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高速化プラットフォームに付帯するメリット

本ブログエントリーはPernixData社のテクノロジーエバンジェリストであるFrank Denneman氏のブログの翻訳版です。

本記事の原文はCollateral benefit of an acceleration platformで閲覧可能です。
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昨日、FVPを実装した顧客の様子はどうか、確認しに行ってきました。彼らはサーバーフラッシュがもたらした早いレスポンスと素晴らしいパフォーマンスに満足していました。フラッシュリソースをホスト、つまりアプリケーションに最も近い場所に追加し、選択したワークロードを高速化します。アプリケーションとストレージデバイス間の距離を短くし、低いレイテンシとフラッシュのパフォーマンスを提供することで、素晴らしいパフォーマンスを出すことが出来ます。しかし、もっとも興味深いのはFVPのアーキテクチャが全体のアーキテクチャに与える「付帯的メリット」なのです。

会話の中で、お客様からヒーローナンバー(英雄の数字)を教えてもらいました。その数字とはUI上に表示されるデータストア上から削減されたIOPSやバンド幅の履歴データです。これを我々はヒーローナンバー(英雄の数字)と呼んでいます。というのも、これは環境にどのぐらいの影響があったのか、すぐに理解させることができるからです。

一週間でFVPは環境内で12億 IOPSを高速化させていました(データストアから削減されたIOの量です)

Fig79これは実際のビジネスのワークロードです、IOメーターでのワークロードテストではありません。IOはOracleとMS SQLのデータベースです。3時間後、新しいスクリーンショットをもらいました。2400万のIOPSがこの間に削減されています。平均して1時間で800万 IOPSが高速化されているのです。

Fig80この1時間あたり800万のIOの削減はサーバフラッシュから提供され、ストレージアレイへのアクセスではありません。トータルで60 TBのデータがストレージエリアネットワークから削減され、他のワークロードがストレージネットワークを行き来することができるようになっています。他のワークロードとはアレイやSANに接続された仮想マシンや物理マシンです。このI/Oの削減はストレージコントローラーのCPU利用率を下げ、高速化されていないワークロードが開放されたリソースを利用できるようにしたのです。

60 TBはFVPがストレージエリアネットワーク、およびアレイへのアクセスを削減した読み取りのI/Oです。読み取りと書き込みの双方を高速化している場合、書き込みのデータはアレイに送られます。FVPは恒常的なストレージのレイヤ(データストアの能力を提供する)ではないのです。仮想マシンがWrite-Backモードの場合、FVPはデステージ(ストレージシステムにコミットされていない書き込みをストレージに書き込む)を出来る限り早く実行しようとします。もしストレージシステムがビジー状態の場合、FVPはプライマリストレージがデータを受け取れる範囲内でデステージを実行します。データ喪失のリスクは複数のレプリカをFVPクラスタ内の他のホスト上に作成し、複数の書き込みのパターンでデステージできるようにすることで回避しています。I/Oをリリースするタイミングをコントロールすることで、FVPはワークロードのスパイクを吸収し、書き込みのパターンをより平坦なものへと変換しながら、ストレージエリアネットワーク全体のパフォーマンス能力を提供します。

この状態をお見せするため、スパイクの発生するOLTPワークロードをキャプチャしました。このワークロードは8800 IOPS ほどの負荷を生成しています。(緑のライン) フラッシュデバイスがこれらの書き込みを吸収し、I/Oを瞬時に完了させ、ユーザーは続けて結果を生成できるようにしています。アプリケーションはスパイクのあるワークロードのパターンを生成していますが、FVPはこのワークロードの振る舞いを真似する必要はありません。データは安全に複数の不揮発デバイスに格納され、そののちに8800 IOPSはアレイの能力を超えない範囲でアレイに送られます。紫のラインはアレイに転送されたIOPSの数を示しています。最も高いIOPSの値はこの例では3800で、アプリケーションによって生じたスパイクよりも5000も低いのです。

Fig81この振る舞いは継続的にストレージエリアネットワークおよびアレイにおける負荷を削減します。アレイがキャパシティの提供とデータサービスの提供をメインにすることで、更にマイレージを貯めることが出来ます。継続してさらにデータを削減していくことで、他のデータがアレイに入ってくることができるようになります。結果として少ない数のスピンドルで設計を行えるようになることにつながり、コストの削減につながる上、物理的なスペースの確保や空調にも影響します。

読み取りと書き込みの操作両方を高速化できるため、特定のワークロードの高速化以上のことができ、データセンタ全体のアーキテクチャを改善することまで出来るのです。

もっと顧客とFVPのユースケース、導入効果について知りたい場合はVMworldセッションの#2583 「タタスティールがOracleデータベースを仮想化、物理よりも優れたパフォーマンスへ」に投票してください。