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VMware Partner Exchange 2015 ~2日目~ 2台のホストだけで完全な冗長性保証できるか?

皆様、やってしまいました・・・。展示会場からお届けします!と前回の記事で書いているのになんと、更新は一週間も空いてしまいました。そのことは内緒にして、早速書いていきたいと思います。

PEXの内容はこちらのセミナーでも詳しくお届けいたします。

今回の内容は序章の記事でもご紹介しているStorMagic社のお話です。

一番小さい仮想環境は物理ホスト何台で構成できるしょう?

vSphere Hypervisorを使って作る1台!と回答する方、正解です。では「本番環境として可用性を維持した」という言葉を頭につけるとどうなるでしょう? vSphere HAを利用するのでホストは2台になり、共有ストレージが必要になってきます。ストレージもある種サーバだとすると、3台は必要になってしまいます。

以前あったVMware VSA(vSphere Storage Appliance)などを利用することでサーバがローカルに保持しているディスクを仮想的に共有ストレージに見せることができますので、2台ですむじゃないか!?と思った方、ここが今日のお話のスタート地点です。実は普通にやると2台ではこれは実現できないのです。

スプリットブレインシンドローム

みなさんはこの言葉を聞いたことが有りますか? スプリットブレインシンドロームとはクラスタでよく使われる用語なのですが、2つのホストでクラスタを組んでいた際を例に取ります。

Fig196

いかがでしょう?障害が起きるポイントの如何によってはお互いがお互いに自分が正常だと思う動作を行っているのに、データを破壊してしまう可能性があるのです。これが起こらないようにするため、VMwareのHAでは様々なチェック機構を備えています。ご興味のある方はこちらに詳しくまとまっています。

Fig197

vSphere HAは共有ストレージを前提としていますから、データストアハートビートで、上記のような状態は100%起こりえないということを保証することができます。ストレージが3人目になり、多数決を行えるため、問題が起こらないのです。さて、次です。ソフトウェアストレージを使うと何が起こるか?

Fig198

これを見てください。最悪の事態です。すぐにデータが壊れる、ようなことにはそうそうならないはずですから、処理が止まる・・・ならまだしも、マスターもスレーブも処理を継続できてしまい、後からデータに一貫性を持たせることが不可能になってしまいます。なので、VSAもそして、VSANも(少なくともサーバノードが)3ノード以上必要という要件をもたせ、この問題が起こらないことを構成で回避しています。これはサーバが3台以上あれば多数決でどちらの方が処理を引き継ぐべきなのかを決められるのですが、2台ではそれができないことに起因します。

StorMagicならサーバ2台だけでも多数決ができる!解決!

では、なぜStorMagicは2台でもこのスプリットブレーンを起こさないでいられるのか?それはこちらのソリューションブリーフをご参照ください。なんとなく2台サーバがあればイケる!と思っていた方、それを実現できるのは実はStorMagicだけだったのです。VMwareはvSphere for ROBOという仮想マシン数単位で安価に買えるvSphereのライセンスをリリースしていますのでそれを組み合わせることで拠点の小さな環境に本当にサーバ2台だけの小さな、そして完璧に冗長化された環境を作ることが可能です。サーバ3台がサーバ2台になるわけで、ハードウェアコストはもちろん、33%OFF、いろんなソフトウェアのライセンスも少なくて済むわけです。

DBなどのハイスペックなワークロードもあるよ、という方は私の大好きなPernixData FVPとも相互検証済み!

リテールテックへGo!

このStorMagic、日本のリテールテックというイベントに出展予定です。理論上これ以下は障害を良しとする構成になりますので、これ以上低コストの仮想環境はありません!是非足をお運びください。

記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@pernixdata_netw)