この記事はレノボ・エンタープライズ・ソリューションズの小宮様に寄稿いただきました。
今回は、Lenovo社が提供するネットワーク製品とネットワーク自動化ソリューションについてご紹介致します。
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レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ小宮です。本日はNutanixのソリューションでも重要な要素になるネットワークに関する話題を取り上げてみたいと思います。
まずは、レノボのネットワーク製品に関する話題とNutanix環境におけるネットワークの自動化ソリューションについてお話します。
- レノボのネットワーク製品について
まず、レノボがなぜネットワーク製品を出しているのか?と思う方もいらっしゃるかと思います。レノボは2014年10月にIBMからx86サーバの事業を移管されてきたときに、IBMが買収していた旧Blade Network Technology社の製品がそのままレノボに移ってきたことになり、データセンター系製品のラインナップが現在もあります。
また、レノボのネットワーク製品ですが、業界のアナリストからも高い評価を得ています。
- パフォーマンスと互換性に優れている
- SDNやNFV向けの新たなテクノジーを持っている
- データセンター事業者にとって最も低いTCOを提供可能
- については、競合他社に比べ、パフォーマンス面で優れていることと相互接続性も問題ない調査が記載されています。
- については、SDNおよびクラウド向けのネットワーク対応があるだけでなく、世界の通信事業者向けのNFV(Network Functions Virtualization)におけるPoC環境を提供しています。
⓷については、競合他社に比べ、TCOの観点で優れていることが記載されています。
あまり知られていない内容ではありますが、これを機に覚えて頂ければと思います。
こちらがLenovoのネットワーク製品のポートフォリオになります。ソフトウェア(Cloud Network Operating System[CNOS])に関しては、ネットワーク機器を管理するXClarityの対応をはじめとして、Telemetryなどのネットワークの予兆検知・将来予測などのSDN機能などもございます。今回はこの中でもNutanixのPrismと連携可能なThinkAgile Network Orchestrator(CNOS対応必須)を最後に紹介したいと思います。
ハードウェアに関しては、通常の1Gスイッチに加えて、ハイパーコンバージドやiSCSIストレージ環境で利用される10G/25Gトップオブラックのスイッチラインナップ、データセンター向けのコアスイッチに相当する40G/100Gのスイッチがございます。このうち
このうち、CNOSに対応しているのはThinkSystem NEシリーズのスイッチになります。
ここで、ThinkSystem NEシリーズの説明をします。今回すべてのスイッチでCNOSが対応することが可能になっているわけですが、こちらはVLAG環境で利用することが前提となっており、仮想マシンの状態と連動してネットワークの設定が可能になっています。また、XClarityによるスイッチ管理やVMware Log InsightやOpenStackなどの連携により、オープンな環境で利用できます。また、これらはAnsibleやREST APIなどにも対応しており、今回はNutanix PrismとREST APIの連携により仮想マシン作成時・変更時・削除時のVLAN設定変更の自動化を行います。
- Lenovoのスイッチがもたらすメリットとは?
従来のネットワークは3層のアーキテクチャになっていて、Access系からCore系にアクセスするというNorth / South型のネットワーク構成になっていました。このネットワークはどちらかというとクライアントーサーバ系の通信でよく使われており、大規模で高額なコアスイッチが必要となります。こちらの構成は拡張を前提していないため、トラフィックが混雑してしまった場合に対処が難しくなります。
特に昨今は仮想化環境によりクライアントーサーバ通信よりもむしろサーバ間通信のほうが多くなってきており、East-West型のネットワークが主流になってきています。このようなネットワークを構成するときに利用するのが、LEAF/SPINEと呼ばれるデータセンタースイッチングの技術になります。この構成の特徴はネットワークをスケールアウトに拡張できること、高額なスイッチを用意せず比較的安価なスイッチをフラットに配置して構成します。このような構成するスイッチにレノボのThinkSystem NEシリーズがまさに適していると言っても過言ではありません。また、従来型な構成で必要な高額なスイッチのラインナップはレノボにはありません。トップベンダーに比べても比較的安価に購入できるレノボのスイッチをデータセンター近代で利用するのも良いと思います。
- データセンターのネットワーク管理における悩み事
データセンター内のネットワーク運用で管理者を悩ませることが数多くあります。例えばネットワーク機器についてはお客様を多く収容しすぎてVLANの制限(4096)やセキュリティに引っかかってしまうこともあります。仮想マシンの設定変更によって、ネットワークの切断やメンテナンス作業が発生してしまうこともあります。また、手動でのネットワーク設定を行うことにより、夜間作業や休日作業を余儀なくされヒューマンエラーにつながりダウンタイムが発生することが考えられます。このようなことを避けるためにもネットワークの設定の自動化が必要になります。
- Lenovo ThinkAgile Network Orchestratorの登場
先にも述べたようにThinkAgile Network OrchestratorはNutanix PrismとThinkSystem NEシリーズとAPI連携することによりネットワークの設定変更を自動化します。Prism上でトポロジーを検出して、仮想マシン作成・変更に合わせてスイッチにネットワーク情報を送信します。仮想マシン作成時に行うことで、事前にネットワークスイッチへのコンフィグ追加の作業が不要になります。これによりメンテナンスウインドウも不要でTCO削減につながります。また、稼働したままでの設定変更であることから稼働時間の向上にもつながり生産性の向上にもつながります。
- ThinkAgile Network Orchestratorが解決する問題
ThinkAgile Network Orchestratorが解決する問題は主に4つの内容になります。
- ヒューマンエラー
- ネットワークの停止
- ネットワーク管理者の依存
- 効率性
完全自動化によりヒューマンエラーはなくなり、ネットワークの停止もなくなります。また、VLAN設定を事前に行う必要がないことから、管理者による作業はなくなります。VLAN管理を行う必要がなくなることから管理によるオーバーヘッドが削減されます。
自動化した場合と自動化しなかった場合での内容の違いを記載してみました。
ThinkAgile HXにはNetwork Orchestratorは標準では利用できるわけではなく、別途作業が必要になりますが、スイッチ上にコンフィグを10行程度追加して、Prismからスイッチの管理ポートと通信できるようにすれば設定は終了です。
Lenovo ThinkAgile HXとThinkSystem NEシリーズの組み合わせで一括サポート可能なハイパーコンバージド環境が提供可能になります。
参考までにThinkAgile Network Orchestratorのコールフローを記載しておきます。スイッチに事前作業およびPrismでスイッチを認識させる作業が終了すれば、機能が利用可能になります。管理者が仮想マシンを作成時にVLANを指定すると、スイッチ側に設定が反映されてネットワークが利用できるようになります。
もちろん作成時だけでなく、変更時や仮想マシン削除・シャットダウン時にも連動してVLANの利用状況をスイッチと連携することにより、必要のないネットワークは設定しないようにしています。
小規模でシステム管理者が少ない企業で、仮想化環境でサーバ直下のスイッチの管理をサーバ管理者が行う場合に非常に適しています。
現状はESXiにも対応しておりますので、Nutanix環境で積極的にご提案して頂ければと思っております。
よろしくお願い致します。
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今回は小宮様に Lenovo 社の ネットワーク製品とネットワーク自動化ソリューションについてご紹介いただきました。
小宮様には今後も定期的に寄稿いただく予定ですので、みなさまどうぞご期待ください!