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VMworld2015 サンフランシスコより : EVO SDDC

みなさん、こんにちは。すでに帰国しておりますが、General Sessionの記事の中で触れずに残してきた伏線を回収する記事を書いていきたいと思います。

General Sessionについての記事は以下です。

今回の記事はDay 1で発表されたEVO SDDCです。

EVO SDDCはEVO:RAILと同様のハイパーコンバージドインフラストラクチャですが、EVO:RAILとは異なり、VMwareOEMパートナーからハードウェアにインストール済みのアプライアンスを購入するのではなく、EVO SDDCパートナー(現時点での発表ではDell, VCE, QCT, Fujitsu)からEVO SDDC対応のハードウェアを購入し、EVO SDDCのソフトウェア部分はVMwareのパートナーから購入することになります。

EVO SDDCに含まれているコンポーネントは以下のとおりです。

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vSphereそして、VSANはもちろん、EVO:RAILには含まれていなかったNSX、そしてvRealize Suiteも含まれています。EVO SDDCは旧称EVO:RACK、ラックスケールのアーキテクチャを有する非常に巨大なデータセンタインフラです。こうしたインフラでは後から動的にそして、自由自在にネットワーク切り出して利用するためにもNSXはキーとなります。

一番上に記載されているEVO SDDC Managerはこれらのインフラとソフトウェアを統合管理するソフトウェアで、TOR(トップオブラックスイッチ)の構成まで全て自動で行うことができるようになっています。その効果たるや・・・!

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なんとわずか、2時間でデータセンタを立ち上げられるとのこと。EVO:RAILも最初のVMの起動までに15分でしたが、スケールの大きさから考えると驚異的なスピードです。ラックあたりの性能値もコンバージドシステムである以上しっかりと保証! 以下が公表されていました。

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1ラックあたり1000VMもしくは2000VDI! IOPSは2M+とのことです。なんだかよくわかりませんね。ネットワールドの社員は350人ぐらいですから、ネットワールド6社分!!余計意味がわかりませんね。とにかくすごいスケールのインフラが2時間で上がってくるわけです。

この巨大なインフラはマルチ用途で利用されます。ですから、このインフラを仮想的にラックにきる事が可能になっています。

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せっかくラックをまとめて一つのリソースにしたのに、また仮想的にラックに分割するのは残念ですが(笑)あくまで仮想的なラックですので用途に応じて、そしてニーズに応じて柔軟に分割出来るようになっています。

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もちろん、ハードウェアトラブルがあったとしても自動的にラック無いから別のリソースが払い出されますし、様々なシステムをこのレベルでリソース統合し、自動化することでインフラの稼働率を更に押し上げることが可能です。なにより、コンバージドシステムですから、メーカーが保証する構成でのソフトウェアのアップグレードなども自動で行うことが可能です。頭を悩ませていたローリングアップグレードの順番などの検証ももう過去のもの。Windowsアップデート並になってしまいます。

当社も以前からVCE社のディストリビュータとして国内展開を行っており、フルコンバージドインフラストラクチャの素晴らしさはよく理解していたつもりですが、TORも含めたネットワークの構成の自動化やNSXによるネットワーク部分の自動化が入ってきたことでよりTurn Key(鍵を回すだけ)のソリューションになってきましたね。

さて、次回はGeneral Session Day 1でもう一つ落としてきた伏線、CNA(Cloud Native Apps)についての記事を投稿予定です。 Stay Tuned!

記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@pernixdata_netw)