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高速化層からプライマリストレージへ書き込みをデステージ(ステージ解除)する - パート2

本ブログエントリーはPernixData社のコアチームエンジニアであるChethan Kumar氏のブログの翻訳版です。

本記事の原文はDestaging Writes from Acceleration Tier to Primary Storage – Part IIで閲覧可能です。
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本記事は「高速化層からプライマリストレージへ書き込みをデステージ(ステージ解除)する - パート1」の続編です。こちらもご参照ください。

本シリーズのパート1でFVPのWrite-Backモードでのフラッシュメモリからプライマリストレージへの非同期データステージ解除について紹介しました。様々な状況でのデステージと非同期のでステージによって典型的なI/Oのワークロードのアプリケーションがフラッシュメモリ並みのレイテンシになる様子をお伝えしました。今回の記事では書き込みが多いワークロードに対して高速化を行った際に、非同期のデステージがどのようにパフォーマンスに影響するかどうかを議論していきます。

書き込み中心のワークロードの高速化

書き込みがバーストするワークロードを動作させている仮想マシンを検証に利用します。検証中、ワークロードは定期的に非常に高いピークの書き込みのみを発行し続けます。この仮想マシンはFVPでWrite-Backモードを選択して高速化されています。以下の図は検証の最中の仮想マシンから見た書き込み操作を表したものです。ピーク時に書き込みは15K/秒程度まで高くなりますが、それ以外の期間は250/秒程度です。すべての書き込みはバースト期間を含む検証の全期間においてフラッシュデバイスから提供されています。しかしながら、シリーズのパート1で行った実験とは異なり、この検証ではプライマリストレージは仮想マシンからの書き込みを仮想マシンが発行するのと同じスピードでは行うことができていません。結果としてフラッシュからプライマリストレージへのデステージのスピード(11K/秒)は仮想マシンが書き込みを発行するスピード(15K/秒)よりも遅くなっています。これはバースト期間には仮想マシンのデータのすべてを受け入れ後、すぐにはステージ解除できなかったということを意味します。FVPのおかげで、書き込みは受け入れ後すぐに完了通知が発行され、仮想マシンは次なる書き込みを発行できます、そして、ストレージが容易にハンドリングできるスピードでプライマリストレージへと送られます。下の図の書き込みのピークは重なっていません。この図の結果は高速化層を利用することで、書き込みが発行後にすぐに実行完了しつつも、最終的な格納場所へと非同期で過度に負担をかけることなく送られるというメリットを表現しています。

Fig103仮想マシンが書き込みを発行した際、下の図のように、書き込みはフラッシュでフラッシュのスピード(レプリカを利用する場合はフラッシュ+ネットワークのスピード)で処理されます。しかし、仮想マシンからの書き込みがデステージのスピードを上回っているため、デステージ領域はデステージすべきデータ量がどんどん増加していくように見えます。FVPはデステージ領域がしきい値に達するまで埋め尽くされるまではフラッシュのスピードで書き込みを受け付け続けます。もし、しきい値に達した場合、FVPは仮想マシンへの完了通知に対して遅延を追加し、新しい書き込みを調整し始めます。このしきい値はプライマリストレージが書き込みを提供するのに、遅い場合でもデステージャーがデータを受け止められるように注意深く選定されています。追加される遅延はデステージ領域がどれほど専有されているかどうかとSAN側の遅延(プライマリストレージがデータブロックを書き込む際のデステージャーから見た遅延)で決まり、デステージ領域がしきい値を超えて埋め尽くされている時にだけ、追加されます。ということで、書き込みバースト期間に仮想マシンから実際に見えている書き込みの遅延(ブルーのライン)はフラッシュの遅延(オレンジのライン)よりも高くなっていますが、データストアの遅延(グリーンのライン)よりもはるかに低くなります。

Fig104調整の具合はインテリジェントなアルゴリズムで決定され、デステージ領域の専有の具合をしきい値以下に保つために動的に調整されます。もしも専有が解除されない場合、FVPはデステージ領域を空けるために大きな遅延を追加するため、最終的には専有率は落ちていきます。専有がしきい値を下回ればすぐに、FVPはフラッシュのスピードで書き込みを提供し始めます。しかしながら、殆どの場合、エンタープライズアプリケーションからの書き込みは短期的な噴出のみです。標準のデステージ領域の大きさはこの噴出を十分に取り回せる最適なサイズになっています。このような場合、書き込みはフラッシュのスピードで提供されます。

まとめると、書き込み中心のワークロードであっても、FVPは今日のプライマリストレージのテクノロジーが提供できるよりはるかによいSLAを提供できます。多くの書き込みが集中砲火される要な場合においても、FVPによってフラッシュに近い遅延を実現することが可能です。インテリジェントな機能によって、プライマリストレージがハンドリングできないようなバーストであっても、FVPはうまくハンドリングしてくれるのです。

次回予告 : 書き込みだけのワークロードの高速化…

記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@pernixdata_netw)