本ブログエントリーはPernixData社のCTO、Co-FounderであるSatyam Vaghani氏のブログの翻訳版です。
本記事の原文はThe PernixData backstory – Building the first Flash Hypervisorで閲覧可能です。
ネットワールドのPernixDataに関する情報はこちら。
2014年8月1日に素晴らしいセミナーを企画することが出来ました。
「PernixData CTO & VMFSの父 Satyam Vaghani氏来日セミナー ~仮想化データセンターのスケールアウトストレージ高速化プラットフォームの現在とその先~」
御存知の方もいらっしゃいますが、私が毎週ブロクを翻訳して公開しているFrank Denneman氏が在籍するPernixData社のCTOであるSatyam Vaghani氏はVMware在籍時代にVMFSを発明し、Storage CTOを10年にわたって務めた方です。このような素晴らしい経歴の持ち主でもあるにかかわらず、なんと本人はまだ35歳という若さです。
今回はSatyam氏のブログ記事を翻訳させていただきました。ぜひ8月1日のセミナーにも足をお運びいただけますと幸いです。
僕が前の職場を離れるのは決して簡単なものではありませんでした。もしあなたがESXiを利用しているなら、僕が書いたコードが仮想マシンのデータについて担当します。10年以上も前、そう、僕がVMwareの第一世代のハイパーバイザーのために働き始めた時からずっとそうでした。非常に面白い時間を過ごすことが出来ました。最初は特に有名でもありませんでした。GoogleでもAppleでもありませんでした。MITの就活フェアで一度僕が仮想マシン(Virtual Machine)といった際に(僕の発音が悪かったわけじゃないよ?)就活生が洗濯機(Washing Machine)を作っていると勘違いしたこともありました。iRobot社のブースが通路を挟んだすぐ隣にあり、僕らよりもたくさんのレジュメを集めていました。彼らはRoombaのデモを行っていたからです。床を掃除するロボットに完敗してしまいました!
10年の時間が流れました、今では仮想化が技術革新を爆発させたことを知らない人はいないでしょう。この惑星上のほとんどすべてのデータセンタに影響を与えています。Roombaは、そうだな・・・、モップに同じような影響を与えているかな。
2012年2月、旅立ち
PernixDataをやるということにおいての僕の個人的なチャレンジは過去の仕事であるVMFSとESXストレージスタックよりも何か、大きなことをやるということです。共同出資者のPoojanとは彼がExadataで実現したことよりも大きなことを実現するという夢を共有しています。時はスケールアウトストレージがホットでした(そして、今も)。ところが、僕らは皮肉なことに(今も)スケールアウトストレージがパフォーマンスの門番でなければならないことに気が付きました、でもこの領域の「ソリューション」はプライマリストレージという形の中でしか提供されていないのです。どうしてパフォーマンスの問題でキャパシティのソリューションが必要なの? どうしてスケールアウトは数少ない、キャパシティ層を置き換えることが必須のものだけに限定されなくてはならないの? どうしてストレージ業界は新しい、前のヴァージョンよりちょっと安く、ちょっとだけ早い箱をばらまくことしかできないの? どうしてハイパーバイザーはCPUとメモリ・・・そしてストレージのキャパシティサービスまでも提供できるのに、スケーラブルなストレージパフォーマンスについては基本的なことしか提供できないの?
FVPの設計書の原本の上にPernixDataのマグカップ
PernixDataの創業の目的はすべての仮想化されたデータセンタにスケールアウトのストレージパフォーマンスをもたらすことです。僕らは、もし正しくこれを実行できれば、これはすべての仮想化データセンタにとって必須のインフラ要素になりうると感じたのです。一度、僕らが目的を設定したら、それを為すための要件は非常に明確になって行きました:
- 僕らはパフォーマンスを解決したいのです、キャパシティではありません。なので僕らはプライマリストレージであってはいけません。
- 「スケールアウト」するために、サーバフラッシュを活用する必要があります。サーバフラッシュは物理的にスケールアウトさせられるものだからです。当然の結果として100%ソフトウェアのソリューションにならなければいけません。
- 僕らが変えたいのは「すべての仮想化データセンタ」なので、あらゆるバックエンドストレージ・システム、あらゆるサーバ、あらゆる(妥当な)フラッシュデバイスと互換性を持たなくてはいけません。
- ニッチなものだけではなく、あらゆるアプリケーションのパフォーマンスの課題を解決するため、僕らは読み取りと書き込みの両方を高速化できなくてはいけません。
- 物理サーバがどんどん入れ替わる仮想化された環境で動作するため、完全なクラスタ化と対障害性が必要とされます。
その後のことは、御存知の通り。PernixDataのエンジニアのお陰で僕らの魔法のような上のすべてを満たし、それ以上のこともできる成果物をご紹介できます。 PernixData FVPです。
FVPはゲームを変えます。よそがストレージハードウェアのアップグレードやサーバサイドフラッシュをうまく利用してリードだけのニッチなワークロードのためのローカルキャッシュに四苦八苦しているうちに、僕らはデータセンタ全体にわたるフラッシュを統合することで、全く新しいデータ層を作り上げたのです。僕らはハイパーバイザーベースのクラスタ化され、対障害性をもつ、あらゆるワークロードに有効なストレージパフォーマンス層を作り上げたのです。そして僕らはそれを簡単に見えるようにもしました。もっとも一元的で、最もエンタープライズクラスな仮想化データセンタ内のサーバサイドフラッシュを活用する方法です。これについては他の場所でも紹介されているので割愛します。例えば ここ や ここ。
百聞は一見に如かず
とはいえ、技術者としてもっとも僕が興奮したのは、その波及効果です。FVPはデータセンタストレージの設計を良い方へ変えていきます。アプリケーションに近い場所で動作するストレージパフォーマンス層で、CPUやメモリのようにスケールアウトします。ナマのキャパシティやデータサービスを提供するストレージキャパシティ層とは完全に独立しています。
数年前に通常OSの展開には数週間がかかるものだと考えられていました。ESXが一夜にしてそれを切って捨て、数分でできるようにしてしまいました。これが新しい常識で、クラウドスケールのIT運用を導き出しました。FVPはマイクロ秒レベルのストレージ反応時間と数百万ものIOPSをすべてのサーバクラスタで利用可能にします。バックエンドのストレージは問いません。この新しい常識を皆さんはどう捉えるでしょうか?
もしストレージのパフォーマンスがサーバで処理され、サーバがストレージ設計の注目点になったら?サーバの構成にどう影響するでしょうか?SANにどんどんハードウェアを投げ込むような必要性がついに変わるでしょうか? 他にどんなサービスがこの層に期待されるでしょうか? RAIDフォーマットやトランザクションファイルシステム、接続プロトコルのようなキャパシティのコンセプトに縛られない新しい層です。パフォーマンス層とバックエンドのキャパシティ層との間でどんな協業ができるでしょうか?
この答えは一緒に見つけましょう。ソフトウェアベースのフラッシュハイパーバイザーは床を掃除してくれるロボットのように可愛いい見てくれではないかもしれません。しかし、絶対に心を打つものだとおもいます。Pernix化(Pernix'd)してご自身で確かめてみてください。
PS : 僕はRoombaが好きです。
記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@pernixdata_netw)