本ブログはPernixDataのシステムズエンジニアであるTodd Mace氏のブログの翻訳版です。
記事原文はPernixData FVP & StorMagic SvSAN Use Caseにて閲覧可能です。
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PernixData FVPのためのコスト効率のよい「容量のレイヤ」を探しながら、Frank Dennemanと私はFVPのユニークな設計の部分部分を解説する様々な原稿を書いて行こうとおもっています。過去のエントリー(訳註:リンク先は英文)で示したようにFVPは仮想環境のリードとライトを高速化することが出来ます。一方で仮想ストレージ・アプライアンス(Virtual Storage Appliance/VSA)は仮想環境に対して、プライマリストレージやデータサービスを提供するためには優れたテクノロジーです。
このエントリーでは、StorMagicが提供しているiSCSIベースのSvSANというVSA製品にフォーカスしようと思います。このSvSANについて幾つか知ると皆さんはきっと驚くと思いますよ!StorMagicのVSA製品は市場で最も多く展開されたVSA製品の一つです。2013年だけで彼らは800%の成長を記録しています!現在のところホスト孤立状態確認をおこなうために通常必要とされる3番目のホストを必要としない、つまり、2ホストから始められる唯一のVSAであるということも忘れてはいけません(詳しくは後述)。
興味深い機能のいくつかをご紹介します:
- すべてのVSAを中央から一元管理するためのvCenterプラグイン
- マルチサイトサポート(ROBO/エッジ)(支店/拠点 企業の出張所)
- アクティブーアクティブのミラーリング
- クラスタ毎のストレージとノード数の制限なし
SvSANとFVPのコンビネーションは多くの場合において非常に高いコスト効率をできると考えました。これを示すためにそれぞれのテクノロジーがどのように仮想環境のスタックで動作しているのか、少し深い部分を見ていく必要があります。
アーキテクチャー:
SvSANはホストごとにVSAとして一つづつ展開されています。これに対してPernixData FVPはESXiホストそれぞれに対してカーネルモジュールとして展開されています。これはそれぞれのアーキテクチャーがI/Oパスの観点から見て全く競合しないことを意味しています。FVP拡張モジュールはvSphereクラスター内の全てのホストにインストールされており、それに対してSvSANはローカルストレージをもつホスト上にだけインストールされていれば良いということです。ローカルストレージを持っていないホスト上の仮想マシンであってもFVPの高速化層を利用することが出来、さらにSvSANがiSCSI経由で提供する共有ストレージにアクセスすることが可能です。
両方のプロダクトが環境に展開された場合、I/OがどのようにFVPからSvSANへと流れていくことを理解しておくことが重要です。このプロセスを図示した簡単なダイアグラムを書いてみました。
従来のストレージとFVPを利用して設計された環境との唯一の違いは、ホスト上のローカルディスクを使えるようになったことだと気がついていただけるでしょう。SvSANはiSCSIターゲットとして動作します。このため、I/OはVSAを通じてローカルディスクへパススルーで送られます。仮想アプライアンスはI/Oを処理する際に幾らかのオーバーヘッドを生じさせてしまいますが、この部分でPernixData FVPのような高速化層を利用することで大きな利点を得ることができるようになります。つまり、参照されたことのないブロックのみがSvSANストレージに保管され、他のアクティブなブロックはFVPによってローカルフラッシュデバイスから参照されるということになります。これによってSvSANから膨大なI/Oをオフロード出来、アプリケーションに低遅延を提供することが可能です。
フォルトトレランス(耐障害性):
データパス内に存在するあらゆる製品について考える時、最も重要になるのは耐障害性と高可用性をワークロードに提供できることです。SvSANはデータの耐障害性と高可用性をデータストアのミラーを2つのホスト間で作成することで実現しています。
これはもしホストがダウンした時、もしくはローカルストレージが故障した際にも、仮想マシンは動作を継続することができるということです。SvSANは自動的にローカルのiSCSI接続をミラーされ、一貫性を保持したデータの複製をもつホスト側へ自動的に切り替えます。
ミラーリングは同期実行され、データの操作完了はミラーの両方で保証されます。SvSANの最も優れた点はミラーのどちら側にでも、特に面倒な操作を伴わずに、いつでもアクセスが可能という点で、FVPでパフォーマンス向上を行っている時もこれは例外ではありません!FVPに組み込まれている耐障害性は、SvSANのレイヤーに対してまだ書き込まれていない状態で書き込みがローカルとリモートのフラッシュの両方に書き込まれることを保証します。FVPがSvSANへと書き込みのデステージを行うすべてのタイミングで、SvSANはデータストアをミラーし保護するという堅牢な設計になっています。
拠点環境の集中管理:
前述のとおり、SvSANはホスト孤立状態の最中、ホストもしくはストレージの障害を判断するために2つのホストしか必要としません。これは集中管理をしている場所に別のサービスとしてインストールするサービス(NSH Neutral Storage Host)によって実現されています。この管理機構によって、拠点でかかる追加コストと管理の手間を抑えることが可能です。FVPと同様にSvSANもvCenterプラグインによって集中管理することが可能です。これは、つまり何百もの企業の拠点のSvSANを利用しているプライマリストレージをFVPでパフォーマンス管理しながら1箇所で管理することができるということです。これについては下のダイアグラムを作成しました。
VSAの利用が当たり前の支店拠点のような環境において、低コスト、シンプルな管理を実現可能です。もちろん、企業出張所のプライマリストレージとしては良いのですが、パフォーマンスが必要な拠点のアプリケーションにとってはあまり良くありませんでした。これまでは低コストで高いパフォーマンスを実現する仮想化のリモート環境のストレージソリューションは非常に限定的だったのです。FVPの登場のお陰でVSAのような高価でないプライマリストレージでも、非常にレイテンシの低い読み取り・書き込みのパフォーマンス層を提供できるようになりました。何より素晴らしいのは新たな物理的な箱を買ってこずに、完全にソフトウェアだけで実現が可能なことです。
この投稿はPernixData FVPをStorMagicのVSAと一緒に利用する際のイントロダクションとハイレベルな知見のみです。後々、両テクノロジーのさらに深い連携について書いていこうと思います。
以下はFVPとSvSANを2つのホストで拠点で動作させた際の集中管理のシンプルなダイアグラムです。
記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@pernixdata_netw)