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サンフランシスコより : VMworld Day 2

Day 2 General session

今日もGeneral Sessionが始まります。はじめに登壇したのはCTOのBen Fathi氏です。Ben氏は昨日のセッションを振り返ります。

  • EVO:RAIL
  • OpenStack
  • NSX
  • vRealize Suite
  • vCloud Air Network
  • Docker, Google, Pivotalとのアライアンス

これら全てについて言えるのはVMwareはORではなく、ANDのアプローチだよ、という点を話した後に、Sanjay Poonen氏にバトンタッチです。

End Users Computing

Sanjay氏はEnd User Computingのゼネラルマネジャーですが、SAPから移籍して以降、Desktone買収, 3D Graphics(GoogleNVIDIAとのアライアンス), そしてなによりもAirWatchの買収などアグレッシブにVMwareEUCを牽引されています。直前に発表されたCloudVolumeの買収などについてもそうですが、「もう他社に比べてEUCに力を入れてはいない」とは絶対に言わせない感があります。

VMwareEUCをデスクトップ、モバイル、コンテンツの3本の柱とそれを支えるワークスペースサービスに分け、それぞれごとに説明をします。ここでもEUCを支えるSDDCの技術が非常に重要で、VSANなどでコストを抑えることができるという話がありました。ここからは3本の柱を体系立てて解説していきます。

デスクトップ

  • デスクトップとアプリケーションを統合して配信
  • DaaS
  • リアルタイムアプリケーション配信
  • 優れたユーザーエクスペリエンス

の四点、Googleの最新のChrome Bookで3G GraphicsリッチなデスクトップをHTML配信できるようになったということが発表されます。

モバイル

  • MDM(Devices)
  • MAM(Applications)
  • MCM(Content)
  • MEM(E-Mail)

を柱にあげています。その後はなんとSanjay氏の古巣であるSAPのビジネス開発担当のKevin氏が登壇し、SAPのアプリケーションがすべてAirWatchでセキュアに利用可能になった旨が発表されます。これはすごいですね。冗談ですが、会場にいる人の45%はSAPだ!とSanjay氏がKevin氏を紹介して笑いを取っていました。

コンテンツ

この分野はAirWatchが持っていたSecure Content Lockerを中心にしていますが、セキュアかつ、能率良いコラボレーションの例としてUnited Airlinesの事例について紹介がありました。

VMware Workspace Suite

SDDC分野のvCloud SuiteのようにVMwareEUCを1まとめに簡易に買えるようにするために用意したと紹介されたWorkspace Suiteです。先に述べた3つのしらとWorkspace Serviceがすべて入ったスイート製品です。GIGAOMやRADICATI GROUPの調査にてVMwareEUCに置いてリーダーシップを発揮しているという調査も発表されました。その後はEUCのCTOであるKit氏が登壇、Sanjay氏と一緒に医療業界の事例をデモで再現してみせるということが行われます。医療用の3D画像をHTML5で表示したり、Content Lockerとチャットを使ってもっと詳しく見たい部分の拡大画像を入手するなど、モバイルとデスクトップのANDならではのコラボレーションが実現したデモでした。

Cloud Volumes

圧巻だったのはこちらです。買収したCloud Volumesを利用したデモで、PPTをリアルタイムにインストールしたり、200位上のアプリケーションを一瞬でインストールするデモが行われました。Kit氏曰く「ハイパーバイザーのテクノロジーを利用したやり方」ということで、Mirageなどのある種力技とは違うアプローチのようです。この高速なアプリケーション配信とvMotion(メモリのコピーを生成する?)技術を利用して、30倍も高速なデスクトップのセットアップを実現するということも語られました。

SDDC

続いて登壇したのはRaghu Raghuram氏です。ハードウェア、プラットフォーム、アプリケーション、管理ごとに体系立てた解説でした。

ハードウェア

こちらについてはEVO: RAILのデモが行われました。2Uに4サーバというそこそこ高密度実装のサーバになっており、vSphere Client以外にも簡易的な仮想マシンのDeployツールが付属しているようです。そのツールを利用して仮想マシンが作れるようになるまでの時間が15分、世界最速の仮想環境構築プラットフォームとしてEVO : RAILが紹介されます。

また、EVOシリーズの次としてEVO :RACKも紹介されましたが、RAILが仮想環境なのに対して、RACKはスケールアウト可能なクラウド環境という位置づけということでした。こちらもVSANが利用されるようです。

バットマンとロビンみたいだね、というギャグはそこそこ受けていました。

プラットフォーム

こちらはVMwareオフィシャルのOpenStackについてです。VMwareのOpenStackへの貢献はドライバー提供のみならず、GUIや他のサブプロジェクトにも及んでおり、OpenStackを使う最も良い方法はVMwareの上で動かすことだという紹介でした。CANONICAL、HP、MirantisやSUSEのOpenStackディストリビューションと互換性があるようです。

こちらはロミオとジュリエットにたとえていましたが、この話はいい話で終わらないよ?とツッコミを自分で入れて笑いを誘っていました。

vSphere 6 Betaの話が少し入ります。4CPUまでのSMP FTが利用可能になった(やっと!!)ということとvCenterをまたいだvMotionができるようになること、アメリカ国土をまたぐLong Distance vMotionが利用できるようになること、NSXを利用することで物理ネットワークの構成の違いに縛られないことなどが紹介されました。

アプリケーション

従来のレガシーアプリケーションとクラウドから生まれてきたアプリケーション、いずれもVMwareはサポートできるという内容でした。昨日の話にも出たようにContainerにVMの利便性をもたらすという内容です。DockerやGoogle、Cloud FoundryもDockerへと移行しているなど、EMCフェデレーション内での動きも連動しているようです。

管理

こちらはvRealize Suiteについてです。ポリシーベースの管理を物理、仮想、クラウド問わずに実現できる。

Hybrid Cloud

こちらはいきなりデモから。vSphere Web Clientから接続されたvCloud AirへL2を延伸する、仮想マシンレプリケーションを設定するなど。vSphereを利用していればシームレスにvCloud AirにデータをDR先として利用が可能になります。これは非常に強力ですね。

新しいテクノロジーはさほど登場しませんでしたが、技術的に体系付けられた非常に良いキーノートでした。

次回予告: 明日はセッションの中から面白かったのものを幾つかご紹介します。

おまけ

PernixData社のパーティ会場の前にいた、変な人。車の通行のじゃまになっていました。。。

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記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@pernixdata_netw)