皆様、こんにちは。カスペルスキー製品担当SEの小池です。
カスペルスキー製品の管理サーバーであるKaspersky Security CenterはSQL Server、MySQL、MariaDBを使うことができます。
ただし、SQL Server 2019 を利用するときに限り、追加手順が必要となります。
今回はこのKSCのDBでSQL Server 2019を使う場合の追加手順を紹介いたします。
今回の内容は以下の通りです。
今回の記事は以下のバージョンにて検証し、画面ショットを取得しております。
●管理サーバー
OS:Windows Server 2019
DB:Microsof SQL Server 2019 Express
Kaspersky Security Center:13.0.0.111247
Kaspersky Security Center Web Console:13.0.10285
●保護対象デバイス
なし
●利用ライセンス
なし
追加手順の概要
冒頭で述べた通り、今回紹介する手順が必要なケースは、Kaspersky Security Center のDBに SQL Server 2019 を利用しているときのみです。
本件はオンラインヘルプに記載があります。
KSC12はこちら、KSC13はこちらです。
本手順を実施するタイミングは、KSCをインストールした後です。
具体的には、以下MicrosoftのSQL ドキュメントの「互換性レベルを変更せずに、スカラー UDF のインライン化を無効にする」をやっている模様です。
Microsoft SQL Server でのスカラー UDF のインライン化 - SQL Server | Microsoft Docs
KSCのオンラインヘルプではSQL Server Management Studioを使うようになっていますが、コマンドでも実施可能です。
追加手順
一応オンラインヘルプを見る限り、SQL Server Management Studio を使う手順となっているため、この手順でもそれに従います。
KSC12とKSC13で手順は共通です (2021/8/27時点)。
この手順はすでにSQL Server 2019とKaspersky Security Centerをインストール済の状態で実施します。
SQL Server Management Studioを起動し、KSC用のSQL Server 2019に接続します。
接続したらオブジェクトエクスプローラーから、KSCインストール時に指定したDB (↓の右側の画面で指定したDB名) を選択し、右クリック>[新しいクエリ]をクリックします。
オンラインヘルプに記載がある以下のクエリを入力し、[実行]をクリックします。
USE <DB名> GO ALTER DATABASE SCOPED CONFIGURATION SET TSQL_SCALAR_UDF_INLINING = OFF GO
今回の場合、DB名は"KAV" (KSCのデフォルトDB名) なので、以下のようになります。
USE KAV GO ALTER DATABASE SCOPED CONFIGURATION SET TSQL_SCALAR_UDF_INLINING = OFF GO
"コマンドは正常に完了しました。" と表示されることを確認し、SQL Server Management Studioを閉じます。
この後、SQL Server 2019のサービスを再起動させて完了です。
追加手順は以上です。
今回はKaspersky Security CenterのDBにSQL Server 2019を使う場合の追加手順についてでした。
SQL Server 2019 を利用する際のみ必要な手順なので、今までKSCを構築したことがある方は見逃しがち…かもしれないのでご紹介致しました。
KSCをこれから構築する予定の方の参考になれば幸いにございます。
この度は最後まで記事をご覧いただき誠にありがとうございました。
記載事項へのご指摘、ご不明点、ご質問等ございましたら、以下からご連絡いただければと存じます。
https://www.networld.co.jp/product/kaspersky/
それでは次回の記事でお会いしましょう!