この記事は、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズの小宮様に寄稿いただきました。
前回より始まりました、Lenovo XClarity に関するブログの連載ですが、今回は第2弾として、Lenovo 社が提供する XClarity Essentialsおよび XClarity Administratorに関するご紹介となります。
本日はLenovoのThinkSystemサーバーを管理するソフトウェアXClarityについての第二弾としてサーバー単体の管理を行うXClarity EssentialsおよびThinkSystem 製品全般よThinkAgile製品の管理を行うXClarity Administratorについてお話したいと思います。
- XClarity Essentialsとは?
XClarity Essentialsはサーバー管理ツールのコレクションです。対象はサーバー1台に関しての管理になるので、複数台の集中管理を行う場合はXClarity Administratorをご利用下さい。
管理ツールのコレクションということですが、アーミーナイフのようにナイフであるにも関わらず、ナイフ以外の機能を備えていてキャンプにはこれ一つあれば事が足りる製品です。それがサーバー1台の管理であれば、XClarity Essentialsを利用して頂ければ管理は容易に行えます。ただし、ストレージ製品やネットワーク製品はこちらの製品に対応しておりません。
XClarity Essentialsは3つのツールが提供されています。
1.XClarity Essentials OneCLI
OneCLIはWindows/Linux上で稼働するポータブルなコマンドライン ユーティリティでありシステム管理のキーとなるアップデート、インベントリー管理、設定を行うことができるオールインワンのユーティリティです。これを利用してThinkSystemのすべてのファームウェアをリモートから更新可能(ドライバーはローカルのみ)です。もちろん、スクリプトによる自動化ソリューションを作成することもできます。
2.XClarity Essentials Bootable Media Creator
XClarity Essentials Bootable Media Creator(略してBoMC)はオフラインでファームウェアを更新するためのブータブルメディア(ISO、USBメモリー、PXEイメージ)を作成するツールで、作成ツールはWindows/Linuxに対応しており、作成した起動メディアはOSに依存しません。ThinkSystemに加えて既存のSystem xもサポートします。
3.XClarity Essentials UpdateXpress
XClarity Essentials UpdateXpressはOS上からファームウェアやドライバーをアップデートするためのポータブルなGUIツールです。(Windows/Linux対応)
リモートからのアウトバンドでファームウェアを更新可能になっています。(Windows/Linux/VMware)
ThinkSystemのすべてのファームウェアをリモートから更新可能です。(ドライバーはローカルのみ)
XClarity Essentialsについてですが、先ほどThinkSystemのみならず既存のSystem xにも対応していることを記載させて頂きました。それぞれの機能に対応したツールについてはイメージを参照して頂ければと思います。
- XClarity Administratorについて
XClarity Administratorは複雑さを軽減し、レスポンスを迅速化して、LenovoのThinkSystemインフラストラクチャーとThinkAgileソリューションの可用性を向上させるために設計されたエージェント不要の集中管理ソリューションです。ネットワーク上の管理対象システムを自動検出して、リアルタイムにシステムを監視してアラートを送信します。ポリシーに基づいたファームウェア管理やサーバー構成パターンの配布に加えて、OSやハイパーバイザーのデプロイをサポートします。操作性も非常によく優れたUIを持っています。
以下のXClarity Administratorの主な機能と提供する価値について記載致します。
XClarity Administrator: 主な機能と価値
直感的なグラフィカル・ユーザー・インターフェイスでダッシュボード型のインターフェイスにより、管理者は迅速に情報を見つけタスクを遂行できます。自動検出とインベントリでLenovoインフラストラクチャーを自動的に検出し、ハードウェアのインベントリ・ステータスを分かりやすく表示します。
ファームウェアの更新とコンプライアンスについて、ポリシーベースのファームウェアアップデートを使用して、ユーザー指定のファームウェアレベルの適合性を調査し、コンプライアンスに基づきファームウェアを迅速に導入することができます。構成パターンに基づいて複数システムのプロビジョニングを迅速に行います。構成パターンは一連の定義済み構成設定も含まれます。事前定義されたUEFI設定は特定のワークロード環境に対して最適なサーバー構成パターンをすぐに使用できます。
ベアメタル・サーバーの導入をサポートします。システムをより簡単かつ迅速に提供するために、XClarity Administratorは仮想アプライアンス形式で提供されています。ベアメタル・サーバーにオペレーティング・システムまたはハイパーバイザーに簡単に導入できます。初期設定ウィザードで簡単にセットアップ可能です。管理対象もLenovo機器であればエージェントは不要で自動検出可能です。
XClarity Administratorはハードウェアより詳細情報をXCC(XClarity Controller)・IMM2・CMM2経由で取得します。ラックビュー、シャーシマップなど、カスタマイズした内容でデータセンター内のリソースを表示することができ、CPUやメモリーなどの消費電力値から消費リソースをグラフ化して管理者が状況を把握しやすいように表示します。また、お客様のポリシーベースで情報を表示することも可能です。
XClarity Administratorはハードウェアの障害をシステム管理者に通知をするだけでなく、ネットワークが接続されていればLenovoのサポートセンターに通知(Call Home機能)することが可能です。ThinkAgileシリーズなどのソリューション製品はリリース当初は未対応でしたが、最新バージョンからはThinkAgileシリーズもCall Home機能は対応していますので、是非設定してご利用下さい。SNMP(Simple Network Management Protocol)、Syslog、およびEメール転送などの機能も外部イベント統合ソフトウェア・ツールなどを利用してインベントリを転送することで、ハードウェア・イベントやランタイムの障害内容の集約・関連付けおよび監視を行うことができます。
ローカルコンソールにいるかのようにエンドポイントを管理するためのリモートコントロールセッションの集中起動が可能です。これを利用することで、アプリケーションのインストールや障害対応でデータセンター行かずしてオペレーションが可能です。
XClarity Administratorはセキュリティ管理を提供します。ユーザーにロールベースのアクセス権を付与し、ユーザーの資格情報を認証します。NIST SP 800-131A および FIPS 140-2 暗号化標準を使用して、監視対象エンドポイントとの間で高度にセキュリティ保護された通信を確立します。
XClarity Administratorはクラウド管理との連携が可能です。REST API を活用して、Windows PowerShell スクリプトや、上位レベルのクラウド・オーケストレーションおよび IT サービス管理ソフトウェア・ツールから、思いどおりにシステムを管理できます。今度IoTなどのインフラもXClarityなどを利用して管理するようなことになるかもしれないですね。
3.XClarity Administratorのエディションについて
最後にXClarity Administratorのエディションについて記載しておきます。無償・有償で大きな違いはサービス・サポート部分(Call Home機能)です。是非ThinkSystemを購入の際はXClarity Proで購入頂けると幸いです。
次回のブログはXClarity Integratorをご紹介します。
今後ともよろしくお願い致します。
Lenovo 社の XClarity Essentialsおよび XClarity Administrator についてご紹介いただきました。小宮様には引き続き XClarity 関連の記事を寄稿いただく予定ですので、残り2回もどうぞご期待ください!