皆様こんにちは。
ネットワールド ストレージ担当 後藤です。
前回は、PowerStore4.0から登場した、「ユニバーサルストレージインポート」機能を紹介いたしました。
前回はブロック領域のインポートでしたが、今回はファイル領域のインポート機能の紹介をさせていただきます。
ファイルインポート機能では、VNXやUnityのNASサーバを、PowerStoreへ簡単に移行できる機能です。
同機種(例:Unity to Unity)間でのデータ移行は、最近は筐体間レプリケーション等で行えるようになっていますが、UnityからPowerStoreへの乗り換え等機種が変わってしまうと、レプリケーション機能による移行ができないことが多いため、Fileの場合はrsyncやrobocopyなどでコツコツと移行する、というやり方が多かったのではないでしょうか。
この場合、実際にコピーをするサーバを準備したり、移行する際に移行元のNASを止めて、移行先のNASのIPアドレスを変更するなどの手間がかかるので、移行も一苦労しますよね。
PowerStore 4.0から追加された、ユニバーサルストレージインポート機能を使えば、この苦労から解放されます。
実際に、UnityからPowerStoreへNASサーバを移行してみたので、今回はこの様子を紹介いたします。
まずは、全工程をステップごとに確認していきます。
①事前準備(ソース)
移行元Unity側において、以下の設定が必要となります。
1.iSCSIインターフェイスの設定(未設定の場合)
2.移行対象NASサーバに、本番I/FとしてIPを一つ割り当て
3.移行対象NASサーバの拡張ACL変更(SMBの場合のみ実施)
②事前準備(ターゲット側)
移行先PowerStoreにて、以下の事前準備を実施します。
1.ファイル移動用IPアドレスの割り当て
2.リモートシステムの追加
③データ移行、切り替え
移行先PowerStoreにて、インポート、カットオーバー、コミット処理を行います。
1.NASサーバのインポート
2.カットオーバー
3.コミット
となります。
また、今回の検証環境のイメージが沸きやすいように、構成を簡易図で作成してみました。

また、今回はIPアドレスが多いので、最初に一覧を作っておきます。

恐らく今の時点ではよくわからないかもしれませんが、一度手順を最後まで追いかけた後に再度見ていただくと、イメージが沸きやすいかもしれません。
それでは、各項目ごとに手順を確認していきましょう。
①事前準備(ソース)
移行元Unity側において、以下の設定が必要となります。
1.iSCSIインターフェイスの設定(未設定の場合)
UnityでNASのみを使用している場合、iSCSIインターフェイスの設定がされていないこともあるので、この設定を実施します。

必要に応じて(VLAN等)接続ポートの対向スイッチ設定も変更してください。
2.移行対象NASサーバに、本番I/FとしてIPを一つ割り当て
実際に使用しているNASサーバ用IPとは別に、新規にIPアドレスを割り当てます。

3.移行対象NASサーバの拡張ACL変更(SMBの場合のみ実施)
移行対象NASサーバが、SMBの場合のみ、sshでUnityに接続してCLIで拡張ACLの設定を変更します。
Unityは、デフォルトではsshサービスが無効なため、必要に応じてsshを有効化する必要があります。
また、UnityにCLIでログインするときは、serviceユーザでログインする必要があるため、adminとパスワードが異なる場合は事前に確認が必要です。
◆確認コマンド
svc_nas△(移行対象のNASサーバ名)△-param△–facility△–all△–list△|△grep△acl
◆変更コマンド
svc_nas△(移行対象のNASサーバ名)△-param△–facility△cifs△-modify△acl.extacl△-value△28

以上で、Unity側の事前準備は完了です。
②事前準備(ターゲット側)
続いて、ターゲットとなるPowerStore側の設定を実施していきます。
1.ファイル移動用IPアドレスの割り当て
PowerStore GUIより、ファイル移動用IPアドレスを設定します。
[設定]-[ネットワークIP]-[ファイル移動]-[作成]をクリックし、「ファイルクラスターIP」(x1)と、「ファイル移動ネットワークIP」(1*ノード数)を設定します。

