株式会社ネットワールドのエンジニアがお届けする技術情報ブログです。
各製品のエキスパートたちが旬なトピックをご紹介します。

【Dell Blog】PowerStoreの新機能とアップデート情報

皆さんこんにちは
ネットワールドSEの山元です。

今回はDellTechnologiesのPowerStore最新バージョン4.0の注目機能やアップデート情報をご紹介したいと思います。

色々とアップデート情報はあるのですが、今回は特に次の3つに注目してご紹介したいと思います。

・5:1データ削減保証
・QLCベースストレージ
・同期レプリケーション

 

まず注目するべきはデータ削減機能です。

今までもPowerStoreは4:1のデータ削減保証を謳っていましたが、今回のアップデートを受けて5:1のデータ削減保証となりました。

PowerStoreでは、データ削減が常に有効でDRAM Memoryに書き込まれたデータは重複排除、圧縮をされてからDriveへと格納されます。
データ削減に寄与する機能としては、もう少し細かくご紹介するとシンプロビジョニングやパターンマッチングの機能も有効です。
PowerStore OS4.0では、今までの重複排除・圧縮の仕組みを改良し、PowerStore OS3.6では4:1の保証だったものが、5:1のデータ削減保証を謳う製品へと進化しました。
Dell Technologiesの社内検証では、PowerStore OS3.5と4.0の比較で20%データ削減率向上も確認できたそうです。
データ削減保証はビジネスプログラムとして展開されていて実際に利用するには注意事項などもありますが、技術的な裏付けをもってDell Technologiesが自信をもって展開していることがお分かりいただけるかと思います。

2つ目に注目したいのがQLCベースのPowerStore 3200Qです。

突然QLCという言葉を出してしまいましたが、これはQuadLevelCellのことです。
こちらは、一般的に普及しているDriveの中でも1セルあたり4bitの書き込みができるという大容量タイプのDriveになっています。
コンシューマー向けのSSDではTLCが最上位レベルでQLCのものは見つけられませんでした。
PowerStore 3200QではこのQLC Driveを搭載しています。
QLCを採用したことにより1本当たりの容量が15.36TB最小11本からの導入が可能となり、大容量のPowerStoreを使えるようになりました。

また、パフォーマンスについても3200Tと同等レベルで提供可能なハードとなっています。
すでにPowerStoreを導入されているお客様も1Cluster内にTモデルとQモデルの混在ができ、この大容量のPowerStoreにあまり触らなくなったデータを格納するなどより自由に利用することができます。
進化したデータ削減機能とQLC Driveの利用によってさらに大容量の実行容量が提供できるようになったことは注目です。
ただ、一つだけ注意点が大容量Driveがゆえに小規模スタートで良いというお客様はこちらの3200Qモデルだとサイズ感が大きすぎてうまくはまらないかもしれませんね…

3つ目に同期レプリケーション対応が挙げられます。
今までのPowerStore OSでは、非同期レプリケーションのみ対応していました。
最小RPOが5分と十分な機能がありましたが、今回のアップデートで同期レプリケーションにも対応しました。
これにより、メイン機DR機の両方で完全にデータが一致させることができ、業務継続性が上昇しました。
これにより、同期レプリケーションが要件に入っている案件でもPowerStoreの提案が可能となりました!
また、併せてMetro構成にも対応するようになりました。Witnessを利用することでスプリットブレインを防ぎつつゼロRTO/RPOでPowerStoreを利用することができます。

ここまでいろいろとアップデート情報を確認してきましたが、機能アップデートで効率的に使えるようになったため各種上限値も向上しています。
ここでは一部ですが、ご紹介したいと思います。

上記の表のようにアプライアンスまたはクラスタ全体で利用できるVolume数やClone数などが大幅に増えています。
Volume数でいうと元々の数制限から比べると9000Seriesの16000から32000と一気に倍増しています。
純粋な倍率だけでいうと5200-7000 Seriesの2.67倍(6000→16000)が一番大きな上昇幅です。

その他にもパフォーマンス向上やQoS機能など様々機能追加や強化がなされています。

ソフトウェア的にもハードウェア的にもより使いやすくより頼れるストレージへと進化していくPowerStoreから目が離せませんね。

ネットワールドラボでは引き続きPowerStoreについての検証結果なども情報公開していこうと思っていますので次回も楽しみにお待ちください。