株式会社ネットワールドのエンジニアがお届けする技術情報ブログです。
各製品のエキスパートたちが旬なトピックをご紹介します。

時間軸 : レイテンシの指標

本ブログエントリーはPernixData社のプロダクトマネージャであるTodd Mace氏のブログ記事を翻訳しています。 

本記事の原文はTime Scale: Latency Referencesで閲覧可能です。

ネットワールドのPernixDataに関する情報はこちら。本ブログのPernixDataの記事のまとめはこちら

スピードがもっとも重要な世界において、私はレイテンシは相対的であると気がついてきました。言い方を変えると、あるものがどれだけ速かった、速いのかということを理解するためには、一定尺度、時間のものさしが必要だということです。

非常に頻繁でレイテンシの低い取引がこのビデオ(訳注:証券取引のリアルタイム性に関するビデオ)では行われています。ミリ秒がこのゲームの名前です。例えば、2秒のロスをしてしまうと、数百万ドルの損失の話になったり、それによって倒産の危機から免れたりとった具合です。

この例で、2ミリ秒をあなたはどのように感じますか?あなたは2ミリ秒と3ミリ秒の違いを区別できますか?私は我々人間が何が早くて、何が遅いのかということをフィーリングで決めていることを素晴らしいことだと思います。では、実際にどのようにフィーリングを図るのでしょうか?大抵の場合、(ベースライン)と比較して、それが本当に早いか、遅いかを決定しなくてはなりません。私はそれを我々が計測しようとしているレイテンシの結果や効果としてしばしば言われていると思います。レイテンシの低い取引では、効果や結果は非常に巨大なものになることがありますし、そこにはまだ過去にはなっていないという一定のしきい値があります。しかし、この閾値も競合からのプレッシャーによってどんどん低くなっており、チャレンジングなものになっています。これは効果の積み重なりが良いのか、悪いのかを判断するために、レイテンシの指標を定期的に図るのが重要だということです。

これはなぜ、人工的なワークロードを使って(パフォーマンスを計測し)、不明確な何が早くて遅いのかを調べる理由にもなります。一つだけのワークロードでテストを行う場合、バラバラのワークロードとそれらの間のやりとりの結果の積み重ね全体を表してはいません。もう一つの不明確な方法はエンドユーザーが早いと感じるか、遅いと感じるを調べるだけで決定を下してしまうことです。エンドユーザーが何を考えているかを見ることは興味深いことですが、システム全体を見る計測の方法としては正確な方法ではありません。(おそらくはプロジェクトで)すべての仕事を終えてから効果を図るのがより良い方法です。これは明らかに計測の方法としては複雑です。しかし、もし、私が時間軸の指標と呼んでいるものに従うのであれば、レイテンシの結果を全体としてみることに集中するだけの価値があります。

歴史的に我々が速いと認めているものと地平線を比べることは興味深いだけではなく、ベースラインとして重要です。適切なレイテンシの計測はスピードや高速化の完全な効果を感じるためにはとても重要なのです。

ジョージア州アトランタからカリフォルニア州のサンフランシスコまで、桃を運ぶ旅を例に取りましょう。ルートは2つから選べます。ひとつは3日の旅程で、もうひとつは6ヶ月かかります。この場合、もしもあなたが景色の良いルートを通りたいと思ったら、ものすごく時間がかかるのです。もしも桃がなければ長いルートを選びたいことでしょう。しかし、6ヶ月かかってしまったら桃の香りはサンフランシスコにつくまでに掛けた時間の分だけ、非常に悪いものになります!!このような実際時間軸の例を用いて、その効果の違いを理解することができます。さて、なぜ私は3日と6ヶ月を例に取ったのでしょうか? 大抵のソリッドステートディスクは平均的には100マイクロ秒ぐらいのレイテンシで動作します。これと比べ、標準的な回転するハードドライブは5ミリ秒ぐらいです。もしこれら2つの劇的な時間の差を比べるために引き伸ばしたら? SSDは3日で、標準的なハードドライブは6ヶ月になるのです。どうですか?こうなればこの2つのメディアの違いを本格的に理解できるようになりますし、単純な決定で巨大な利益の差になるということを理解できます。さて、もっと違うレベルでみていきましょう。桃をのせたトラックの旅の時間が3日ではなく6分で、もしくは更に縮まって40秒になったとしたら?今日6分は標準的なDRAMで実現することができます。しかし40秒もインテルとマイクロンが3DXpoint NANDを登場させたことで、さほど遠い話ではなくなっているのです。

もし、このレイテンシの値をデータセンタに適応することができれば、それが良いのか、悪いのか簡単に理解ができます。「もし、いまSSDを使ったら、明日には新しい3DXpoint NANDや、それよりも速い次の何かのような新しいレイテンシの閾値に対応するために全部を取り替えなくちゃならない」と思うかもしれません。すばらしいのは最新で最速のものを活用するために全てを取り替える必要はないのです。あなたの桃を運んでいるトラックはエンジンにターボブーストをつけるだけで良いのです。新しいトラックを買う必要はありません、適切なプラットフォームを選ぶということが重要になります。適切なトラックを最初に選んでいれば、パフォーマンスに関して、ベンダーのロックインを受けるということにはならないのです。

結論です。適切なベースラインがなぜ重要なのかをしっかりと理解してほしいと思っています。検証においてもこれを参照しながら、実際の環境でおこなうべきなのです。何が速いのかということはただのフィーリングではありません。我々は今回、本当のスピードがどのように感じられるのかということを理解しました。閾値をベースに原因と効果または結果を決めるべきなのです。明日には閾値は新しいイノベーションによって閾値が低くなるかもしれません。これは時間軸の指標が重要であるということの理由付けにもなります。指標がなければ、人々はまわりのものに慣れてしまい、アトランタからサンフランシスコまでの旅が40秒やそれ未満になるということもどういうことを意味するのかわからなくなってしまいます。今日、そして明日からのレイテンシのイノベーションにご注目を!そして、賢くプラットフォームを選びましょう!

記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@pernixdata_netw)