こんにちは、バックアップ担当の宮内です。
ご挨拶が遅くなりましたが、 3月のセミナーではとても多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございました!
引き続き、Arcserveとネットワールドをよろしくお願いたします。
どちらも仮想マシンを迅速に復旧するための機能なのですが、「どう違うのかわかりにくい」という話を耳にします。
実際に触ったことがないと、イメージしにくいですよね。
Arcserveのブログでもまとめられているのですが、それでもまだ悩んでいる人がいる!
ということで、私の言葉でちょっとまとめて比較してみました!
ちなみに、今回はvSphere環境を前提に話を進めますが、Arcserve UDPはHyper-V環境にも対応しています。
厳密に言えば仮想化基盤ごとに異なる部分がありますが、大まかな仕組みは同じなのでご安心ください。
VMware社からはVMware vStorage APIs - Data Protection(通称VADP)というAPIが提供されています。
このAPIを使用することで、バックアップソフトウェアはvSphere環境の機能と連携して効率よく仮想マシンのバックアップを取得することができるのです。
□仮想マシンバックアップのしくみ(vSphere環境の場合・通称VADPバックアップ)
ちなみに図中にRPSと書いてあるものはArcserve UDPのバックアップサーバー「復旧ポイントサーバー」のことです。
UDPは大きく分けて「コンソール」「復旧ポイントサーバー」「エージェント」の3コンテンツで構成されていて、コンソールでバックアップを管理し、復旧ポイントサーバーが実際のバックアップを実行し、エージェントがバックアップ対象となる、というイメージです。
UDPの構成についてはArcserveさんの紹介資料がわかりやすいと思うので、是非ご一読くださいませ。
通常のリストアで一般的に時間がかかるとされるのは、手順2の「データ転送」の部分です。
どうにかしてこのデータ転送時間を短縮させたくて、UDPでは異なるアプローチで2つの手段を用意しました。
それが、「仮想スタンバイ」と 「インスタントVM」ということです。
ではおまたせしました、それぞれの機能を紹介いたします!
■仮想スタンバイ
データ転送に時間がかかるなら、時間に余裕があるうちに送ってしまえばいいじゃない!という発想ですね。
□仮想スタンバイを利用したバックアップ・リカバリ
ちなみに、仮想スタンバイ中は本番マシンのモニタリングができるので、本番機に障害があったときに自動的にスタンバイVMが起動するようにも設定できます。
欠点としては、普段使わない仮想マシンが常に1台存在するので、仮想環境側のリソースを余分に使ってしまうことですね。
ただ、復旧後にあれこれする必要がないというのは、障害対応の大変さを考えるとなかなかのメリットだと思います!
■インスタントVM
インスタントVMとは
バックアップイメージを一時的なデータストアとしてESXiホストにマウントし、本来のデータストアへのデータ転送をすることなく迅速な復旧を可能にする機能
データ転送に時間がかかるなら、とりあえずデータ転送しなければいいじゃない!という発想ですね。
□仮想スタンバイを利用したバックアップ・リカバリ
本来のデータストアに仮想マシンのファイルがなくても、仮想マシンを使えるようになるんです。
もちろん、そのままずっと使い続けるわけには行きませんが、ご心配なく!
あとからvMotionで本来のデータストアにお引越しさせればいいんです。
(正式に復活させずに、必要な仕事だけしてもらってすぐに消すのも選択肢の一つです)
インスタントVMのパフォーマンスは通常の仮想マシンと比較すると悪いので、いずれにせよ早めの2次処理がおすすめかな、と思います。
そうそう、仮想スタンバイの欠点として先程触れた「仮想環境側のリソースを余分に使う」といった心配は、インスタントVMではありません。
リカバリ後の処理は必要になるものの、バックアップ時点で何も準備しなくても使える、というのもインスタントVMの強みですね!
■まとめ
最後に、仮想マシンを迅速に復旧させるために、他のバックアップ製品はどんな機能を備えているか、代表的なものを紹介して終わりたいと思います!
みんな考えることは似ていますが、ちょっとずつ特長があるので、比べてみると面白いかもしれません。
□Veritas NetBackup
- AIR(Auto Image Replication)
遠隔地でもすぐにリストアできるよう準備してくれるレプリケーション機能。
リストアしてあるわけではないので、仮想スタンバイほどではありませんが有事の際の一手間が省けます!
仮想マシン以外もレプリケーションできます。
※リンクはネットワールドネットワールドの製品紹介ページです - インスタントリカバリ
インスタントVMとほぼ同じ機能。
一時的なデータの書き込み領域を別途用意するため、一時的な仮想マシンのパフォーマンスが落ちにくいのが優位点!
※リンクは以前書いたブログ記事です
□Veeam Backup & Replication
- フェールオーバーとフェールバック
仮想マシンのレプリカを作成し、本番VMがダウンしたら即座にフェールオーバーさせる機能。
フェールバックで切り戻します。
アプローチはちょっと違うかもしれませんが、発想は仮想スタンバイと似ていますね。 - インスタントVMリカバリ
ありがとうございました!
書いた人:宮内