株式会社ネットワールドのエンジニアがお届けする技術情報ブログです。
各製品のエキスパートたちが旬なトピックをご紹介します。

X-Ray Vision as Nutanix Goes Open Source

本記事の原文は Parag Kulkarni 氏によるものです。

原文を参照したい方は こちら をご覧ください。

情報は原文の投稿時のものですので、現時点では投稿時の情報と製品とで差異が生じている場合があります。

当社のNutanix社製品についてはこちら。本ブログのNutanix関連記事のまとめページこちら

ネットワールドのNutanix関連情報は、ぜひ当社のポータルから取得ください。

(初回はIDおよびパスワードの取得が必要です。)


はじめに

Nutanixは優れたパフォーマンスを持つHCI製品ですが、他の製品や環境と比較してどの程度の性能があるのかを客観的に示してくれるものが今回取り上げるX-Rayのようなベンチマークツールです。

X-RayはNutanix純正のベンチマークツールであり、当然のことながらHCI環境が前提となっているツールであるため、SSDキャッシュの効き具合などの要素も加味され、実運用が想定された負荷をかける仕組みになっています。

とはいえ、「Nutanixさん自身が提供しているツールなんだからNutanixの環境に忖度してるんじゃないの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思いますし、ごもっともだと私も思います。

そんな疑問への回答となるのが今回の記事です。

以下、本文です。


NutanixはX-RayのテストシナリオコードがMITライセンスに準ずるかたちでオープンソースとすることを発表しました

Nutanixは2017年にX-Rayという製品をリリースしています。

X-Rayにはハイパーコンバージドインフラストラクチャー製品(HCI)が、実際の状況下で混在されたアプリケーションがどのように機能するかを、お客様が高い精度で理解できるようにするというシンプルな前提があります。

この負荷をテストする機能は、すでにご利用いただいているようなさまざまなパフォーマンスベンチマークツールとX-Rayを差別化します。

最近の記事である "エンタープライズクラウドのためのChaos Monkey"(投稿時点で未翻訳) では、現実的なテストシナリオを実行してアプリケーションのパフォーマンスに影響を与えるという視点からHCIプラットフォームを検証するためのアイデアが議論されました。

X-Rayは、リリース以来順調に強化されており、サポートされているHCI製品とハイパーバイザーの他、テストシナリオの数と種類も増え、非常に包括的なHCIを検証するアプリケーションになっています。

では、NutanixがX-Rayオープンソース化した理由はなんでしょうか?

それには2つの大きな理由があります。

第一に、他のどの製品よりもX-Rayの結果を信頼するべきなのはなぜでしょうか?

これは公平性のための質問です。2017年の最初の対応はユーザーが定義したカスタムテストシナリオを実行する機能を提供することでした。

デフォルトのテストセットがお客様のご要望に合致していない場合や、特定のテスト要件を満たしていない場合は、既存のテストセットを編集するか、新しいテストセットを作成するだけです。

そして、そのテストシナリオは必要に応じてエクスポートやカスタマイズ、共有、そしてインポートすることができます。

さらに今年はもう一歩前進することを決断しました。

X-Rayオープンソース化することで、お客様はどのようにインフラが設計されているかをより正確に理解できるようになります。

さらに重要なことに、テストシナリオは調整やパフォーマンスチューニングを行うことなくHCI製品上で現状のままで実行することができるでしょう。

第二の理由ですが、Nutanixは他の組織や開発者個人が、その他のHCI製品やハイパーバイザー、テストシナリオなどでX-Rayの機能拡張することを期待しています。

このオープンソース化は外部の開発者がX-Rayをさらなる拡張を可能にしました。

Xray

X-Rayがオープンソース化される本当の意味とは

まもなくアナウンスされるX-Rayの次期リリースでは、X-Ray CurieのソースコードはMITライセンスに準ずるかたちで提供され、GitLabにて利用できるようになります。

X-RayのコアコンポーネントであるCurieは、仮想化インフラストラクチャーに対するテストシナリオを解釈し、実行し、テスト対象となるインフラストラクチャーとのインターフェイスとして仮想マシンをデプロイし、ワークロードを管理し、スナップショット、移行、および障害などの他のイベントへ誘導します。

誰でもこのソースコードをダウンロードや参照することができ、将来的にはコードのSubmit や Merge Requestもできるようになる予定です。

 

どこにオープンソース化されるのか

外部にポストしたとき、すべてのリポジトリは適切なプロジェクト名とドキュメントリンクと共に https://gitlab.com/nutanix に存在するようになります。

 

コードのSubmit と Merge Request

GitLabには、コードをSubmitしたい人が参照するべきMerge Requestについての優れたドキュメントがありますが、現在の標準とプロジェクトの方針に従ったコードのMerge Requestは、Acceptされる可能性が最も高くなります。

それは進歩を意味するでしょうか?

NutanixはX-Rayの開発と強化に努めています。また、積極的にロードマップを計画しており、昨日の提供とNutanixがリリースしたコードブランチのサポートを継続します。

オープンソース化によりお客様とベンダー各社はコードを参照することができ、また独自のニーズをもとに開発を進めることが可能です。

Nutanix X-Rayについては https://www.nutanix.com/x-ray/ をご覧いただき、 https://next.nutanix.com/nutanix-x-ray-18 のコミュニティに参加することでより理解が深まります。

Nutanixはすべてのお客様がハイパーコンバージド製品の展開の成功を期待しており、X-Rayはその支援を目指しています!


あとがき

今回の記事でNutanix X-Rayオープンソース化されたソフトウェアだということがお分かりいただけたかと思いますが、これは公平性を保つために必然的な取り組みであるということが言えます。

ソースコードを公開していることで「もしNXシリーズだったらスコア増し増しにしときますね~」みたいなことも難しくなるため、どんな製品でもかかってこい!というNutanixの自社製品に対する自信の表れとも読み取れますね。

ちなみに私はVDIの担当者でもありますので、LoginVSIというVDI業界標準のツール(有償)もご紹介しておきます。

実運用での導入環境の性能が心配な方も、ベンチマークマニアの方もぜひNutanix X-Rayをお楽しみいただければと思います。

ということで、X-RayをはじめとするベンチマークツールやNutanix製品についてはネットワールドまでお気軽にご相談ください!

記事担当者 : SI技術本部 海野航 (うんのわたる) @Nutanix_NTNX