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ついに日本国内リリースされたVxRAIL【イントロ編】

こんにちは、石塚です。かなり久しぶりにブログ登場です。

登場しなかった期間の個人的なご報告として、今年もEMC Electに選出され、さらにVMware vExpertにも選出頂きました。 今年も各種イベントや本ブログ、そしてEMC Community Network で皆様のお役に立てる情報を発信していきたいと思います。

私は昨年からハイパーコンバージドを中心に活動しているわけですが、EMC社から新たにVCEブランドでリリースした VxRail (ブイエックスレール)がついに日本でも発表されました!! VxRailはVSPEX BLUEの後継機でもあるわけですが、今回はVxRailがどのように変わったのかをお伝えしようと思います。

ブレてないプロダクトコンセプト(簡単導入・簡単管理・簡単拡張)

 変わったところをお伝えすると言いながら、まずはブレてない製品コンセプトをおさらいしたいと思います。 VSPEX BLUEでもそうでしたが、VxRailも簡単導入簡単管理簡単拡張と簡単3ポイントが基本コンセプトになっています。 初期設定から完全にGUIで利用できて、さらに当然のことながら日本語です。 シンプル&グラフィカルなVxRail Manager(旧EVO:RAIL Engine)でvSphereの統合管理が可能ですが、これまでのvSphereと同様の運用がしたければvSphere Web Client(及びVI Client)を利用することも可能です。 ハードウェアの管理もVxRail Managerと同じ操作感で実装されているVxRail Manager Extension(旧BLUE Manager)で管理者様の負担を軽減します。

 簡単導入の点では、導入時の事前チェックプロセスがより詳細なものになりました。例えば指定されたVSANネットワークが正しく通信できない場合や、DNSサーバやNTPサーバへきちんと疎通ができない場合は先に進めません。初期セットアップのトラブルの殆どがネットワークトラブルだったと言う経験から実装された検証機能なのかと思います。これでさらに導入がシンプル&スマートになるでしょう。

通信ができない場合はエラーになって確認を促します

Error_2

 そして管理面ではシャットダウンがGUI上のボタン1つで可能になっています。VSANで構成されているため、VSPEX BLUEではやや煩雑な電源断手順が必要だったのですが、これを一気に解消してくれました。 しかも、実際にシャットダウンする前には「正常な状態であるか」をきちんとチェックしてくれます。問答無用で電源断するようなことは無いので、この点でも安心&確実な運用を支援してくれるはずです。 標準でサーバ管理ポート(Remote Management Module, RMM)が利用できて、RMM経由で電源を投入することが可能ですから、わざわざ設置されている場所に赴かなくても、リモートで電源操作が可能です。 機能エンハンスとしてのインパクトは小さい印象を受けますが、実運用面では大切な機能だと思います。

シャットダウンもボタン1発!しかも事前チェック付!!

Shutdown

今回のリリースの目玉はモデルラインナップの拡充!!

 今回のVxRailのリリースで最大の注目ポイントは間違いなくモデルラインナップになると思います。 VSPEX BLUEも非常に優秀で完成された製品でしたが、モデル選択はメモリ搭載容量(128GB/192GB)とネットワークインターフェース(RJ45/SFP+)の合計4モデルに絞られていました。 EMCと言えば「選択肢が豊富」と言う印象があったので残念ポイントだったのですが、今回のVxRailではCPU、メモリ、ディスク容量、インターフェースが複数の選択肢から選べるようになりました。さらに2016年Q2(4月~6月)にはさらにローエンドモデルとオールフラッシュモデルのリリースが予定されています。

ハイブリッドモデル(SSD+HDD)

Modellist_hybrid

オールフラッシュモデル(SSDのみ)

Modellist_afa

 上のリストにも記載されていますが、Q2以降では1ノード単位での追加が可能になりますし、その後にも色々な機能拡張が予定されています。 これらの機能拡張は全てvSphereの進化に追従できる純然たるvSphereアーキテクチャで実装されているからこそだと言えます。

基本ソフトウェアはvSphere6ベース

 VSPEX BLUEはvSphere5.5ベースでした。 このため、VSANのパフォーマンスや使い勝手、実績面でお客様からのご質問を多く頂いていましたが、VxRailはvSphere6ベース(6.0 update1)になりました。このため、色々な機能制限が向上し、パフォーマンスも向上しています。

VxRailと旧EVO:RAILとの比較Diff_vxevo

 VSANの実績としても、1000人以上のユーザ規模のVDI環境での利用も事例として出てきています。 スモールスタートできて、そのままスケールアウトできるメリットを生かせるVDI環境にはうってつけなのかと思います。

 

 今回はVxRailのイントロダクションとして、ここまでにしておきたいと思います。次回以降、初期セットアップや管理画面の操作性、ゲストOSの作成・管理、拡張などをご紹介してきたいと思いますのでご期待下さい。