設定後、[ネットワークのマッピング]をクリックして、設定したIPをマッピングしましょう。

2.リモートシステムの追加
続いて、移行元となるリモートシステムを追加します。
[移行]-[外部ストレージのインポート]-[+ リモートシステムの追加]をクリックし、以下の情報を入力していきます。
タイプ:Unity
機能:Unified
管理IPアドレスまたはFQDN:移行元Unityの管理IPアドレス
データ接続タイプ:[iSCSI IP]を選択し、ソースUnityのiSCSIインターフェイスのIPを入力
ユーザー名:admin
パスワード(Unityのadminパスワード)
サービスアカウントのユーザー名:service
サービスアカウントのパスワード(Unityのserviceパスワード)
その他の部分は、適宜入力、選択して、[追加]をクリックします。
「ユーザ権限付与」画面にて接続先を確認して[確認]をクリックします。
成功したら、[ボリュームの取得]ボタンをクリックします。

リモートシステム検出ジョブが開始されますので、ジョブが終了すると以下の状態になるかと思います。

前回のブログでも、「部分的なデータ接続の喪失」が表示されていたかと思いますが、やはりiSCSIセグメントが2つに分かれていて、2つのセグメント間で通信ができない場合に表示されます。
1経路でもあればデータ移行は出来ますので、ご安心ください。
③データ移行、切り替え
いよいよデータ移行、切り替えを実施していきます。
1.NASサーバのインポート
移行対象のNASサーバを選択して、[NASサーバのインポート]ボタンをクリックします。
「NASサーバの選択」画面にて、移行対象のNASサーバを選択して[次へ]をクリックします。
「移行インターフェイスの選択」画面では、手順①-2にて設定した、移行用IPアドレスを選択して「次へ」をクリックします。
「本番インターフェイスの選択」画面では、移行するNASのIPアドレスを選択し、[+ ネットワークインターフェイスの割り当て]をクリックします。
「ネットワークインターフェイスの割り当て」画面にて、PowerStore側で使用するインターフェイスを選択して[適用]をクリックし、[次へ]をクリックします。
「インポートの構成」画面では、以下を設定していきます。
インポートセッション名:任意のセッション名を入力する。
ファイルインポートタイプの詳細
「すぐに開始」か「任意の日時を指定して開始」を選択する。
SMB管理者のユーザ名:(この例では、Domain Adminを指定しています)
SMB管理者のパスワード:(上記ユーザのパスワードを入力)
インポートインターフェイス:[インポートインターフェイスの追加]をクリックし、PowerStore側にIPアドレスを付与します。
ネットワークインターフェイスを追加後、[インポートインターフェイス]のプルダウンから選択できるようになるので、選択して[次へ]をクリックします。
必要に応じて「保護ポリシー」を割り当てます。
最後に、内容をレビューして[インポートの開始]をクリックします。



これで、旧Unityから新PowerStoreへのデータ移行が開始されました。
ソースの容量次第で完了するまでの時間が左右されますが、しばらく待つと同期が完了します。

同期が完了し、切り替えのタイミングが来たら、いよいよ切り替えです。
2.カットオーバー
[インポートアクション]-[カットオーバー]をクリックします。
「インポートのカットオーバー」画面にて、必要項目を入力していきます。
ソースPC名の変更:(ソースのNASサーバNetBIOS名と同一では続行できないため、名称を変更します。)
ドメイン名:
組織単位:
SMBドメインのユーザー名:(この例では、Domain Adminを指定しています)
SMBドメインのパスワード:(上記ユーザのパスワード)
入力後、[適用]をクリックします。

カットオーバー処理中は、NASサーバへの通信が一時的に切断されます。
但し、ごく短時間ですので、弊社検証環境においては、SMBセッションは保持されていました。

それでは、いよいよコミットです。
後戻りはできないので、コミット前にデータが移行されているかなど確認しておきましょう。
3.コミット
移行対象のNASサーバを選択して[インポートアクション]-[達成予測]をクリックします。
注意事項を確認し、[コミット]をクリックします。

ソースとなるUnity側からは、NASサーバ用IPアドレスが消えている状態になりました。
一方、ターゲットとなるPowerStore側では、Unityで使用していたNASサーバのIPを引き継いで、NASサーバが移行されていました。

いかがでしたでしょうか。
思ったよりも簡単に機種間移行ができたのにビックリしました。
事前準備が多少多いですが、チェックリスト化もしやすいので、簡単にPowerStoreへNASを移行できるので、
保守切れを迎えるUnityから、PowerStoreへの移行もしやすくなるのではないかと感じました。
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