本記事はPernixData社のブログに投稿されたPernixDataの顧客の記事の翻訳版です。
記事の原文はFVP Freedom – A poor man’s thoughts on a free high performance storage acceleration solutionで参照できます。
筆者 : Aske Sønderup
みんな「オールフラッシュ」の話ばかりしているけど、それって本当に必要なものなの?
「オールフラッシュ」は疑いもなく、高いIOPSと高速なストレージを提供します、しかし、そのコストに価値が見合うのでしょうか?
PernixDataはストレージのリセラーではなく、ソフトウェアの企業です。この会社は完全に無償で、128GBのRAMを利用して、VMwareの構成に超高速なReadアクセラレーションをもたらします。このソリューションはFVP® Freedomと呼ばれています。
FVP Freedomを支えるテクノロジーはとことん直球です。このソフトウェアはどのデータが読み込まれるかを継続的に追跡し、それがメモリにキャッシュされている場合にはI/Oを大幅に高速化します。コントロールパネルではどの仮想マシンを「高速化」するか選択することができ、リソースは適切に割り当てられます。例えば、要件が高く、非常に多くのIOPSを必要とするデータベースには相対的に多くのリソースが割り当てられます。
PernixDataは既存の共有ストレージ上でI/O高速化層になるということは重要なので覚えておいてください。FVP Freedomはレイテンシの低減にも効果があります。というのも、仮想マシンはSANのデータストアからではなく、サーバーサイドのRAMからReadとWriteを提供されるからです。PernixDataのWebインターフェイスから、それぞれの仮想マシンのレイテンシを監視することが可能ですー そして、それとデータストアの実際のレイテンシを比較することが出来るのです。
1. サーバ:
2台
HP DL380 G7
Dual X5650 Xeon (6 コア)
120 GB DDR3 メモリ
2x 600 GB SAS 10K
10G Fiber NIC
2. ネットワーク:
Cisco 3750 E with 10G Fiber (Primary)
Cisco 2960 X (バックアップ接続、耐障害性接続、VMware等)
Cisco ASA 5512X with SSD for FirePower
3. ストレージ:
Synology DS1515 3x 4 TB WD RED + 2x INTEL 330 120 GB SSDを搭載
FVP Freedomのインストール
FVP FreedomはFVP Freedomライセンスをオンラインでリクエストした後、PernixDataのサポートポータルから簡単にダウンロードができました。パッケージはVMwareのアップデートマネージャーとホストにパッチやプラグインを適用するのと同じようにメンテナンスモードと再起動によって導入することが可能です。
ソフトウェアのセットアップ
管理サーバを展開した後は、ウェブブラウザを通してIPでアクセスします。ウェルカムスクリーンで歓迎され、vCenterへ接続してホストへも接続がなされます。vCenterに接続ができればウェブのコントロールパネルは非常に簡単な管理が実現されます。
私は自分のVMware環境のうち、1つのクラスタのみで動作させます、ですから、そのクラスタを選択してFVP Freedom Acceleration clusterを作成しました。クラスタを作成した後は高速化リソースを選択します(今回はメモリです。)。それぞれ60GBぐらいのメモリを両方のホストで利用していましたので、それぞれのホストで32GB、合計で64GBの超高速Readキャッシュを利用することにしました。キャッシュは私のiSCSIターゲットでホストと接続されたSynology NASに適用しました。直接仮想マシンにキャッシュを適用することもできたのですが、今回はキャッシュをクラスタ全体のパフォーマンスに利用することにしました。
テストと期待すること
私のこの新しい製品に対する期待は非常に高いものでした。私は以前にVMware VSANをとことん実験し倒しています。VMware VSANはホスト内のストレージを直接階層化します。残念な事に、これでは私が持っているSANをリプレースすることになってしまいます(その名前がほのめかすとおりですね)。その代わりに私はストレージにFVP Freedomというサプリメントを与えることにしたのです。さらに、VSANでは安全性のために最低3ホストでレプリケーションを行わなくてはなりませんでした。VSANは私が思っている以上に高価なものだったのです。
まず最初のテストのために、私はATTO diskベンチマークをダウンロードしました。このツールはあらゆるストレージのベンチマークのためによく利用されていますし、ベンチマークを調整するための多くの機能も搭載されています。キューデプスを10、全体長を512MBに設定して、それ以外はすべて標準のままでテストを実施しました。結果は以下の図のとおりです。
見て明らかな通り、ReadのスピードがFVP Freedomによってとてつもなく高速化されています。Writeのスピードは1GbitのNIC経由でスイッチを通したSynology NASへの接続がボトルネックになっています。しかし、Readのスピードはボトルネックにはなりません。理由は全てが同じボックスの中での出来事だからです。(更にいえば、FVP FreedomはWriteの高速化を提供していませんが、FVPの完全な製品版ではそれが利用可能です。)
以下の図が示すとおり、クラスタ内の仮想マシンの平均レイテンシはFVP Freedomによって劇的に低減されています。(ブルーのグラフは仮想マシンが観測したレイテンシで、パープルのグラフがSANのレイテンシです。)
結論
FVP Freedomの効果に大変満足しています。小規模・中規模の企業でオールフラッシュSANを購入する予算がなく、128GBのメモリが高速化に利用できる場合には非常に有効です。(Writeの高速化やRAMの代わりにフラッシュを利用したい場合には制限のないFVP製品を推奨します。)
各々のサーバに32GBのキャッシュしか無いというのは大きな制限です。しかし、FVP Freedomは高価なメモリキャッシュの中では非常に良い選択だといえるでしょう。FVP Freedomをクラスタに適用した後に、劇的にレイテンシが落ちるのを目にしました。重たい負荷の中でもレイテンシが全く消え失せてしまったのです。
訳注 : この無償ソリューションをご利用してみたいという方は日本語Freedomコミュニティへご参加ください。
記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@pernixdata_netw)