導入することで従来通りの方法と比較して、対応にかかる時間を大幅に削減することが出来るのではないでしょうか。
また、ここで分かることは、従来通りの企業内で管理された一定のユーザー環境であればIT管理者は状況を把握することができますが、リモートワーク(モバイルワーク)においてはすべてのユーザー環境はそれぞれ異なるため、仮にVPNがつながらないなどのトラブルが発生した場合に明確な対処方法をすぐに提示することが難しいということになります。
このVPN外の通信も含めて把握出来ることがMobile IQ の特徴の1つでもあります。
Mobile IQ 利用のイメージ
それでは、Mobile IQ の利用例をいくつか紹介してみますので参考にしてみて下さい。
★通信状況の可視化
52種類ものダッシュボードを備えているので用途(パフォーマンス、セキュリティなど)に合わせて表示が可能です。
★テレワークでの通信トラブル診断
ユーザー端末の状況を判断するために、疎通確認や電波強度などの履歴を追うことも可能ですし、ユーザー端末の接続テストや速度テストを実施することも可能です。
★アクティビティーの可視化
ユーザー端末の通信履歴を確認することが出来ます。
アクセスポイントや利用時間などを可視化することが可能ですので、ネットワーク利用の観点からリモートワークのアクティビティ管理を行うことが出来ます。
まとめ
リモートワークの需要ますます高まり、それに対する課題も多く出てきました。または課題と認識出来ていない可能性もある様な状況かもしれません。
Mobile IQ を利用することで、ユーザーが利用する環境を可視化できるため、これらの課題もすぐに把握し、解決することが出来るようになります。
日々、問い合わせが多い環境にはもちろんのこと、何もトラブルが無いと考えている環境でも、まずは可視化して課題(リスク)を抱えている環境かどうかを把握するところからスタートすることも考えてみてはいかがでしょうか。
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問い合わせ先: netmotion-info@networld.co.jp
記事作成:NetMotion 製品担当チーム